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89話 風船の隠し玉オンパレード

 P(エルル)細胞を通してルル様の力を引き出した俺は、背中から翼を生やし上空に浮かんでいた【風船飛行士】に追いついた。


 「なんだそのスキルw

 骨の翼だし、片方しかないとかテラワロスwww

 んんっwwwその翼では夜の役割が持てないぞwww」


 夜の役割……?

 夜間飛行のことか……?

 首を捻りながらそう考えて【風船飛行士】の表情を窺うと、なんかニヤついた表情を浮かべている。


 どうやらそんな機能的な話ではないらしい……

 と、なると思いつくのは……?

 ……あっ、こいつっ、セクハラかよ!

 お前とは1秒でも夜を共にしたくないわ!


 だが、この骨片翼は個人的に気に入っている。

 中二病チックではあるが、ちょっとダークな雰囲気があっていいじゃん?

 俺はそういうの好きだぞ。


 とりあえずセクハラされたので、【ペグ忍者】からくすねたペグを投擲して黙らせる。

 多分、運営に報告したりも出来るんだろうが、発言としては微妙な判定なのであまり効果はないだろう、それよりも攻撃あるのみだ!


 風船を操作して回避されたか……


 「ちょっwwwさっきからそのペグ鬱陶しすぎwww

 そろそろ高度もいい感じだし、そのペグ封印させてもらうかwww」


 そう俺に向かって叫ぶと、腕に巻いていたシルバーを外し、口に運んだかと思うと、それをごくりと飲み込んだ。

 昨日の試合で飲み込んでいたシルバーアクセサリーとデザインが違うな……?

 飲み込んだことで消失したんだろうが、毎回失くなるなら同じデザインで何個か予備持ってたりしなかったのだろうか。


 飲み込み終わった【風船飛行士】は一息置き、


 「ability【銀盃羽化】発動www

 さらに……スキル【竜鱗図冊】っ!」


 【風船飛行士】が肩から提げていたポシェットの中から巻物のようなものを取り出すと、それを勢いよく広げた。

 その巻物が鱗のように分解されたかと思うと、次の瞬間には【風船飛行士】の手元には銀色の杯が握られていた。


 そして、俺が投げていた複数のペグに銀色の羽が生えて、進行方向を180度変更し、俺に向けて飛んできた。

 だが、一回戦で見ていてabilityの効果を見ていたから冷静に対応が可能だ!

 包丁を手に握り、ペグを地面に向けて叩き落とした。

 俺の武器であろうと、俺に敵意を見せたなら容赦はしないぞ!


 「いやwww

 その武器、あの猫耳幼女ちゃんの武器を盗んだやつでしょwww

 ナチュラルにゲスいことしてるよなwww」


 待っていたツッコミをありがとう。



 それにしても、スキル【竜鱗図冊】か。

 あれはこのイベントの予選で当たった【短剣探険者】が使ってきたスキルだ。

 あの時【短剣探険者】が言っていたことから考えると、このスキルは渓谷エリアにある冒険者ギルド由来のスキルらしい。

 それなら、渓谷エリアのトッププレイヤーである【風船飛行士】が持っていてもおかしくない……いや、持っていないとおかしいか。


 そして、ability【銀盃羽化】……

 一回戦では、弓矢相手にこのスキルを使っていたな。

 そして、今回のペグにも同様に。

 発動条件はよくわからないが、使う対象は遠距離武器……持ち主の手を離れた武器……複製アイテム……どれが当てはまるか分からない。

 1回戦の共通点はこれくらいしか思いつかないが、どれかだろう!(なげやり)


 どれにしても遠距離攻撃はもはや通用しない可能性が高い。

 風船で上空に逃げて、上空を狙える武器の攻撃を封じると言うのは利にかなっていて強い。

 予選の【魚尾砲撃】地獄もこうやって対処してきたのだろう。


 だが、ここからの接近戦はどうだろうなぁ!

 俺はペグを全て打ち落とすと、骨翼を羽ばたかせ【風船飛行士】へ肉薄する。

 そして、包丁による袈裟斬りを繰り出した。

 

 ……よしっ、手応えは薄かったが確実に身体に刃をあいつにお見舞いできたな!

 このまま、連擊で押しきるぞ。


 唐竹による切り下げ、逆風による切り上げを連続でヒットさせていき、確実に【風船飛行士】にダメージを蓄積させていくのに成功していっている。


 だが、このまますんなりいけるのか?

 そう思っていると、肩から提げていたポシェットから何やら虹色に輝いている中身のものが蠢いているビンを取り出した。

 俺もそんな感じのビン詰めは最近作ったりしていたが、虹色に輝くという摩訶不思議な物体の生成はしたことがない。


 「不思議そうな顔をしているなwww

 これはオレが極秘に入手したファンタジーガスだw

 こいつを正しく使えば……文字通り何でもできる万能ガスだwww

 何にでも役割を持てるのはアリエールwww」


 出たなファンタジーガス!!

 闘技場イベントの最中に掲示板をぼーっと眺めていたら、【風船飛行士】がファンタジーガスっていうネーミングからして怪しすぎるものを手に入れて使っているという情報があった。

 それを使って風船で浮いているということだったが……

 この【風船飛行士】の口ぶりからすると、それ以外にも用途があるってことなのか!?


 「そのとーりwww

 こいつを吸い込んで体内に吸収すれば……

 おほ~wwwキくキく~www

 最高にハイって感じだwww」


 虹色のガスの入ったビンにストローを差し込み、口から吸い込み始めた。

 見た目からすると完全にアウトな絵面だが、虹色のガス…のファンタジーガスを体内に吸収した【風船飛行士】の身体がに虹色に輝き始め、俺がさっき与えた斬擊の傷跡が綺麗さっぱり塞がってしまった。


 これはもしや……回復薬!?






 プレイヤーに人権のないゲーム……

 この次元で初めて全プレイヤーに公開された回復アイテムは、アイテムの見た目、摂取の仕方共に表現のアウトゾーンを攻めていくファンタジーガスというヤバいやつだった。










 ……ふむ。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

アンケート第二弾です。






次元戦争のメンバーについてです。






是非コメントお願いします。




あと、急に閲覧数とかブックマークが増えたのですが、何かありましたか?





https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/788051/blogkey/2491052/



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― 新着の感想 ―
[一言] 語尾にw…役割…アリエール… もしや【風船飛行士】は役割論者だった…?
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