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958話 【6ターン目】走れ走れ!居煤の捕らっく!

 さて、再びやって来ました黄金宮殿の内部!

 前回転送されてきた場所とは別の場所に降り立ったので、毎回場所がランダムで決まるというのを確認できたわけだ。


 近くには……1人いるな。

 隠れているわけでもなく、周囲を探索しながら2区画先くらいから気配を感じる。

 だから、このままお互いに進めばあと少しで遭遇するのは間違いないだろう。

 敵か味方か……どっちか分からないが、手をこまねいているわけにもいかないし会いに行ってやるか!



 出会い頭に襲われることを想定し壁に背をピタリと着けた状態で慎重に進んでいく。

 カニ歩きのように見えるだろうが、視覚的にも相手から発見されにくくするために有効な移動方法であると釈明させてほしい。

 

 そうして進んでいくと曲がり角でチラリと緑色の宝玉がハメ込まれた杖が目に映った。

 ということはここで現れるのはアイツだ!

 悪いが気取られる前に速攻をかけさせてもらうぞ!

 

 

 俺は腰に提げていた包丁をしっかりと握り、姿勢を低くして一気に飛び出していった。

 そんな俺が目撃したのはスラッとした体型の女……【アイシア】であった!

 ……これは想定通り!

 ここで会ったが百年目! その命、頂戴するぞ!


 俺は股下から頭にかけての切り上げの斬撃……逆風を放ち相手に何もさせない勢いで攻撃を開始した!

 


 「なっ!?

 ここで貴女が!?」


 【アイシア】は驚きつつも、一瞬下腹部に受けた刃を杖で押し返し被害を最小限に抑えてきた。

 その後も包丁で連続攻撃を行なっていくが相手が守りに徹している状況のためこれ以上のダメージは与えられず戦いが進行していくこととなってしまったな。


 ちっ、初手必殺とはならなかったか!

 ……まぁでも、開戦と同時に大きいダメージを与えられたのでよしとするか。



 「卑怯ですよ!

 同じMVPプレイヤーと言えども【ランゼルート】とは全く違いますね。

 あの人は常に正々堂々、公明正大な【正義】を掲げて戦っています!

 このような不意打ちなど言語道断です」


 はっ、何言ってるんだ?

 戦いに卑怯もひったくれもないのが俺の流儀だ!

 そっちの【勇者】様はどうだったか知らないが、俺の包丁次元ではこれが正義……勝てば官軍!

 【ランゼルート】に随分寵愛されていたようだが、過保護過ぎたんじゃないだろうか?

 戦い……特に戦争に正々堂々なんて唾棄したくなるような虫酸のの走る言葉の響きだからな。


 ほらほら、そんなこと言っている間にどんどん攻め込まれているぞ?

 まさか俺を言葉で調伏できると思っているのか?

 そんなことを考えているのなら頭に砂糖でも詰まっているのかと思ってしまうが……



 「いえ、貴女相手にそれが出来ないことは分かりました。

 ですので、ここで【ランゼルート】に解放してもらったスキルを使わせてもらいます。

 スキル発動!【緑王顕現権限】!」


 俺がさらに攻めたてようとすると、【アイシア】は緑色の粒子を身体に纏わせながら俺を弾き返してきた。

 【緑王顕現権限】はおそらく【森人】……エルフの力をより引き出すための顕現権限スキルだ。

 【槌鍛冶士】は使っていなかったが、プレイヤーとして活動するなかでも【森人】の力を行使するためにリミットをかけていたのだろう。

 だからこそ【アイシア】もスキルを用いて自身の存在定義をより強固にするために【緑王顕現権限】を使ってきたというわけだ。


 

 「そしてこれが私の得意技……です!

 スキル発動! 【緑王絶対封印】!」


 【アイシア】による緑と黄金の入り交じった鎖が俺に向かってきた。

 これはただの鎖ではなく、【森人】の力で編まれた蔓の集合体……つまりは【封印】の力が籠められた超絶厄介なオブジェクトだ!


 前に戦ったときは【フランベルジェナイト】がこの封印の鎖に雁字搦めにされてしまい絶体絶命のピンチに陥ったので、非常に警戒していたのだ!


 

 だからこっちもそれ相応の力を見せないといけないというわけだ!

 スキル発動!【深淵纏縛(クラスト・)ЖЖ(ジェーライト)



 ここで俺が起動したのは先日【プシーナク】を下して新たに仕入れた2つ目のЖ細胞を重ねたものである。

 ジェーライトのバニー服フォームとなった俺だが普段と違う点としてはお尻に生えていた尻尾が二本ではなく八本に増えているのだ!

 


 そして迎撃に必要なのはこれだ!

 スキル発動!【魚尾砲撃】!

 さらに重ねて【魚尾砲撃】!



 これまで【阻鴉邪眼】でしか出来なかった重ねの兵法をここで【魚尾砲撃】でも使っていく。

 半分の四本から出てきたのは通常の極太レーザーで、これは俺たちを追ってきている蔓の鎖の進行を食い止めるために全方向に放射して牽制を続けていく。

 そして残りの四本の尻尾から生み出されたのは【ジェーライト】が得意とする【侵略】の力を保有した毒球である。

 俺の顔くらいの大きさの禍々しい色をした毒球が、極太レーザーを放っていない残りの四本の尻尾から放たれ蔓の鎖に激突しようとしていた!





 前は圧されていたが、今回はどうなるっ!?


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[一言] 侵略の力がどう作用するのか、とても気になる! 明日が待ち遠しいぜ!
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