90話 リジェネレート
ファンタジーガスとかいう摩訶不思議アイテムを駆使し始めた【風船飛行士】。
ファンタジーガスがビンの中から出きると、【風船飛行士】の周りを漂い始め、俺が包丁でダメージを与えても時間経過で回復していってしまう。
あの虹色のガスはリジェネ効果があるのか!?
見た目は完全に危なそうなファンタジーガスだが、このメリットだけ見るとこれ以上ないほど便利なアイテムだな、おい!
なんか【風船飛行士】の隠していた手札が多すぎて頭がパンクしそうだが、とりあえず攻撃あるのみ。
俺はプレイヤーキラーだからな、プレイヤーをヤることで快感を得たいんだぁ!
とりあえず袈裟斬りでも食らってくれ!
「怖すぎワロタwww
ぐえー、喰らっちまったじゃんかよwww」
半ば思考停止で放った袈裟斬りだったが、思ったよりも簡単に刃が【風船飛行士】の胸元周辺を切り裂くことに成功した。
この攻撃で袈裟斬りで内蔵がポロリしそうなくらい深いダメージを与えるが、少し逃げ回られると完全回復されてしまった。
「ま、ファンタジーガス先生にかかればこんなもんよwww」
なんだあのリジェネ!?
いくらなんでも優秀すぎないか!?
いくら摩訶不思議アイテムだからって効果高すぎない!?
どちらにせよ、一撃であの風船ガスチャラ男の息の根を止めなければ俺に勝ち目はな…い……?
いや、まて!
ガスが永遠とカラダの周囲を漂っているわけでも無さそうだぞ。
よーく見てみると、少しずつではあるが、身体の周りから離れていっているのが見える。
時間経過でそうなっているのもそうだが、それが【風船飛行士】の身体を包丁で引き裂く度にそのスピードが加速していってる。
……それなら話は早い!
俺は捨て身で特攻を仕掛けることにした。
銀色の杯から時折放たれる銀翼の矢のようなものが俺を襲ってきているが、それを右腕で受けることで最短距離で【風船飛行士】に接近していく。
この銀翼の矢は【風船飛行士】によるマニュアル操作ではなく、時間経過で放たれるオート照準のようで、俺が近寄ったのにも関わらず20秒に一回くらいしか攻撃してきていない。
まあ、メインの効果は遠距離攻撃に対するオートカウンターだろうし、攻撃性能がついているだけマシだろう。
だが、飛行能力をルル様からパクってきた俺に対してはそれだけじゃ不十分だったなぁ!?
「おっおっおっ?
これもしかして気づいちゃった感じ?www
オレ不味い感じ?www」
中途半端な攻撃を俺は一切避けずに連続して包丁で切り込み続けていると、とうとう【風船飛行士】の身体から虹色のファンタジーガスが完全に霧散し、俺の斬擊によって受けたダメージが回復しなくなった。
これでお前の手札を完全に無力してやるからな!
スキル発動!【フィレオ】!
俺は空中で斬擊を二回繰り出し、飛翔する斬擊を放った。
だが、遠距離攻撃をオートカウンターしてくる銀の杯が厄介だったから、離れてではなく、直接【風船飛行士】に切り込むという形で放つことにした。
包丁が【風船飛行士】に触れた瞬間、飛翔する斬擊が現れ、チャラ男の左腕を刈り取った。
そして、腕と一緒に銀の杯は地面に落下していった。
あっ、俺の左足も【フィレオ】のデメリットで吹き飛んでいって【風船飛行士】の身体の一部だったものと落ちていっているな。
まずはこれで一つ!
「あっ、銀杯師匠がっwww
お世話になったンゴッw」
さらにだめ押しの追撃だ!
二度目の【フィレオ】発動!
今度は風船を持っていた右腕の狙い飛翔する斬擊を放つ。
俺が宙で作った軌道がそのまま斬擊となり【風船飛行士】の腕を切断した。
俺の右腕と仲良く落下していく【風船飛行士】の右腕を見る。
そして、両腕を失った【風船飛行士】の末路は一つしかない。
落下だ!
「執念深すぎて怖すぎワロタ……ワロタ……
えっ、これオレ詰んだ?www
風船ないから落ちていっているじゃんwww
だーが、俺をチュートリアルで唐突にキルしてきたお前にこの銀翼の矢を身体中に打ち込めて清々したわwww
今度はオレ自身を撃ち込んでやるからなwww
漲wっwてwきwたw」
うるせー、セクハラ野郎!!
そんな捨て台詞を吐きながら、垂直に落下し、地面で肉片となった【風船飛行士】は光の粒子となった。
うへー、落下するとあんな感じになるのか。
今度誰か上空から落として遊んでみるか!
たのしそーー!!
やりたすぎる!!
そんなことを考えていると、骨翼で浮いているまま俺は控え室まで転送された。
うん、俺の勝ちで問題なかったってことだな。
流石あの状態で生きてたらビックリだが……
いや、ファンタジーガスの効果があればあんな肉片でも復活するのか!?
それは考えたくないなぁ……肉片から再構成されていく様子を見るのは十中八九ホラー映像になりそうだし。
ボマードちゃんとかやったらいい反応してくれそうだし、ぜひとも見てみたいぞ!
「準決勝第二試合は【深淵奈落】闘技場代表の底辺種族【包丁戦士】の勝ちです。
あんな上空から落下させて悦に入っている表情を浮かべるとは……
やはり、一般的底辺種族より深淵種族に寄ってますね……
これはなんとかしないとこの次元の脅威に……?
あっ、いえ何でもないです。
とりあえず次は決勝戦!
【無限湖沼ルルラシア】代表の【釣竿剣士】と【深淵奈落】代表の【包丁戦士】です。
長い戦いでしたが、これで泣いても笑っても最後です。
底辺種族のスペックがいくら低いからと言っても、待ちくたびれて死に戻りしないでくださいね。
いえ、底辺種族ならそれもやりかねませんか……?」
【Bottom Down-Online Now loading……】
アンケート第二弾です。
次元戦争のメンバーについてです。
是非コメントお願いします。
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