902話 邪眼像
【Raid Battle!】
【深淵域の管理者】
【エルル】
【???】【上位権限】【ボーダー】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【深淵へ誘い】
【冒険者を堕とす】
【深き真価を見極め】
【境界に流転する】
【封印された夢想が解き放たれし時】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日ルル様と話したように今日はアビスの方でログインしてみた。
ほとぼりがある程度冷めるまで、この深淵奈落の調査をして行くぞ!
というわけでやって来ました【深淵奈落中層ールルナティック】!
ここには俺がスキル【紅枝深淵】で生やした赤黒い枝が地面にカーペットのように広がっており、その上を歩いて移動していっている。
ここからジェーライトの像に向かい再戦するのも悪くないが、まずは倒したアルベーの像に向かってみよう!
あの後一回もここに来てないから、倒したことで何か変化があったかもしれないからな!
……変化してるな。
なんだこれ?
到着してみるとアルベーの像そのものに変化は無かったものの、その隣に不審なものが生まれていた。
これは……眼球?
そこでは俺の身体の大きさくらいある生々しい邪眼像が異様な存在感を示していた。
……どう考えても気軽に触れていいような代物ではない。
それなら【深淵顕現権限ББ】で力の流れを視てみるか!
力の流れを視ることで何か分かるかもしれないし、やってみる価値はあるだろう。
どうせこのまま足踏みしていたところで何も始まらないしな!
……というわけで。
スキル発動!【深淵顕現権限ББ】!
スキルを発動すると、俺の両目が深淵の力を宿していき視るもの全てを堕とす邪眼と化した。
アルベーの細胞を二重に励起させたこの眼であれば邪眼像を見通すことが出来るだろう。
ククク……さぁ、漆黒に染まりし邪眼よ!
俺にその全てを視せてくれ!!!
【Raid Battle!】
【深淵域の管理者】
【エルル】
【???】【上位権限】【ボーダー】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【深淵へ誘い】
【冒険者を堕とす】
【深き真価を見極め】
【境界に流転する】
【封印された夢想が解き放たれし時】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【レイドバトルを開始します】
はい、死にました。
なんかこの流れ、キリゲーの時もやったな……
深く視ようとして力不足で死に戻りさせられるのは非常に不本意である。
何も得られずに死ぬわけだからそりゃそうだけどな!
未だに俺自身のスペックの低さが邪眼の足を引っ張っているということだけはよーく分かった。
つまり、スペックを上げればいいというわけだ。
スペックを上げつつアルベーの眼を展開する方法なんて限られているから、やることは悩む必要がないくらい示されている。
……それならここからはアルベー攻略の時の流れを踏襲していくしかないよな!
スキル発動!【深淵纏縛ББ】
スキルを起動すると、俺の全身に纏わりつくかのように黒い霧が発生していく。
この霧は俺の身体の中に眠る深淵細胞を確認すると、それに合わせて姿を変えていき頭部から順に物質として俺の身体に纏縛していく。
まず頭に現れたのは黒色のキャップだ。
ツバがくちばしを思わせるかのような鋭利な形をしており、獲物を狩り取る獰猛さを感じ取れる。
次に現れたのは首から下の軍服だ。
身体を絞めつけるほどピッチリとしており、身体のラインがこれ以上無いほど強調されていくデザインなのがアルベーの趣味を疑わせる。
足元にはガッチリとした黒色のブーツが現れた。
地面と一体化した枝の棘をものともしない安心設計である。
そして、最後に俺の眼が脈動しはじめ、すげ替えられていく。
深淵を覗き込む為の眼は、漆黒という言葉では言い表すことが出来ないほどの黒さを秘め、瞳孔は翼の形へ変貌した。
さらに、翼のような形をした瞳孔は眼の中で分裂を繰り返し、10個の翼を瞳に宿すようになった。
両目を合わせて20個だ。
最後に、その眼を保護するようにキランと輝く眼鏡も装着された。
基本的には普通の【深淵纏縛Б】と変わらないように見えるが、その実力が満ち溢れてくる。
これが深淵細胞を2つ重ねた【深淵纏縛】の力……
これなら邪眼像を見通すことができるはず!
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【豺ア豺オ讖滓ァ九?驍ェ逵シ蜒紹】
レア度:髑大ョ壻ク榊庄閭ス
品質:繝ャ繧、繝臥エ
耐久度:1000000000000/辟。驥丞、ァ謨ー
髢狗、コ諡貞凄。
これを視れたこと、その事実が次なる深みへの到達権となる。
さあ、堕落せよ。
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【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】