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933/2207

933話 茨地獄も重ね次第

 【Raid Battle!】



 【深淵域の管理者】



 【エルル】


 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にアビスにログイン!

 今日は放置していた【深淵奈落ー深層 エルルイエ】の攻略を進めようと思う。

 こうして時間をおいて来てみたが案の定茨に身体を絡め取られた状態でのログインだった。

 やはりこの茨ギミックは自力で突破しないといけないみたいだ。

 

 前は面倒で途中で止めてしまったが、やれることを試していくしかない。

 そろそろ戦うであろう【ランゼルート】に抗えるほどの力を身につけないと戦いにすらならないからな!

 

 




 というわけで身体を捻ってみたりしているんだがやはり茨はびくともしない。

 動く度に締めつけがきつくなるため、隙間を見つけてすり抜けるのは現実的じゃないようだ。


 ……とりあえず前は持っていた聖獣スキルを試したんだったな?

 今回はそれ以外をやっていこうか!



 スキル発動!【深淵纏縛P(エルル)】!

 まずは深淵の万能フォームであるルル様の緑色ゴスロリ姿へと身体を変化させた。

 背中には翼が生えているのだが茨のせいで飛ぶことが出来ないのはご愛嬌だな!


 茨には茨をぶつけるんだよぉ!

 スキル発動!【堕枝深淵】!

 


 俺は茨を引き剥がすように漆黒の枝を伸ばしていき拘束の内部から押し広げていく。

 ぐぬぬぬぬぬっ!!!

 この茨、全然緩んでくれないな!?

 これだけ力を込めて黒枝を伸ばし続けているのにその都度隙間を埋めるように絞まってくるので埒が明かない。

 【堕枝深淵】の状態異常付与効果も発揮されていないようなのでこれはどうやら違うらしい。




 それなら次はこれだ!

 スキル発動!【深淵纏縛ББ(クラスト・アルベー)


 次に試すのはアルベーの軍服フォームだ!

 両目に宿した邪眼が疼くぞ! ……なんか中二病臭いが実際に邪眼なので許してくれよな。

 

 このフォームは深淵細胞を2つ重ねているため特殊な運用が出来るから期待ができる。

 パイルバンカー次元の【ガルザヴォーク】はそれを重ねの兵法と言っていたな。

 さっそくやってみるか!


 スキル発動!【阻鴉邪眼】!

 重ねてスキル発動!【阻鴉邪眼】!



 スキルチェインにはならないものの、同じスキルをクールタイムを無視して連続発動出来るのが利点の一つである。

 そのお陰でまずデバフサークルが俺の視線の先に発生し、そのまま漆黒の眼球の見た目をした鏡が俺の周りを周り始めた。


 この同じスキルでも別の効果を発揮させられるのが細胞を重ねた2つ目の利点だな!

 二種類のデバフ発生源を得た俺は、身体を縛る茨に視線を飛ばし弱体化させていく。

 するとどうだろう、視れば視るほど茨による拘束が緩んでいくではないか!


 

 しめた! そう思った俺は一目散に身体を捩り茨から抜け出していく。

 そうして完全解放され身体が自由になった俺であったが、デバフの影響を受けていない茨が再度俺を拘束すべく伸長してきた。

 まるで【ウプシロン】戦で見たルル様の【堕枝深淵】のような勢いだから俺が素の力でこのまま受け止めることや迎撃は難しいだろう。

 【阻鴉邪眼】による弱体化も瞬時に行えず、効果が発揮されるまでラグがあるので捕まる未来が見える。

 このままではいけないと思った俺はさらに力を行使すべく口を動かしていく。



 スキル発動!【深淵纏縛(クラスト・)ЖЖ(ジェーライト)


 ここで俺が起動したのは先日【プシーナク】を下して新たに仕入れた2つ目のЖ細胞を重ねたものである。

 ジェーライトのバニー服フォームとなった俺だが普段と違う点としてはお尻に生えていた尻尾が二本ではなく八本に増えているのだ!

 ふははは、これまでの4倍の手数になったのはありがたい!


 そしてさっきアルベーの細胞で実演したから分かると思うが、スキルについても別の挙動が出来るのだ!

 ……まだ試してないけどぶっつけ本番でその性能を試してやろう!



 スキル発動!【魚尾砲撃】!

 さらに重ねて【魚尾砲撃】!



 これまで【阻鴉邪眼】でしか出来なかった重ねの兵法をここで【魚尾砲撃】でも使っていく。

 半分の四本から出てきたのは通常の極太レーザーで、これは俺たちを追ってきている茨の進行を食い止めるために全方向に放射して牽制を続けていく。

 そしてもう半分の四本は直接何かを放射しているわけではないが、何かに働きかけて力を使っている感覚だけ俺に伝わってきている。



 四本に増えた【魚尾砲撃】だけではあくまでも追撃を遅らせることしか出来ないのだから、このミチなる力に賭けるしかない!

 何が起きるのか分からないが、頼んだぞジェーライト!







 また新たに重ねた深淵細胞を自在に操っておるようだのぅ!

 もはや驚きはせぬが、相変わらず我が想定するよりも見事に操ってみせるものだな。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[一言] ウナギ尻尾が八本は流石に可愛くないねぇ(´・ω・`)
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