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924/2203

924話 考察会議は踊る!~陣営対戦編~

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 なんだかんだあったが、【プシーナク】の討伐には成功したな!

 まぁ、グランドアナウンスを聞いた後すぐに俺も【上位権限】のデメリットで死んだのでその後何があったのかまでは把握できていないんだけど。



 





 というわけでやって来ました新緑都市アネイブルにある樹木をくり貫いて出来た建物……メッテルニヒ。

 そう、久々にクラン【検証班】の総本山に足を踏み入れるわけだ!

 これまでも来ようと思えば来れたんだが、肝心の【検証班長】が面会拒否状態だったので無理に来る必要もないと判断して訪れることはなかった。


 しかし、この前のユニーククエストの最中に【検証班長】から和解(?)の言葉をもらったので早速来たわけだ。




 「えっ、もう来たんですか……

 ボクはまだ割り切れてない部分もあるんですけど、流石は【包丁戦士】さんとでも言いましょうか?

 そんな【包丁戦士】さんを見ているとボク自身が小さい人間に見えてきてしまいますね」


 出会うなり自虐的になった【検証班長】だが、もしや俺と戦い続けていた時はずっとこんな面倒くさい男になっていたのか?

 【ペグ忍者】たちが気の毒に思えてきたな……

 それでも人が離れていないのは【検証班長】の人望故だろうけど。



 【検証班長】はそんなに悲観的になる必要はないぞ!

 お前も自分で言っていたじゃないか、人の補助をすることで活動するのが本領を発揮できると。

 ……大体こんなこんな感じのニュアンスだったと思うがお前が俺のようになる必要もないし、逆に俺がお前のようになる必要もない。

 そもそものタイプが違うんだからノープロブレムだ!



 「……そういうことにしておきましょうか。

 【包丁戦士】さんと長いこと話していると気が楽になってきました。

 清涼剤であり、劇物でもあるなんて【包丁戦士】さんも罪な乙女ですよ……いや本当に……」


 女っていうのは罪作りな存在だからな!

 ……ちなみに俺はプレイヤーキラーって意味で罪を絶賛積み重ねている最中だが、おそらく今回はそういう意味ではないだろう。

 


 「雑談はこれくらいにしておきましょうか。

 ボクも【包丁戦士】さんと腰を落ち着かせて話し合うのは久しぶりですから話が逸れてしまいました。

 これからは会わなかった期間の情報交換をしようか。

 まずは……人望対戦そのものについてだね」


 最後に情報交換をしたのは613話か?

 310話分くらいまともに雑談もしてなかったのは今思えばかなり長い期間だったな……



 「【包丁戦士】さんは相変わらずよくわからないことを言うよね?

 久しぶりに聞いてもボクには理解できませんね。

 ……それで陣営対戦ではボクと【包丁戦士】さん常に逆の陣営で戦ってきたわけですけど、互いに解放された機能について公開しておきましょう。

 掲示板や聞き込みであらかたボクは知っていますけど、どうせ【包丁戦士】さんのことですからボクの知らない情報も持っているよね?」


 それは俺を買いかぶり過ぎだと思うが……

 俺が手に入れたのは……


 無限湖沼ルルラシアでは深淵獣の強化メニュー画面だな。

 俺は深淵獣をテイムしてないから知らないが、色々な形に変えたり特性を変更したり出来るらしいぞ。

 陣営対戦で勝った影響で、無限湖沼ルルラシアでは色々な生態の深淵獣が蔓延してるから観察してみてもいいだろう。

 あと、深淵の黒い霧のスリップダメージ無効……だな。

 これも俺は元々ダメージを受けていなかったので無関係だ。



 「ボクが無限湖沼ルルラシアで手に入れたのは機戒兵の強化メニューですね。

 パーツの購入やスペックの向上が出来ます。

 ……負けたのでこれだけです」


 変な改造がされた機戒兵を何度か見たことあるから知っていたが、やはりそうだったか……

 次は堅牢剣山ソイングレストで手に入れたものだ。


 俺ではないが、【リフレクトミラーディフェンダー】……通称リデちゃんが【戒焔剣レヴァ】を手に入れたな。

 そのお陰で【世界剣種】という新たなグランドクエストが進行するようになったわけだ。

 それと、【名無し】になった【クシーリア】が【大罪魔】に強制労働させられていたな。


 ちなみに侵略陣営単位で受けられたメリットは機戒兵の新規改造パーツ追加と【生産組合】の優先利用権だが……


 

 「そんな施設包丁次元にはまだ無いですよね……

 まさか存在しない施設の優先利用権が報酬だとは誰も思わなかったでしょう。

 ちなみに防衛陣営側が得たものは鉱山労働権です。

 堅牢剣山ソイングレストでこれまで侵入不可になっていた場所に入れるようになりましたが、過酷な労働を終えないと出れない鬼畜仕様でした。

 あれにはボクも心が折れそうだったよ」


 ブフッッッ、おっ、お前鉱山労働してきたのか!

 ヒョロっとした男が白衣を着て鉱山で労働している……そんな【検証班長】を想像して不覚にも噴き出しそうになってしまった。

 誰が見てもシュールな絵面だから、笑ってしまった俺は悪くない……はず!



 「わ、笑わないでくださいよ……

 あれ本当にキツかったんですよ?

 ノルマさえ達成すれば珍しい鉱石を持ち帰ることも出来るみたいですが、採掘好きな物好きプレイヤー以外でやろうとするプレイヤーはもういませんよ」


 そんなにキツかったんだな、俺が出来るようになったとしても絶対にやらないでおこう。

 鉱石とかもらっても食べられるわけじゃないしな!

 ……だが、もしかするとその資源で【生産組合】を作るのかもな。

 もしそうだったら、防衛陣営が汗水垂らして作った【生産組合】を俺たち侵略陣営は優雅に優先使用できるってわけだ。

 これを愉悦と言わずなんというのだろうか!



 「【包丁戦士】さんの情報があってはじめてあの過酷な労働の意味が分かりましたね……

 他のプレイヤーたちは頑なに教えてくれなかったのでようやく疑問が氷解しましたよ」


 【検証班長】、敵には容赦してなかったからな……

 意地になったマイノリティ側……つまり俺の味方をしてくれた奴らは【検証班長】に必要以上に情報が流れないようにしていたってわけだ。

 誰も強要してないのに地味に徹底されていたんだなぁ……(しみじみ)



 「そして最後には地蒜生渓谷メドニキャニオンの報酬です。

 ここは純粋にギルドポイントが増えただけでした。

 通常のクエストより少し割がいいレベルでしたが、負けた陣営なので仕方ないですね」


 あー、冒険者ギルド絡みだしそういう報酬の出し方もあったのか。

 ちなみに俺自身のメリットは地蒜生渓谷メドニキャニオンでの自由行動権だ。

 一回出禁になったからそれが解除されたわけだ!



 「……それって労力のわりにかなり損してませんか?

 結論からしてフラットな状態になっただけですよね、それ……

 なんというか……御愁傷様です」


 



 そうだったり、そうじゃなかったりする……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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