表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

905/2204

905話 命の重さ

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 深淵奈落攻略の目処が全くつかないので普通の方にログインしてみた!

 


 ……よし、居ないな?

 俺を排斥するような【ユニーククエスト 闇の陣営(特に【包丁戦士】)を排除するのじゃ!】か発令されているからここで待ち構えている連中がいるんじゃないかと思っていたが杞憂で済んだようだ。


 「それは私に感謝して欲しいですね。

 この天子王宮の設定を次元天子以外のプレイヤーが入れないように再設定しておきましたから」


 そんな設定変更なんてこと出来たのか!?

 【菜刀天子】が急に現れて衝撃の真実を伝えてきたので俺は大声で驚いてしまった。

 ログイン時に俺のキルを狙ってくるやつらがわんさかいたのに、あれらはしなくてもいい苦労だったのか……



 「全くこれだから劣化天子は……

 玉座の裏にあるコンソールで色々と変えられますよ。

 もっとも、これを弄れるのは次元天子かその権限の代理行使を認められている者だけですけど」


 俺は次元天子だから弄れるとして、【菜刀天子】がこれを弄れるのは【山伏権現】から公式イベントの開催を頼まれたからだろう。

 俺が一回も公式イベントを開催しなかった結果、面白いことが聞けたってわけだ!

 ……ちょっとだけ【山伏権現】に感謝しておこう。

 ちょっとだけな!



 「それでほとんどのプレイヤーから狙われている劣化天子はこれからどうするのですか」


 どうするも何も、今回のユニーククエストの概要すら把握してないんだが……

 俺が個別指定されているのがどう影響されているのかも気になるな。


 

 「数日ログインしていなかったから仕方ないとはいえお気楽なものですね。

 今回のユニーククエストは【オメガンド】陣営のプレイヤーが【包丁戦士】を倒したら終了するというシンプルなものです。

 他の悪の陣営プレイヤーは【オメガンド】陣営に倒されると相手にポイントが加算される方式になっています。

 逆に悪の陣営プレイヤーは【オメガンド】陣営を倒すとポイントが加算されます。

 こちらの終了条件は【オメガンド】か【プシーナク】のどちらかの打倒です。

 ただ、一定期間経っても決着の見通しがつかない場合にはその時点での合計ポイントで勝敗を決めることになっています」



 なるほど。

 今回は陣取り合戦や攻城戦ではなく、首取り合戦というわけだな!

 

 ……ちなみに俺がログインして無かったと認識されている理由はレイドアナウンスの有無だろう。

 普段俺がボトムダウンオンラインにログインした時はワールドアナウンスで包丁次元全体に通知されてしまう。

 しかし、俺がアビスでログインした時はルル様のアナウンスが最優先されているのか、俺のレイドアナウンスが流れないようになっている。

 そのため、俺がアビスで出入りしてもこいつらには俺がログインしていないと判断せざるを得ないのだ!

 間抜けな元次元天子め!



 ちなみに戦況はどうなってるんだ?

 始まってから数日経っているが……



 「圧倒的に悪の陣営側が劣性ですね。

 まず代表者の劣化天子が表立って参戦していない時点で士気が低いですし、人数も【オメガンド】陣営の方が圧倒的に多いです。

 明確に悪と言われる陣営にわざわざ入ろうとするのは物好きしかいないので当然の結果と言えるでしょう」


 ……ちっ、ぐうの音も出ないような正論を並べやがって!

 その通りとしか言いようがないんだよなぁ……

 悪役ロールプレイが好きなやつか闇の力に飢えた中二病患者か俺の知り合いくらいだろう。

 それに名指しで指名されている俺自身の人望もないからな!

 なにせ悪質プレイヤーキラーの代表格として名を知らしめているんだから、そんなプレイヤーを支持したいやつなんてさらに限られている。



 「身から出た錆というものですね。

 普段からきちんとしていればここまで不利な戦いを強いられることなんて無かったはずですが、劣化天子にこれを説いたところで無意味極まりないですね。

 天地がひっくり返ったとしても行動を改めるとは思えませんから」


 【菜刀天子】は肩を竦めて呆れているが、よくわかっているじゃないか!

 そう、これしきで諦めたり自らの行動を改めるほど俺は安い女じゃないからな!


 




 命は安いですけどね。


 【Bottom Down-Online Now loading……】 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ