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912/2205

912話 ドラゴン変身タイム

 「出し惜しみは無しだよっ!

 ability発動!【天地逆転】!」


 「【包丁戦士】さん相手なら当然ダヨネ~

 ability発動!【天手古舞】!」


 「オレのクラン【冒険者の宴】が抱き込んだこのスキルでお前を倒してやるぞwww

 ability発動!【銀盃羽化】wwwそして……」





 「「「スキル発動!【竜鱗図冊】!!!」」」




 クラン【冒険者の宴】のメンバーたちが一斉に巻物を空中に広げ始め、そこから発生させた竜鱗を全身に纏わせていった。


 【ブーメラン冒険者】と【短剣探険者】の腰に提げられていた巻物がぶわっと広がり帯のように伸びていく。

 そしてその巻物から六角形の竜の鱗のような物が飛び出てきて【短剣探険者】の短剣と【ブーメラン冒険者】のブーメラン身体を包み込んだ。

 そして光輝くとそこには竜人としての力を覚醒させた姿の【ブーメラン冒険者】と【短剣探険者】がいた。



 そして、俺と対峙する【風船飛行士】はそう叫ぶと、腕に巻いていたシルバーを外し、口に運んだかと思うと、それをごくりと飲み込んだ。

 そして、肩から提げていたポシェットの中から巻物のようなものを取り出すと、それを勢いよく広げていく。

 その巻物が鱗のように分解されたかと思うと、次の瞬間には【風船飛行士】の手元には銀色の杯が握られていた。



 ability込みの【竜鱗図冊】を三人同時に見るのは、色とりどりの竜鱗が空中に舞っていることもあって壮観であると言えるだろう。


 まぁ、こいつらの初動はこれ以外考えられないから当然だけどな。

 ……せっかくだし俺も合わせてやるよ。

 ability【会者定離】とスキル発動!【竜鱗図冊】!



 「フェイちゃん、俺もいくよ!

 スキル発動!【竜鱗図冊】!」


 俺と【フランベルジェナイト】も隠し持っていた巻物を広げ漆黒の竜鱗を身体に纏わせていった。

 流石に本家本元の竜人であるやつらの完成度には劣るが、俺は隠しエリアをかなり埋めているからか【竜鱗図冊】の位置ゲー補正でそれなりの竜人っぽい姿へと変化していた。


 【フランベルジェナイト】は【邪悪竜人】に種族転生しているから俺よりも整った姿になっている。



 「うわっ、竜人ばっかりの戦場ッスね!?

 格好良くてズルいッス!

 システムで守られているからか知らないッスけど、俺っちでも【竜鱗図冊】の巻物は盗めないんッス……」


 【バットシーフ】後輩はそんな羨望の籠った目を俺たちに向けて呟いていたが、その言い振りからして何度も盗もうとしてたな!?

 ……おそらく【竜鱗図冊】の巻物が盗めなかったのは【バットシーフ】後輩が【深淵顕現権限】や【深淵纏縛】をコピーして発動できなかった理屈と同じだろう。

 この辺は特殊な権限で守られているんだろうが、起動条件が関わっているのもあるかもしれない。


 じゃなかったら【天元顕現権限】が発動できる理由が説明出来ないからな……

 種族に紐付けされているものは無視できるが、個人のアバターに紐付けされている他のデータの参照絡みの問題だろう。

 【深淵顕現権限】と【深淵纏縛】は前提となる深淵細胞を持っていないから使えないし、【竜鱗図冊】は巻物の持ち主と同じマップの踏破状況じゃないとダメだから特殊な処理をされているんだな。



 「悔しいから俺っちもちょっとだけ近づかせてもらうッス!

 ストックスロット2!【天元顕現権限】!

 先輩の羽使わせてもらうッス!」


 【バットシーフ】後輩は黄金色の左翼を背中から生やして空中へと浮かび上がった。

 俺が事前にコピーさせておいた天子の翼というカードをさっそく使ったというわけだな。

 【天元顕現権限】で生やす翼はピーキーさがないので使いやすいとのことだ! 



 「ボクも変身した方がいいかな?

 【包丁戦士】さんと直接やりあわず今回はサポートに徹させてもらうけど、そのためにも守りを固めないとね。

 スキル発動!【深淵顕現権限щ(シシャー)】」



 【検証班長】はスキルを発動すると、全身が深淵の黒い霧に覆われていき身体が作り替えられていっている。

 そして霧が晴れていくと、そこには漆黒の具足を装着した【検証班長】の姿があった。



 「……んあ?

 期待されても俺は変身なんて出来ない。

 素のスペックで戦わせてもらう」


 【軍刀歩兵】は少し申し訳無さそうに俺に告げてきたが、そもそも全員に変身義務があるわけでもあるまいしそう悲観するようなことではない。

 というかここに姿を変えられるプレイヤーが集結しているだけで、全プレイヤーの中ではごく僅かしかいないのだから当然である。


 だが、その力がなくとも【軍刀歩兵】は対人戦に優れたプレイヤーだ。

 期待しているぞ!



 「んあ……狂巫女様……っ!

 この命、必ず価値あるものとして貢献させてもらうっ!」


 普段は冷徹な印象の【軍刀歩兵】だが、俺が誉めたりすると急に感情的になるのはいつもビビる。

 流石は俺のファンクラブクラン【包丁戦士狂教団】に入っているだけあって熱の入り具合が違うな……

 それがプラスに働いてくれたらいいが、力み過ぎるなよ?


 



 

 

 流石は竜の里での戦いですね。

 それにふさわしい場面になっているのは感慨深いものがあります。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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