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954話 【4ターン目】そろそろスキルも使いたいです……

 【4ターン目】


 【行動を選択してください】


 【使用可能コマンド「自陣強化」「ターン終了」】

 【使用不可コマンド「攻撃」「ユニーク」】


 【ユニット【包丁戦士】】

 【ユニット【釣竿剣士】】

 【ユニット【風船飛行士】】


 【スキル【深淵纏縛】】

 


 ターンが始まり再び2つの次元を遮るように視界がぼやけていく。

 前のターンはお互いに動きがないように見えるターンだったから相手のリソースの使い道を予測しながらこの4ターン目の行動を決めていくことになる。


 

 「さっきは【包丁戦士】に3ポイント全部突っ込んだが、次はどうするンゴねぇwww

 オレとしては【竜鱗図冊】を使わせて欲しスグルwww

 今のままだとアイテムを落とすくらいしか出来ないぞwww」

 「それなら私は【現界突破】を解除してもらいたいです。

 本来の力を取り戻した生産プレイヤーの力を披露したいですからね」


 【風船飛行士】と【釣竿剣士】がそれぞれ自身の要望を俺に伝えてきているが、それは前のターンの俺の行動が原因だろうな。

 そりゃ他のやつが強化されたのなら自分も強化したいと思うのが人間の性というものだ、俺だってそうする。

 ……というわけで二人の意見を精査していこう。



 【風船飛行士】に【竜鱗図冊】を与えるメリットは攻撃手段に繋がってくるというものだ。

 abilityによるオート射撃、風船偽竜などここから戦いの選択肢が広がる起点スキルである。

 同じような変身スキルである【聖獣毛皮】を要求してこなかったのは何故だろうか?

 使うポイントが同じで実質上位互換なのに【竜鱗図冊】をねだるのは謎だ。

 ちなみに、【竜鱗図冊】も【聖獣毛皮】も使用するリソースは2ポイントである。



 「【竜鱗図冊】の方が使いなれているのが理由1つだwww

 それにさっきお前も言ってたじゃねぇかwww

 【聖獣毛皮】だとabilityとの連携が出来ないンゴねぇwww」


 えっ、そうだったのか……(困惑)

 【聖獣毛皮】も【竜鱗図冊】同様に連携出来ると勘違いしてたぞ!

 つまり、本人自身の戦闘力は【聖獣毛皮】の方が上がるが、総合力で見ると【竜鱗図冊】の方が上回るということだな。



 「もちろん両方使えればフルスペックンゴwww

 でもどっちかだけなら【竜鱗図冊】の方がタスカルタスカルwww」


 フルスペック【風船飛行士】を作り上げるなら俺自身を強化したいぞ……

 フルスペック【風船飛行士】でも【ランゼルート】に対抗できるとは思えないからな!



 「私なら対抗できると思いますけど……?

 生産プレイヤーとして勝つ気概はありますよ!

 だからこそスキル【現界突破】が欲しいところなんです」


 チートスペックの【釣竿剣士】なら或いは……と思いたいところだが【ランゼルート】は釣竿次元のMVPプレイヤー【師匠】に勝ち越しているという揺るぎない事実がある。

 あの【師匠】があっさり負けているとは思いたくないが、そうなると【釣竿剣士】でも荷が重いかもしれない。

 最悪アメコミNinja【ラクヨウ】相手に時間稼ぎをしてくれたらいいし、このままでもそれなりに戦える人材ということを加味したら【風船飛行士】よりは優先度が低いだろう。



 「それに【現界突破】は手数が増えるわけじゃないからなwww

 幅広い対応力ということを考えたらオレ優先っていうのははっきりわかんだねwww

 ンゴッンゴッンゴッンゴッwww」

 「む……言われてみるとそうかもしれないですけど……

 【包丁戦士】さんはどう思いますか?

 当然、生産プレイヤー的考え方でお願いしますよ!」


 生産プレイヤー的考え方……?

 それは置いておくとして頭がキレる【風船飛行士】の考えに従うのが無難だろう。

 利己的思考から導きだした答えかもしれないが、それでもきちんと筋が通っている。

 特別な立ち位置をして動いてもらう予定の【風船飛行士】がその役割を全うするにはそれ相応の手札を持たせておかないとユニットとしての魅力が薄れるからな……


 というわけで、そういうことになった。



 「それで残りの1ポイントはどう使いますか?

 流石に私も何かしらの強化をもらいたいですけど」

 「それなら()()にしようずwww

 包丁次元の戦いの代名詞といえばあのスキルだろwww

 思い出すだけで昂ってきたwww」


 あれか……

 俺としては使い勝手がいいけど、お前らはそれでいいのか……?

 


 「私も【師匠】を倒した時に使いましたし、対人戦でこのスキルを持っておくのは悪くないと思います。

 生産活動にはアクセントも必要ですからね。

 一回でもこのスキルが脳裏にちらつけば、対戦相手が下手に手を出せなくなるのはここにいる三人皆思い知っているでしょうし賛成しますよ!」

 「だろうなwww

 気が合うことだし今度一緒にお茶でも行きたいwww

 胸がデカくてスタイルがいい女はイイゾ~www」


 コイツ……次元戦争中でもナンパとは呆れたやつだ(困惑)

 今の発言はセクハラもいいところだぞ?

 お灸を据えるという意味でも彼女に今度チクってやるか。

 

 「それは止めてクレメンスwww」



 今後の【風船飛行士】の扱いも決まったところでそろそろコマンド選択をしていこう!



 「自陣強化」からの……「スキル凍結解除」!

 対象は【竜鱗図冊】と【魚尾砲撃】だ!


 そのコマンドを選択すると俺たち三人に光が降り注ぎ始めた。

 これで新たに使えるスキルが増えたというわけだな!



 これでリソースを使いきったので「ターン終了」コマンドを選択すると再び【ランゼルート】たちが視界に現れてきた。

 向こうはまたしても目に見えて分かる変化無く、頭数はそこまで重視しない戦い方を選んだのだろう。

 


 「君もまた仲間を増やさなかったのだね?

 そのまま潔く負けを認めてくれたらもっと楽なんだけど……どうかな?」


 どうかな? じゃないんだよなぁ……

 そもそも戦闘が始まっていないのに降参するわけないだろ!

 俺をおちょくるのもいい加減にして欲しいぞ!



 「君は見た目だけだと幼い女の子にしか見えないからね。

 僕の【勇者】としての性質から自然とこんな振る舞いになるのさ。

 恨みがある相手でも幼女に手を上げることは避けられるなら避けたいよ」


 ふーん、流石は【正義】の【勇者】というところだな。

 俺のような悪性の塊のように深淵属性や大罪属性を持つ存在にも甘い対応をするなんてお人好しもいいところだ。

 それが自分の身を滅ぼさないように注意することだな!

 ……ちなみに俺は幼女じゃないぞ!



 「ご忠告謹んでお断りするよ。

 僕は負けないからね」


 おぉ……実に強気なこった。

 俺の幼女じゃないという否定は完全にスルーされてしまったが、【ランゼルート】の勝利への強い執着心と絶対的自信は充分に伝わってきた。

 微塵も負けるつもりがないのだろう。

 





 俺も大人しく勝ちを譲る気はないけどな!


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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