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951話 【1ターン目】チートユニット召喚

 【ディメンションバトル】



 【【1位 包丁次元】VS【2位 聖剣次元】


 【終了条件 MVPプレイヤーの打倒】



 【異次元の風が吹き荒れている】


 【包丁が血を求める】


 【聖剣が全ての導きとなる】





 【Duel Start!】




 【1ターン目】


 【行動を選択してください】


 【使用可能コマンド「自陣強化」「ターン終了」】

 【使用不可コマンド「攻撃」「ユニーク」】

 【ユニット【包丁戦士】】



 俺と【ランゼルート】は向かい合いながらもそれぞれの目の前に表示されたウインドウ画面と睨めあっていたが、ターン開始直後お互いの姿が確認できないように視界がぼやけていったようだ。

 1ターン目に配布されたリソースの使い方について考えているから、お互いのターンが終わるまで状況を確認出来ないような仕様なのだろう。



 速攻で【ランゼルート】を倒すには、単純に考えるなら「攻撃」コマンドだが、このコマンドには穴がありすぎる。

 何故ならば、戦闘が解禁されるのは双方だからだ。

 つまり、「攻撃」コマンドで仕留めきれなかった場合はそれだけでリソースの差が生まれてしまうわけだな。

 これを理解していれば早々に「攻撃」なんて出来ない。

 ……まぁ、そもそもの話「攻撃」コマンドが使えるのは5ターン目以降だから選択すら出来ない。

 

 つまり、「自陣強化」を行うべきだろう。

 味方を召喚するコマンドを選んでみると、そこには包丁次元の全プレイヤーのリストが浮かび上がってきた。

 流石に数が多すぎるのでフィルター機能や検索機能がつけられているのを見て思わずホッとしてしまったのは秘密だぞ?


 リストを見てみるとプレイヤーごとに召喚に使用するリソースが違っているが、知り合いをざっくり眺めているとある程度共通点があった。


 ○種族転生をしている

 ○ジョブを獲得している

 

 この項目一つ該当する度に召喚に消費するリソースが1増えるらしい。

 俺自身を召喚する場合……「深淵天子」「深淵使徒」「次元天子」「上位権限」の4つ分を追加して5ポイント必要になるというわけだ。


 しかもスキルを封印された状態なので、俺にスキルを使わせるならさらに使用リソースが嵩むという燃費の悪い駒となるだろう。

 俺以外がMVPプレイヤーだったら絶対に呼ばないだろうな……

 また、これとは別枠でフレンド枠ランダム召喚とかあったが……まぁ……




 そしてスキル凍結の解除は


 ○聖獣スキル、カタカナスキル、深淵スキルが1ポイント

 ○顕現権限スキルが2ポイント

 ○【深淵纏縛】が3ポイント

 ○【夢幻深淵】が4ポイント

 ○【上位権限】を経由するスキルが5ポイント


 だった。

 ただ、これは俺だけを参照しているので他のプレイヤーが持つスキルが同じ法則かは不明だ。

 

 この結果を見てふと少し前に開催されたアイドルイベントの本選を思い出した。

 あの時【山伏権現】がわざわざ顔を出してある要素を重視していたのはこのためだったのか……?

 


 そして最後、身体スペックの上昇についても幾つか種類が選べるようで……


 ○運動能力強化

 ○防御耐性強化

 ○五感強化


 などあるようだ。

 ちなみに、深度は称号補正で減ってないらしいからスキルさえ取り戻せばある程度は戦えそうだ。

 最悪身体スペックは上げなくてもいいかもしれない。



 となれば1ポイントで選ぶのはこれしかない!

 「自陣強化」!そして「召喚」!

 現れよ!【釣竿剣士】!


 俺が1ポイントで呼び出したのは包丁次元でも最強格と名高い異世界人……花飾りをつけた女【釣竿剣士】だ!

 頼りにしているぞ!



 「当然ですよ、生産プレイヤーなら!

 この大一番で呼んでもらえたからには全力で頑張らせてもらいます」


 【釣竿剣士】は種族転生もしていないプレーンな底辺種族で、ジョブも保有していないので必要ポイントか1ポイントだけというコスパのいい駒というわけだ。

 ……ぶっちゃけ壊れユニットと言われてもおかしくないだろうな。

 しかも【釣竿剣士】が基本的に使うスキルは【想起現像】と【現界突破】の2つだけなのでスキル凍結解除をしなくても戦えるのが大きいな。

 

 これで1ターン目に使えるリソースを使いきったので「ターン終了」コマンドを押して【ランゼルート】の行動が終わるのを待つことになった。

 



 【1ターン目終了】


 ターン終了のアナウンスが鳴り響くとお互いの姿が再び見えるようになった。

 【ランゼルート】の目には俺の横にいる【釣竿剣士】の姿が映っていることだろう。

 こっちの変化は【釣竿剣士】のみだが、【ランゼルート】側にはこれといった変化が見られない。

 リソースを温存したのか、あるいは自分自身を強化したのか判断に悩むところだがこちらから確認する術がないので口で直接確認するしかないだろう。



 「わざわざ敵である君に教える義理はない!

 ……逆に包丁次元側の変化は分かりやすい。

 一人では敵わないと仲間を呼んだのだね。

 実に堅実な選択だけど、それで僕に勝てるとは思わないで欲しいところだよ」


 【ランゼルート】は冷静にこちらの分析をしつつ的確に煽りを入れてきた。

 俺には絶対に負けないという自信がひしひしと伝わってくるが、他のやつならともかく【ランゼルート】にそう言われるのは非常に腑に落ちるな……

 【ランゼルート】は手の内を明かさずに精神的な揺さぶりでさらに優位を広げようとしてきたのだろう。

 

 情報アドバンテージと精神アドバンテージを得ようとしたのは【上位権限】を持つAIとしての思考回路かな?

 


 


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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