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936話 ツバサショクマシマシシンエンカラメ

 【我が移動してきた理由についてはおおよそ理解出来たかのぅ?】


 

 まあ、俺が困っていたのを見かねたのと、この場所がルル様の移動に耐えられる強度を持っていたからといわけだな。

 やっぱり同じ場所に居続けるのはよほど暇だったんだろう。

 俺でも同じ境遇だったらそう思うからな!

 

 ……それで、わざわざこの場面で俺の前に姿を顕して下さったんだ。手詰まりの状況を打開できるような言葉を残してくれるんだろうな?



 【カッカッカッ、慌てるでない!

 先日は聖獣から再び【ジェーライト】の深淵細胞を簒奪したであろう?

 ここまで深淵種族に貢献したお前にまず褒美をやろうと思ってのぅ……

 ほれ、受け取るといい!】


 ルル様はそう言うと緑色のタコ足を俺の身体へと伸ばし、全身に隈無く這わせて雁字搦めにしてきた。

 うへぇ……

 この触手プレイは久々だが照れ臭さと気味悪さが合わさり気分は最悪だ!


 俺の華奢な身体は触手に呑み込まれるようにして埋もれているが、その中でルル様に身体の内部構造を書き換えられている感覚が伝わってくる。


 あひぃっ!?

 お、おいそんなところ弄らないでくれよ……!


 俺にしては珍しい変な声を出してしまったが、ルル様の触手の触りかたがねちっこいのと変なところばっかり触ろうとしてくるのでつい声が漏れてしまった……

 俺は可憐な乙女だからな、たまにはそういう声も出る。

 だがここで抗ってはいけない。

 何故ならルル様は無意味に俺の身体を弄ることをしないはずだからな!


 これまでの経験からすると俺の身体がより深淵に適応するようにしている……とかだろう。

 だから屈辱的光景ではあるが我慢……我慢だっ!



 そうしていると脳内に無機質な声によるアナウンスが鳴り響き始めた。



 【個人アナウンス】


 【【上位権限】による深淵細胞の移植により【P細胞(エルル)】を獲得しました】




 【【包丁戦士】が称号【深淵の双骨翼】を獲得しました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が95になりました】

 【【包丁戦士】の深度が96になりました】




 【【包丁戦士】が称号【深淵の双黒翼】を獲得しました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が97になりました】

 【【包丁戦士】の深度が98になりました】 



 【【包丁戦士】が称号【深淵の緑黒枝手】を獲得しました】


 【【包丁戦士】の深度が99になりました】

 【【包丁戦士】の深度が100になりました】

 【Congratulation!!!】

 


 【深淵細胞を重ねることが可能になりました】




 おおおお!?!?!?

 なんか急激に深度が深まったぞ!?

 称号も一気に3つ手に入ったし、それぞれの称号で深度が2ずつ変化している。

 流石深淵種族のボスと呼ばれるルル様の細胞というだけあって規格外の力を秘めているのだろう。



 【これまではかなり抑えた状態にしておったが、今回の深淵細胞移植で大幅に調整をし直した。

 翼は両翼出るようになり、我が扱う触手機構も新たに解放しておいた!

 これでこれからお前がどのようなことを我に見せてくれるのか今から楽しみだのぅ……!】


 これは嬉しい誤算だった。

 深淵奈落のギミック解除前にルル様から新たな力をもらえるなんてまさに棚からぼた餅だ!

 これまで右片翼しか展開できなかった翼も両翼になったみたいだが、推進力が向上するのが期待できるな!

 ただでさえ高性能だったルル様の翼がもっと強くなるなら俺はさらにワンランク強くなれるに違いない。


 それに、ルル様の触手を操れるようになったのは手札としてありがたい。

 ルル様の細胞を行使しているときは他の深淵種族のスキルも使えるので元々手札としては広がっているフォームだったのだが、他のフォームで使うよりも性能が少し落ちてしまっていたので決め手に欠ける面もあった。

 だからこそ、ルル様のフォームで劣化しない攻撃手段というのは何物にも代えがたいものなのだ!

 【堕枝深淵】もメイン性能は拘束と状態異常付与だからな……



 【本来であれば我を倒すかあるいはここに到達することでスキル【堕枝深淵】の伝達を行うつもりであったが、お前は先んじて手に入れておったからのぅ……

 迂闊に我のスキルを見せてしまったのが悪いのだが、さてどうしたものか】


 ここにたどり着いた時の報酬を先取りしてしまっていたんだな……

 【堕枝深淵】を会得した方法は一番特殊だったからルル様も想定してなかったんだろう。

 それは仕方ないことだ。



 ……それで、ここでわざわざルル様の細胞を移植されたってことはこの先に進むための鍵になるっことだよな?

 


 【流石に分かっておったか。

 その通り、我の力由来の称号を3つ以上保有していることが鍵となる。

 故にここで新たな細胞の移植が必要であったのだ!

 ……我を倒すことでも手に入ったのだが生憎簡単に倒れてやるわけにはいかない故にな】


 ライセンスみたいなものだろうか。

 管理者直々のライセンスが必要というのはありがちな話だ。






 カッカッカッ、これで……!


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[一言] ルル様、大盤振る舞い。
[一言] メンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシ
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