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892/2205

892話 【包丁戦士】輸送大作戦!

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 今日は大規模作戦の予定だ。

 その名も、【包丁戦士】の素材大運輸……だ!




 というわけで俺は新緑都市アネイブルの天子王宮の宝物庫にいる。

 その宝物庫の中から造船に必要な素材を持ち出すというわけだ!

 ただ、この宝物庫には俺と【菜刀天子】しか入れないので俺一人で出す必要があるから前日にある程度は運び出しておいた。

 

 そして、俺が選び出した素材を外まで運ぶのが……



 「リーダーの久々の召集待ってましたよ!」

 「【包丁戦士】さんのやることについていくの楽しいから、呼んでくれたらいつでもかけつけます」

 「てゆーか、これ多くね?」

 「拙者ロリ好き好き侍。

 義によって助太刀するで候」

 「南無……」


 俺直属の遊撃部隊……クラン【コラテラルダメージ】所属の集団【ハリネズミ】たちだ!

 半分賑やかし要員のこいつらは天子王宮の入場許可証を持っているので俺が廊下に素材を出してやれば、そのまま天子王宮の外まで運搬してくれる。

 若手の男勢だから俺に代わってその溢れ出る元気を活用してもらうわけだな。

 



 

 そして、【ハリネズミ】たちが天子王宮から運び出している間にはまた別のやつらに天子王宮の外に出したものを海エリアの海岸まで運んでもらう手筈になっている。

 大規模かつ無利益で俺のためにわざわざ動いてくれる集団なんて選択肢は一つしかない。



 「ククク……狂巫女(バーサクプリースト)の祈りとあらば我輩たちはすぐに駆けつけるのだ……!

 漆黒闇(ネオダーク)の力、存分に役立ててやろう」


 「んあ?

 狂巫女様の願い、そして【黒杖魔導師】さんが全面協力を決めている以上俺も死力を振り絞って運ばせてもらうつもりだ」


 そう【黒杖魔導師】率いるクラン【包丁戦士狂教団】のメンバーたちだ!

 サブリーダーの【軍刀歩兵】も来ていることから、総員体制に違いない。


 

 「狂巫女様のために!」

 「【包丁戦士】様のために!」

 「【包丁戦士】たそのために!」

 「「「全力で運びます!」」」


 おお……流石は俺のファンクラブ……

 【包丁戦士狂教団】メンバーたちの俺への好意の方向性はそれぞれだが、俺のために尽くしてくれるやつらなのは変わらない。

 俺が天子王宮の宝物庫に死蔵していた、全プレイヤーから徴収した素材たちを運び出していき面白半分で集まってきたプレイヤーたちも行列に加わっていく。

 だがしかし、それと同時にそれを妨害してくる動きもある。



 「おっ、【包丁戦士】がまた何かやってるぞ?」

 「あれ奪いにいくか!」


 と、俺のように悪名高いプレイヤーはモブプレイヤーたちがこぞって邪魔をしてくるのだ!

 そんな奴らを露払いしていくのが……



 「フェイちゃんの大舞台なんだから俺も頑張らなきゃね。

 この身体を余すことなく使いきって護衛するよ!

 フェイちゃんは俺の全てだからね。

 はぁぁぁぁっ!!!!」


 そう言いながら【フランベルジェナイト】がチュートリアル武器のフランベルジェを振り回し、迫り来るモブプレイヤーたちを一刀両断していっている。

 

 「ふひひっ、あてぃしもいますよぉぉ……

 骸骨軍団で他のプレイヤーたちを牽制しますぅぅ……」


 【骨笛ネクロマンサー】もスキルとabilityの組み合わせによって生み出した骨粒骸骨たちで応戦しているようだ。

 


 そんなクランメンバーたちを横目に先に進んでいくとようやく海エリアの入口にある海岸にたどり着くことに成功した。

 今日1日丸々プレイしてようやくと言った感じだ。

 そしてその海岸には木造戦艦……クラン【紅蓮砂漠隊】の所有している船が停泊していた。



 「よう狂人!

 約束通り【トンカチ戦士】リーダーから紅蓮戦艦を借りてきたぞ。

 交渉通り、ここからお前の持ってきた素材を運んでやる……ぞ……?

 って、どんだけ持ってきてるんだよ……

 この紅蓮戦艦でもギリギリ載るか載らないかの量じゃないか。

 流石は狂人、やることが常人のそれじゃない」


 そんなに誉めても何も出ないぞ!



 「別に誉めてないが……

 さあ、さっさと積み込めよ。

 積み込みの手伝いをするつもりはないから、終わったら呼んでくれ。

 それまで【堕音深笛】の練習でもしているか……」





 あぁ、私の宝物庫が荒らされていく……

 全く、これだから劣化天子は懲りませんね……

 勘弁してほしいです。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[一言] 天子じゃなくなっても「私の」と言う【菜刀天子】好き そういえば、最初に流れてる【包丁戦士】のアナウンス、カッコイイですよね
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