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906話 ジャンクフードと大盛メニュー

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 今日はプレイヤーキラーとして活動していくぞ!

 ユニーククエストの関係で、俺が【オメガンド】陣営プレイヤーを斬殺していけばそれだけで闇の陣営が勝利に近づくらしいからな。

 劣勢にさせてしまった分をここから取り返させてもらうつもりだ。







 というわけでやって来ました草原エリア……と地蒜生渓谷メドニキャニオンの境目!

 【オメガンド】に嫌がらせするつもりであえて最前線に来てみた。

 


 「【包丁戦士】が来たぞ!!」

 「あいつを倒せば俺たちの勝ちだ!」

 「逃がすなぁぁぁぁ、絶対倒せぇぇぇぇ!!!」


 おー、怖い怖い。

 いつもより熱烈な歓迎じゃないかモブプレイヤーたち諸君!

 


 「よ、ようやく来てくれた……」

 「これでなんとかなるか?」

 「いや、狂巫女様が敗れたらこの戦いの敗北も決まってしまう!」

 「守護(まも)らねば!?」


 そして闇の陣営のモブプレイヤーたち、待たせたな!

 ヒーローは遅れてやってくるのさ!



 「ヒーローか?」

 「どっちかといえばヒール、ヴィランでしょ」

 「闇の陣営だしね」


 おいそこうるさいぞ!

 とりあえず生け贄にして黙らせるか。

 スキル発動!【深淵顕現権限Ж(ジェーライト)】!


 余計なことを言った闇の陣営プレイヤー三人を生け贄に捧げ俺の周りに深淵の黒い霧を発生させていく。

 そして霧の中で身体が作り替えられた俺の臀部には粘液を滴しながらうごめく黒光りした尻尾が生えていた!

 そう、ジェーライトの尻尾だな!


 

 「不味い、狂人を変身させてしまった!?」

 「まだ間に合う!

 スキル発動!【渦炎炭鳥】!」

 「スキル発動!【渡月伝心】!」

 「あての【バブルバルカン】!

 自慢の拳で狂人なんてやっちゃれ!」



 【バブルバルカン】というのは機戒兵の名前だろう。

 バルカンとか言ってるわりに肉弾戦型にカスタムし直しているようで、次々に殴りかかってきている。

 というかこの【パイロット】モブプレイヤー前も戦った記憶があるな。

 モブプレイヤーなんて一々覚えてないんだが、流石に数少ない上位ジョブに就いているのでこいつだけは覚えていた。


 だが悪いな。

 まとめて一掃させてもらうぞ!

 スキル発動!【魚尾砲撃】!


 俺は粘液を滴しながらうごめく尻尾にエネルギーを蓄積させ、それを極太レーザーとしてプレイヤーたちの集団に撃ち込み始めた。

 


 「ぐわーーー!!」

 「その【魚尾砲撃】ズルいだろ、なんで自爆しないんだ!?」

 「私もその尻尾欲しい」


 極太レーザーを食らったモブプレイヤーたちは光の粒子となっていく最中にそんな捨て台詞を吐いて、最終的に消え去っていった。

 【パイロット】モブも本人を直接キルしたので機戒兵【バブルバルカン】も一緒に消えていったが、あいつは自分自身が弱点となっていることに気づいてないな……

 どのクラン所属のやつか知らんが、もう少しその辺を指摘してやった方がいいぞ!

 いくらなんでも機戒兵に頼りすぎてる戦い方だから感心出来ない。

 


 「敵にボロカス評論されるあいつ可哀想」

 「この場にいなかったことだけが救いだな?」

 「【包丁戦士】許すまじ!!」

 「スキル発動!【竜鱗図冊】!

 今度こそあんたをこのトマホークの餌食にしてあげるわ!」

 「スキル発動!【渦炎炭鳥】!」

 「あっ、俺もいくわ。

 スキル発動!【渦炎炭鳥】!」



 後方からひたすら【渦炎炭鳥】による火の玉をモブプレイヤーたちが放ってきているが、その間をかき分けてトマホーク竜人娘が迫ってきた。

 巻物から竜鱗を生成し、それを纏いながら迫ってきているので加速具合が群を抜いて高いのが厄介だ……



 こいつも【バブルバルカン】の【パイロット】と一緒に前戦ったやつか!

 まぁ、一緒に行動してたならパーティーメンバーだろう。

 偶然というわけではあるまい。


 俺はトマホークを受け止めつつ、返す刃で竜人娘の腕を切り落としチュートリアル武器を地面に落下させることに成功した。



 「ぐっ、あんたにポイントを渡すくらいなら大人しく引き下がるわ!

 スキル発動!【波状風流】!」


 そこからさらに包丁で首を狙いにいったのだが、風のスプリンクラーによって逃げられてしまいキルポイントを稼ぐことが出来なかった。

 仕方ない、別のやつを狙う……





 


 【Raid Battle!】


 【荒野の自由】


 【????】


 【機戒天使】【上位権限】【保安官】


 【螺旋のように回る歯車は輪廻の象徴】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【罪を裁き悪を挫く】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【罪を迎え撃つ雌伏する弾丸は】


 【増長する悪意を討ち滅ぼす】


 【解き放たれた荒野には】


 【正義と自由の機戒が駆け巡るだろう!】


 【レイドバトルを開始します】



 ……わけにはいかないようだ。



 「ユーのギルティな行動は許せないデース!

 このまま仕留めさせてもらう。

 【ジャッジメントバレット】!」


 おっ、ちょっ、まっ!?

 やられてたまるかぁぁぁぁぁ!!!

 スキル発動!【竜鱗図冊】!スキル発動!【波状風流】!



 俺はさっきの竜人娘の真似をするように風に乗って攻撃を緊急回避していった。


 あっっっっぶな!?

 ユニーククエスト終了するところだったぞ……

 

 「逃がさないデース!

 【想起現像】のレッドサンドよ、【ジャッジメントバレット】を現像せよ!」


 【荒野の自由】は【想起現像】で生み出した赤色の砂で鉛弾丸を何発も現像し、そのまま俺に放ってきた。

 ……っ、【想起現像】ってそんな使い方も出来るのかよ!?

 

 うおおおおっ、スキル発動!【天元顕現権限】!


 俺はさらに遠ざかるため、竜の翼の後ろにさらに天子の黄金色翼を生み出して飛翔力を高めていった。

 







 ……ふぅ、なんとか今回は逃げられたがエリア移動権限を持つ【荒野の自由】が障害だな。

 【上位権限】レイドボスがユニーククエストまで出張ってくるなんてズルいぞ!


  

 ユーは自分の胸に手を当ててもう一度その言葉を言ってみて欲しい。


 【Bottom Down-Online Now loading……】


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― 新着の感想 ―
[一言] 荒野の自由は聖獣陣営じゃないからユニーク失敗にならないのでは? いや、キルされたらポイント差で負けるのか
[良い点] ユーとはスペックが違うんでお帰りください(´・ω・`)
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