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927話 ほのぼまーど

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は久しぶりに【検証班長】と長い時間腰を落ち着かせて喋ることが出来たので成果として成し遂げたことは何も無かったが、有意義な時間を過ごせたと言えるだろう。

 

 それで今日は何をするのかといえば特にこれといった用事もない。

 何せユニーククエストが終わったばっかりだしな!

 地蒜生渓谷メドニキャニオンへ行き【オメガンド】や【プシーナク】のところにちょっかいを出すのも悪くはないが、流石に戦後処理でまともな応対をしてくれる気がしないからまた後日だ!







 というわけでやって来ました新緑都市アネイブルにあるほのぼの市場!

 やることがなければついここに来てしまうのはもはやルーティンだろう。

 俺のログイン場所である天子王宮に近いのもそれに拍車をかけているが、市場というだけあって時間を潰せるような多種多様なものがあるので特にやることがない時に来る場所としては最適なのだ!



 そんなわけでほのぼの市場をブラブラしていたわけだが、今のところは料理のための食材を買って宝物庫に転送しているくらいだな。

 ユニーククエストか来ると落ち着いて料理をする余裕なんて無いから、こういう時にこのゲームを始めた本目的である料理をしていくことになる。

 目的と手段が逆転しているのは今さらだから気にしてないが、なんで俺は戦闘要員になってしまったんだ……

 俺はただ料理したかっただけなのにな……


 俺のゲームプレイのスタンツについて想いを馳せていると、両腕でぎっしり食べ物を抱え込んだプレイヤーが俺の方へと走り込んできた。



 「【包丁戦士】さんがいると聞いて慌てて走ってきました!

 いや~、今日は私もアイドル活動がないのでここで食べ歩きしてたんですよ!

 その最中に【包丁戦士】さんに会えるなんてまさに運命!

 これは結婚するしかないですよ~」


 そんな頭にお花畑が咲いているようやゆる~い発言をしているのはタンクトップロリ巨乳のボマードちゃんだ。

 ちなみにこいつと結婚する気は更々ない。



 「あっ、【包丁戦士】さんもこれ食べますか?

 いや~、あそこで売っていたニラ焼餅が美味しかったのでいっぱい買っちゃったんですよ~!

 はいこれです」


 そう言ってボマードちゃんが手渡してくれたニラ焼餅を片手に持ち頬張りながら二人でほのぼの市場を歩いていくことになった。

 ……うん、これは旨い!

 ニラの風味と肉のブレンド、調味料による味付けが食べ歩き用のライトなものに調整されていて思わず舌を巻いてしまったぞ!



 「【包丁戦士】さんも気に入ってもらえたようで何よりです!

 いや~、それにしても【検証班長】さんとも仲直り出来たようで私も嬉しいですよ~!

 私たち3人は【名称公開】のスキル化を成し遂げた仲間ですからね~

 あの時から結構時間が経ちましたけど絆は不滅ですよ~!」


 何だかんだボマードちゃんもそれについては心配していたらしい。

 どっちからも恩恵を受け続けていたボマードちゃんからしても心苦しい期間だったというわけだ。

 ……とはいえ、大多数のプレイヤーが勘違いしているみたいだがあれは俺じゃなくて【検証班長】から吹っ掛けてた喧嘩のようなものだ。

 悪質プレイヤーと名高い俺の弁解を聞いてくれるやつは一人もいなかったけど。



 (それは普段の行いのせいだったりする……)


 【大罪魔】が唐突に思念を送ってきたが全く否定できないことなのでスルーしておこう。

 触れるのはやぶ蛇だ。

 ……というか【大罪魔】にもそろそろ会いに行かないと。

 きっと寂しいから思念を飛ばしてきたに違いないからな!



 「むむっ、【包丁戦士】さん今他の女のこと考えてませんでしたか!!

 いや~、目の前にこんな美少女がいるというのに罪な人ですね~!

 私だけを見て欲しいんですけど~!」


 そんなわけにはいかない。

 俺にはまだまだやるべきことがあるからな。

 今日のところは付き合ってやるが、お前だけ見てると色々毒されそうだし……


 この愛すべき爆弾魔ちゃんの爆弾のような胸を揉みしだきながら説得していく。

 そんな俺の説得にボマードちゃんは顔を赤くし上気させながら屈していった。



 「はぁっ、はぁっ、はぁっ……

 いや~、市場のど真ん中でも容赦なく激しい攻めでしたね~!!

 まったく、【包丁戦士】さんはそういうプレイが好きなのは分かってますけど恥ずかしいんですからね!

 ……【包丁戦士】さんのそういうところが好きなんですけど」


 ボマードちゃんのセリフを聞かなかったことにしながら俺はほのぼの市場での買い物を続けていくのだった……








 私は一体何を見せられたのですか……???


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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