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877/2209

877話 【ツバタ】と【クロユリ】

本日二話目の更新となります。

前の話を読まれていない方はそちらからどうぞ!

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 一昨日【黒杖魔導師】とアイドルグループを結成することになり、昨日はその準備をしていた。

 そのお陰でパフォーマンスについては準備期間が短かったなりに仕上がった方だと思う。

 良くも悪くも俺らしさというものを打ち消して、【包丁戦士】の悪名を投票に影響させないことが肝心だからな!

 中々大変だったぞ。







   

ーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ここは新緑都市アネイブルの特設ステージ。

 数々のアイドルグループたちが立ち代わり歌やダンスを披露している場所であり、見目麗しい姿のプレイヤーたちを見ようとしている人たちが一堂に集まる激戦区でもある。

 ボク……【検証班長】もそんなアイドルプレイヤーたちを見に来た一人だ。

 これまで埋もれていた人材がこれまでとは違うアピールで舞台に上がってくるから、【検証班】のリーダーとしては見逃せないんだよね。

 

 検証という観念からして、戦闘以外にも色々と出来るプレイヤーが身内にいると思いもよらない情報が手に入るからです。

 可能なら引き抜き、最低でもコネを作りたいところだけど……


 


 ボクがそんなことを考えていると次のグループが舞台に上がり終えてマイクを手に取ったようだね。

 ステージに次に上がってきたのは白髪赤目でアルビノ風の中学生低学年くらいの女の子と、黒髪で長身の大人っぽい女性のアイドルグループみたいだ。

 目立つ見た目をしているけど初めて見たプレイヤーたちだね?





 『みんな~お待たせ~☆

 あたし【ツバタ】と~☆』


 「我輩【クロユリ】の背徳的熱演(ライブ)を見に来てくれたことに感謝しよう」





 【ツバタ】ちゃんというのがアルビノの女の子の名前、【クロユリ】さんというのが黒髪の女性の名前みたいだね。

 ……包丁次元で名前を正式なユーザーネームを名乗っているのはボマードちゃんだけだから、この二人の名前も愛称のようなもの……だと思う。


 【ツバタ】ちゃんはその髪の色と同じような真っ白なフリルのついたアイドル衣装風ワンピースを着ていて、色のアクセントとして水色の線が入っている可愛らしい服装かな。

 【クロユリ】さんは黒色の三角帽子にボンテージを思わせるようなピッチリとした布の服装、右腕と左腹と右足側の布地が一切なく肌が露出している扇情的な服装を着ていて、それでもクールな表情を浮かべているので冷徹な美人という印象です。

 そして最も特徴的なのは眼です。

 赤と緑のオッドアイのプレイヤーなんてこれまで一度も見たことがないです!


 これは是非とも話を聞きたいところですけど、流石にライブ中に割り込んだら批難の嵐をこの身で受け止めることになるので自重しておきましょう。





 『あたしたち【ツバタ】と【クロユリ】のグループ名は【ユニフラワー】です~☆』


 「我輩たちの耽美なる魔声を酔いしれるといいだろう!」



 


 アルビノ少女の【ツバタ】ちゃんは見た目通りのかわいい感じの性格で男性受けが良さそう。

 黒髪長身の女性の【クロユリ】さんはクール系かと思ったけど女性向けのカッコいい女性っていう感じ……かな?

 二人の見た目も性格も真逆みたいだけど、どんなライブを聞かせてくれるんだろうか?

 実に興味深いよね!





 「我輩たちが披露する一曲目は……」


 『【秩序的享楽(コスモス)練習曲(エチュード)】です~☆

 それではどうぞどうぞ~☆』



 

 そこから繰り広げられたライブはまさに白熱したものでした。

 【ツバタ】ちゃんの小さい身体を余すことなく全て使ったダンスは、そこにいるプレイヤーたち全員の視線を釘付けにするほどキレのあるものだったね。

 可愛い喋り方や見た目のわりに身体を動かすことには慣れているみたいだった。

 もしかすると戦闘とかも得意なのかもしれないね?


 【クロユリ】さんはハリのある低音のアルトボイスを響かせ長い歌詞を息継ぎをほとんど見せないまま歌い続ける様子は、圧巻というほかないものだった。

 この人はリアルだと舞台劇とかやってる人なのかな?

 じゃなかったらこんなにスラスラと息継ぎ無しで声を出し続けるのはゲームの中でも難しいことだからね。

 これは検証でリアルとの関連があるって証明されているからボクが断言できるよ!

 

 どちらもダンスと歌の両方をやっているけど得意分野がきっちり別れていて、異色なアイドルグループだ。

 実に面白いので今日の投票はこの【ユニフラワー】にしようかな!








 面白いことをやっているカニね!

 娯楽は当方たちも好むことカニよ!


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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[一言] あーあ コロっと騙されちゃってる…
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