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931/2205

931話 ハリネズミ海戦

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は【濁流万花】の使い道(?)やジョブ【ブリーダー】のデモンストレーションみたいなものを見たが、俺にはどちらも使う見込みがないということが分かった。

 あの後モブプレイヤーたちを喰らい尽くして本来の目的である深淵獣たちの観察を行っていた。

 面白そうなのは魚の形をした深淵獣だな。

 陸上ではほとんど活動できないかわりに水中戦に特化した性能をしているらしい。

 沼地を泳いでいたが、もしかすると今後海エリアで活躍してくれる可能性を秘めている。

 俺が知らないだけで既に活用しているやつらがいるかもしれないが、海でのレイドバトルではプレイヤーの動きが著しく制限されるから代わりに動いてくれる深淵獣をテイムしているのは大きな力になるだろう。

 ……【ハリネズミ】たちに話しておこう、あいつら最近海エリアをメインに動いているらしいからな……

 俺の船を使ってくれているのは嬉しいことだ。







 というわけでやって来ました海エリア……【金剛島海域エイプモンド】。

 魔海城船アンサンセが島に停泊していたのでそこで俺のクランにいる配下のようなプレイヤーたちの集団である【ハリネズミ】たちと合流した。



 「リーダーお疲れ様ですw」

 「地蒜生渓谷メドニキャニオンでは大変だったみたいっすね」

 「あの時行けなくて本当にすみません!」

 「拙者ロリ好き好き侍。

 【包丁戦士】さんのところに助太刀したかったで候」

 「拙僧も同じくである」


 お前らが来なかったのは知ってるけどリアルで何か用事でもあったのかと思ってたぞ。

 お前らリアルでの繋がりがあるグループだし。


 俺がそう聞いてみるが肯定の言葉は返ってこず、代わりに【ハリネズミ】の一人が説明を始めたようだ。



 「いや、そうじゃないんすよ。

 実は俺ら【金剛島海域エイプモンド】のユニーククエストに巻き込まれてクエストが終わるまでエリアの外に出れなかったんす」 

 「ログアウトしてもログイン位置が【金剛島海域エイプモンド】に強制固定されてたw」



 なるほど……

 それは確かに来ようとしても来れないな……

 ログイン位置の固定とエリア外への移動の禁止とはまた凝った縛りだな。

 それでユニーククエストの内容はどんな感じだったんだ?


 

 「拙僧たちは船での海戦を強制されていたのである!

 【包丁戦士】リーダーから借り受けた魔海城船アンサンセを期間中ずっと使わせてもらっていたのである」

 「俺ら以外には【釣竿剣士】さんの【釣り堀連盟】とか【トランポリン守兵】さんの【お屋敷組】」

 「そして【トンカチ戦士】の【紅蓮砂漠隊】が主に参加してたw」



 あー、だからいつも俺の敵に回るトッププレイヤーたちが地蒜生渓谷メドニキャニオンに居なかったのか。

 【ハリネズミ】たちが参戦してこなかった以上に厄介な敵が少なくなっていたので俺たちは楽をしていたわけだ。

 ……それで、どんな戦いが繰り広げられていたんだ?



 「【釣竿剣士】さんと【トランポリン守兵】さんが組んで少数メンバーだった俺たちと【紅蓮砂漠隊】を攻撃してきたんす」

 「はじめは手数で圧されてたw」

 「でも拙者たちと【紅蓮砂漠隊】の船の規模がその分大きかったが故に耐えられていたのでござる」


 

 つまり【釣り堀連盟】&【お屋敷組】VS【コラテラルダメージ】&【紅蓮砂漠隊】か?



 「いや、【釣り堀連盟】&【お屋敷組】VS【コラテラルダメージ】VS【紅蓮砂漠隊】ですね」

 「【フランベルジェナイト】さんの宿敵【トンカチ戦士】がいるクランとは手を組まないって俺らで決めてたんす」

 「それで徹底抗戦してたw」


 【フランベルジェナイト】ってお前らと同期か後輩だろ?

 それでもさん付けするのか?


 こいつらは【フランベルジェナイト】が元レイドボスだったということは知らないはずだ。

 それなのにどうして心の距離が遠いというのか。



 「だって実力差がありすぎておそれ多いというか……」

 「俺ら全員で挑んでも勝てないんす」

 「というかそれでも【フランベルジェナイト】さん無傷w」

 

 お前ら地味に戦ったことあったのか……

 俺の知らない間にも色々あったようだ。



 「それは置いておいて海戦のことなんですけど。

 結果は一位【紅蓮砂漠隊】、二位釣り堀連盟、三位【コラテラルダメージ】でした」

 「トッププレイヤー相手でも海戦なら船のスペックで戦力が誤魔化せることがわかったのは収穫なんすよ」

 「ここに【包丁戦士】リーダーたちを加えたら絶対順位あがってたw」

 「拙者たちだけでランクインに食い込めたのは嬉しい限りでござる!」 

 「ただのお荷物じゃないってことを証明できた!」



 ああ、お前たちよくやった!

 今度は勝って、絶対【紅蓮砂漠隊】を見返してやろう!



 「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」







 こういう時だけ劣化天子はまともに見えますね……

 見えるだけですけど。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[一言] 意外とリーダーシップあるよね
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