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949/2204

949話 次元戦争告知ゲーム議論

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 俺が玉座に座りながらログインすると、目の前に一人の人物の影が現れた。



 山伏のような姿とサラリーマンのような姿をまぜこぜにしたカオスな見た目のやつだ。

 基本は山伏衣装なんだが、ネクタイをしていたり、キッチリメガネをキメて、髪は七三分の状態でワックスで固めているようだ。

 この時代錯誤な服装をしているやつは見覚えがある。

 ゲーム運営プロデューサーの【山伏権現】だ。



 【どうも、ゲーム運営プロデューサーの山伏権現です。

 まずは、ここまでこのゲームを楽しんでいただけたようで、プロデューサーとして感謝を!

 これからもこのゲームをよろしくお願いします!】


 恒例の挨拶をドーモ。

 この挨拶は既にテンプレと化してるな……

 もはやお決まりになった登場時の挨拶を口にしながらも、【山伏権現】は俺のことを見定めるような目で見つめてきている。



 このゲーム運営プロデューサーが出てくるってことは、そろそろあれが開催される時期だったということだな。


 【【包丁戦士】君が察しているように、次元戦争開催のお時間だ!

 はい拍手!】


 俺はこれからの次元戦争に想いを馳せながら【山伏権現】が促すように拍手をしていた。

 さて、今回はどんな形式の次元戦争なんだ……?


 

 【今回は君の次元に配慮して組み直した形式だね。

 相手はなんと【聖剣次元】!

 【ランゼルート】君には悪いけどあの子がトップの次元に一位を再び与えるわけにはいかないから意図的に優遇させてもらうよ。

 このゲームの趣旨からして一時的ならともかく、長期間継続的にNPCが頂点にいることは望ましくないからね!

 だけど、ゲーム運営プロデューサーとして無理なく優遇できるのはあくまでも対戦形式だけ、戦いそのものはお互いの実力だけで雌雄を決してもらいたいと思っているよ。

 ……と、話が逸れたね?

 対戦形式はプレイヤーを駒としたボードゲームさ!】


 プレイヤーを駒としたボードゲーム!?

 ここに来てよくわからないものを持ち出してきたな……

 この説明だけだと何をするのか想定しきれないぞ!


 ボードゲームといっても世の中には色々なルールのものがある。

 胡散臭いと定評のあるゲーム運営プロデューサー【山伏権現】がこの局面で出してきたというのはさっきの説明からしても、俺に有利になる……もしくは【ランゼルート】から有利性を剥奪するものだろう。


 

 【簡単に説明すると、ボードゲームでリソースを稼いでそのリソースを使って味方を呼び出したり、召喚者であるMVPプレイヤーを強化しながら戦力を整えて戦うものだね。

 ベースの身体スペックは君も【ランゼルート】君も同じところからスタートするから平等になるのさ!

 さて、これで『面白く』なりそうかな?】


 はーん、なるほどな。

 カードを交えるタイプのボードゲームに近そうだ。

 リソースはものによって『土地』とか『マナ』とか呼ばれ、使用するリソースの量によって強いものを召喚したり出来る。

 そうして強化した味方で相手を倒すのがセオリーと言えるだろう。



 【その通りさ!

 そこまで把握しているなら説明が省けて助かるよ。

 カードの構成やそれぞれの能力は次元戦争開始直前しか開示されないからその場での判断力も求められるからその駆け引きを是非とも楽しんでもらいたいところだ。

 『面白い』と思ってもらえるように組み上げたから自信はあるけど、ゲームというのは遊んでいるプレイヤーの感情が第一で作り上げた人が『面白い』と思ってもそれが一致しないと意味がないからね!】


 珍しくまともなことを言うじゃないか。

 ……その割に『プレイヤーに人権のないゲーム』を作り上げている辺り性格が歪んでいるとは思うけどな!

 


 【それが『面白い』という層にめがけて作ったからね。

 口ではそんなことを言いつつも、実際に長期間プレイしている君もその一員というわけだけど自覚はあるかな?】


 ぐぬぬ、そう言われてみると否定できないところはある。

 何度死に戻りしてもこのゲームを続けているのはこのゲームに『面白さ』を感じているからだ。

 そういう意味で【山伏権現】の言葉は正鵠を射るようなものであるといっても過言ではない。

 

 ただの性格が悪いやつじゃなかったんだな……





 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[一言] 実際に面白いからね、悔しいけど今回ばかりは運営の手のひら
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