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920話 ピンチの時こそ相棒

 「スキル発動!【深淵煉獄】!

 スキル発動!【覇道竜陣】!」




 【スキルチェイン【深淵煉獄】【覇道竜陣】】


 【追加効果が付与されました】


 【深度が増加しました】




 【フランベルジェナイト】がスパートをかけていくためにスキルチェインを用いていく。

 【覇道竜陣】は竜系スキルの奥義のようなもので相手を炎で囲い込む対個人特化スキルである。

 【深淵煉獄】はよく分からないが、名前からして炎を操るスキルだろう。


 そんな2つのスキルが合わさり生まれた黒炎陣が【プシーナク】を守る水の花弁【水流万花】ごと囲い込み、攻めの黒炎と守りの水花弁がぶつかり始めた。

 


 「おうおう!

 やるじゃねーか!

 そういう男気のある攻め姿勢は好きだぜ!」


 「あいにくだけど、君に好かれても嬉しくないよ。

 俺にはもう心に決めたヒトがいるからね!」


 少しずつ蒸発していく水の花弁だが、このペースだと攻めきる前に【フランベルジェナイト】の力が尽きてしまうだろう。

 【プシーナク】はレイドボスなだけあって身体に秘めた力が多く残されているだろうからな。



 「おうおう!

 その通りだぜ!

 だがよ、ここまで攻められたんじゃコイツを温存するのも無理っつー話か。

 オメーらに特別に見せてやる、オレの忌々しい力をな!

 飛ばせ、【魚尾砲撃】っ!」


 【プシーナク】は尻尾を黒く変色させていき、その先端がまるで口のように開いて極太レーザーを放ち始めた。

 


 おいおい、ここで【魚尾砲撃】かよっ!?

 【プシーナク】は深淵の力に侵されていたっていう話だったが、まさか【ジェーライト】によるものだったとは。

 流石は深淵の特攻隊長、【侵略】を司っているだけあって敵である聖獣を堕としかけていたというわけだ。


 だが、そのせいで今俺が割をくっているのは恨むからなっ!



 「ぐっ、ごめんフェイちゃん……

 まさかあんな隠し球があるなんて……っ!!」


 思わぬ反撃を受けてしまった【フランベルジェナイト】は極太レーザーによって胴体を撃ち抜かれてしまい、全身が光の粒子となって消えていく最中に俺へと謝罪の念を伝えてきたようだ。

 いや、【フランベルジェナイト】は悪くないだろう。

 俺が同じようにぶつかり合っていたとしても同じ結末になっていただろうし、むしろ死に際にも俺へ攻撃が飛ばないように身体を張っていたお前の男気ってやつを見せられたぞ!

 誇って死ぬといい!



 「かなり難しい戦況だけど、フェイちゃんにあとは任せるよ……

 君なら、きっと、でき、る……」



 そうして【フランベルジェナイト】はこの激戦から退場していくこととなった。

 





 「やったのじゃ!

 これで残りは【包丁戦士】一人!」


 「おうおう!

 残り一人でどうするっつーんだ?

 こっちはまだ二体いるぜ!」


 【フランベルジェナイト】を倒して意気揚々としているレイドボス二人に立ち向かうのは俺一人では無理だろう。

 せめて【オメガンド】一体だったらなんとかなったのだが、現役レイドボスである【プシーナク】を超えて狙いにいくのは無謀だ。

 その隙に俺の命がいとも簡単に失われてしまうのは分かりきったことだからな。



 「それなら諦めてその首を差し出すのじゃ!

 今なら安らかに眠らせてやるのじゃよ!」


 「おうおう!

 オレにお前一人で勝てるとは思えねーからな!」



 たしかにな。

 ……だが、()()()()()()()()()()()()



 「なん……じゃと!?」

 「おう、それはいったいどういう……」




 そんな緊張感の走る戦場に新たな足音が響き渡り始めた。

 しっかりと地面を踏みしめるその足は自信に満ちたものである。

 この場面、この自信、現れるのは一人しかいない!



 「ガハハ!!!

 待たせたな【包丁戦士】!!!

 お前の窮地とあらばワシは駆けつけよう!!!」


 そう、ガチムチなおっさん……【槌鍛冶士】だ!

 俺の初期からの相棒であり、バックアッパーでもある。

 俺の活躍の陰にはいつもこいつがいるからな!

 そんな【槌鍛冶士】がこの局面で現れたが、先日試したあれを実行するためだろう。


 「【上位権限】ー【Legend Weapon】!!!

 さあ【包丁戦士】、受け取れ!!!」


 そう言いながら【槌鍛冶士】は緑色の粒子で包み込まれていく。

 そうして【槌鍛冶士】は形を変えていき、サイズとしては両手持ち大剣レベルの肉斬り包丁のようになった。





 これは……【失伝秘具】ー【大深罪鉄林包丁】!

 そしてもう一つの力を内包している。

 スキル発動!【封印土剣】! 

 唸れ【封地剣マヒク】ぅっ!


 俺がスキルを発動させると、大剣サイズの包丁が大地の色へと変色していき、持ち手部分から枝が伸び刀身に絡まり始めた。

 ルル様の必殺技である【堕枝深淵】の引きずり込み縛り上げるような圧迫感に近い重々しさを感じるな……


 俺が扱うには重すぎるし、デカすぎるから普段使いはかなり難しそうか。

 だが、そんな両足に力を入れて上空へと飛び上がってから【封地剣マヒク】を振り上げ、そのまま落下する勢いで延々と広がる荒野へと突き立てた。



 

 【エリアアナウンス】



 【【底無し沼の水竜】の能力に一部制限がかかりました】



 【制限時間00:10:00】







 さあ、第2ラウンドといこうじゃないか!


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] やっぱり最後は頼れるガチムチですねd('∀'*)
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