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950/2205

950話 次元戦争開始前のルールブック

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 とうとうこの時がやってきた……

 今日から次元戦争開始だ!

 

 今回の相手は【聖剣次元】、10個の次元全ての中でも隔絶した力を持つ存在である【ランゼルート】がMVPプレイヤーとして率いる次元だが俺は過去に一度だけ勝利を収めていた。

 フィールドの恩恵、予期せぬ助っ人、人数差……考えうる全てが俺に有利だったのにも関わらず紙一重の辛勝というものだったため次も勝てるなんて楽観視は一度たりともしたことがない。

 実際、【ランゼルート】との再戦に向けて戦力を増強するのを念頭に行動し続けていたからな!

 

 もちろん勝てる見込みがあるかと言われたら微妙なところで、これだけ力をつけたとしても勝率は一割もないだろう。

 何せ【上位権限】レイドボス2体がかりでも倒せなかったんだからな……

 

 だが、今回はお互いにスペックを平準化させた状態の次元戦争という話だ。

 時間をかければかけるほどリソースが供給されて本来の力を取り戻されて不利になること間違いなしだが、序盤で畳み掛ければ勝算はある。

 


 さて、そろそろ開始予定時刻だが……?



 それを証明するように、ウインドウ画面の【上位権限】という項目が点滅している。

 あきらかにこの項目を選べという意志がひしひしと感じられるので、それを押すと「【上位権限】【Battle field】展開!」という文字が現れた。

 この文字を触っても意味がないというのは分かっているので、素直に起動できた方法を試させてもらうぞ!

 俺は口を大きく開き、【上位権限】の起動ワードを唱えていく。



 「【上位権限】【Battle field】展開!」


 俺は包丁を天に掲げて、包丁から力の奔流である光を煌めかせ始めた。

 そして、その奔流に呑み込まれるようにして俺は天子王宮から姿を消していったのだった……








 【特異次元 深淵奈落ー深層 エルドラド】



 俺が飛ばされてきた場所は辺り一面が漆黒の黒炎に覆われた洞窟だった。

 だが、ただの洞窟ではない。

 漆黒の黒炎の洞窟の中に黄金の宮殿が築かれていた。

 黒い背景に黄金の宮殿は悪目立ちし過ぎているように思えるが、どちらからも禍々しい気配がするのは同じであるので不思議とこの形がしっくり来るのだ!

 

 だが、深淵奈落深層はエルルイエという名前だったはずなのにここではエルドラドとなっている。

 つまり、この深淵奈落は包丁次元ではなく聖剣次元のものを参照したものというわけだな。


 【山伏権現】が俺を優遇すると言っていたので、条件だけを見れば聖剣次元ベースということで聖剣次元の肩を持ちつつ、性質的に考えると深淵の力を扱う俺に有利になるよう仕組んだのだろう。

 実に上手い依怙贔屓の仕方だな……

 どっちも条件的には優遇しているように見えているのがミソだ。


 そこまでして俺に勝たせたいという【山伏権現】の強い意思を感じるな。

 基本的にプレイヤーへの不干渉を貫いているのにここまで介入してくるのは【ランゼルート】が一位になることが『面白さ』の妨げになると考えているからだろう。



 「僕に対して散々な言い様だね。

 包丁次元のMVPプレイヤー【包丁戦士】。

 前は最後に不意を突かれて負けたけど、今回は負けないよ」


 俺の前に転送されてきたのはなんと相手の大ボスである【ランゼルート】だ!

 まさか開始前に顔を会わせる次元戦争とは……



 「僕も驚きだけど、今回は5ターン目まで双方の攻撃が禁止されているからだろうね。

 アイシアの仇を目の前にして攻撃できないのはもどかしいけどルールなら従わざるを得ないさ」


 5ターン?

 つまりターン制なのか?

 ……と目の前の【ランゼルート】を見るとウインドウ画面に表示されたルールブックを確認しているようだった。


 ……俺も確認しておくか。

 そう思いウインドウ画面を開き指操作で画面をスクロールしていく。

 細かいルールが多いが大方こんな感じだ。



 【ルール】


 ○リソースは1ターン目は1つ、2ターン目は2つと増えていき、最終的に3ターン目以降は3ずつ増えていくことになる。


 リソースを用いて出来ることは……

 ○自分の次元から駒となる存在を呼び出す。

 ○使用可能スキルの凍結を解除する

 ○自身の身体スペックの向上

 ○攻撃

 ……他にもあるがこれがメインっぽい。

 これらは呼び出したり解除したりするものによって使用するリソース量が異なるらしい。


 ○コマンドは「攻撃」「自陣強化」「ユニーク」「ターン終了」


 ○「攻撃」コマンドは5ターン目まで使用不可。

 攻撃コマンド選択にもリソースを最低一つ使用しないと行えない。

 使用したリソースに応じて戦闘可能時間が決められる。



 ○「自陣強化」コマンドはその名の通り味方を強化するコマンド。

 ステータスアップ

 スキル解放

 召喚

 ……をメインで使うことになるだろう。 

 召喚は1ターンに1人しか呼び出せないみたいなので、リソースの溜め込みすぎにも要注意というわけだ。



 ○「ユニーク」コマンドは対戦中一度しか使用できない奥義のようなものらしい。

 非常に気になるコマンドだが、内容は今は確認できないようだ。



 ○勝利条件はMVPプレイヤーの打倒。

 包丁次元は【包丁戦士】が、聖剣次元は【ランゼルート】が敗れたら他に何が残っていようと強制終了らしい。

 




 さて、どうやって【ランゼルート】に勝つか……悩みどころだな!


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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