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867話 荒野荒らし

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 今日は昨日決めたように【封地剣マヒク】の試運転をしてみようと思うぞ!








 というわけでやって来ました荒野エリア!

 ここなら地脈が乱れようと問題がない……というよりむしろ荒らしたいな!

 荒野エリアは俺が全く縁の無い場所だし、積極的に敵対するレイドボスもいるから尚更だ。


 【ガハハ!!!

 荒野エリアを選ぶとはいいセンスだな!!!

 木々が無い分出力は落ちるが、大地がこれだけ広がっていればおおよその効果は発揮できるだろう!!!】


 【槌鍛冶士】の声の出方から分かると思うが、いつものガチムチおっさんスタイルじゃなくて【失伝秘具】ー【大深罪鉄林包丁】の姿になっている。

 つまり大剣サイズの包丁姿だな。

 俺に握られながら新緑都市アネイブルからこの荒野まで歩いてきたのだ!


 ここでなら【世界剣種】の力を存分に使っていいとお墨付きを得たので、さっそく使い方を教えてもらおうか。


 【使い方も何もスキルを発動するだけだぞ!!!

 スキルさえ解放してしまえばしばらくはその力を振るえるはずだ!!!】


 スキル……あっ、封印の森で手に入れたあれか。

 いくぞ!

 スキル発動!【封印土剣】!



 俺がスキルを発動させると、大剣サイズの包丁が大地の色へと変色していき、持ち手部分から枝が伸び刀身に絡まり始めた。

 ルル様の必殺技である【堕枝深淵】の引きずり込み縛り上げるような圧迫感に近い重々しさを感じるな……

 

 俺が扱うには重すぎるし、デカすぎるから普段使いはかなり難しそうか。

 ……で、ここからどうすればいいんだ?

 

 

 【地面に刀身を突き立てるのだ!!!

 ワシの身体だと思ってゆっくりな!!!】


 俺は【槌鍛冶士】の言うことを半分無視して、両足に力を入れて上空へと飛び上がってから【封地剣マヒク】を振り上げ、そのまま落下する勢いで延々と広がる荒野へと突き立てたぞ!


 【ガハハ!!!

 ワシの身体だから逆に容赦がないのか!!!

 これは一本取られたぞ!!!】


 そういうことだ。

 俺はプレイヤーキラーだからな。

 相棒であろうと、包丁の姿であろうとお前をキルする勢いで扱ってやるさ!

 

 【槌鍛冶士】と関係性を再確認して少し顔が上気し赤くなった俺だったが、【封地剣マヒク】が地面に根を伸ばし始めたことに気がついて少し飛び退いてしまった。

 これは何が起きているんだ?


 【かつて、ワシと大罪の小娘と深淵の主の3体で新緑都市アネイブルの地脈を改変したのを覚えているか!!!???

 【封地剣マヒク】の力の一つとして、あれに似たようなことが出来るのだ!!!

 つまり、そのエリアにいる敵対者を弱体化させることができるぞ!!!

 プレイヤー相手ではさほど効果は無いだろうが、レイドボス相手であれば効果覿面だ!!!

 今回は【荒野の自由】に対象を絞ってみたぞ!!!】



 【エリアアナウンス】


 【【荒野の自由】の能力に一部制限がかかりました】


 【制限時間00:10:00】



 ふーん、アナウンスに出てくるくらいには弱体化させられるのね。

 タイアやレヴァみたいに攻撃系ってわけじゃなくて補助系の【世界剣種】というわけだ。

 これを喜んでいいのか悲しんだ方がいいのかは判断に悩むが……

 まぁ、少なくとも無いよりはいいだろう!




 そんな割り切り方をしていると、唐突に脳内に無機質なアナウンスが鳴り響き始めた。



 【Raid Battle!】


 【荒野の自由】


 【????】


 【機戒天使】【上位権限】【保安官】



 【螺旋のように回る歯車は輪廻の象徴】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【罪を裁き悪を挫く】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【罪を迎え撃つ雌伏する弾丸は】


 【増長する悪意を討ち滅ぼす】


 【解き放たれた荒野には】


 【正義と自由の機戒が駆け巡るだろう!】


 【レイドバトルを開始します】



 若干剣呑な雰囲気の挨拶をかましてきたのは、茶色のカウボーイハットを被り赤いスカーフを首に巻き、茶色のジャケットに、ダメージジーンズを履いた男……ロボット(?)だった。


 こいつはガンマンスタイルのロボットである【荒野の自由】だ。

 深淵種族に足を踏み入れており、大罪の烙印を押された俺をこの罪を敵視する正義の執行者が見逃してくれるわけないからいつか向こうからお出ましになるとは思っていたぞ。

 ……地味に宿業の解放が進んでいるのは【短弓射手】の功績かな?



 「HEY!ユーはまた懲りずにここに現れたわけだ!

 まさか【世界剣種】まで持ち出してミーの平穏を脅かそうとするなんて、ベリーバッド!

 罪の権化である悪魔の探索で忙しいというのに、ユーもミーの邪魔ばかりデース!

 ……正義の弾丸でここは締めさせてもらおう。

 【ジャッジメントバレット】!」


 【荒野の自由】による目にも止まらぬ早業で俺はなす術もなく光の粒子となり死に戻りすることとなった……

 【封地剣マヒク】の試運転のつもりが、どうしてこうなった!?






 ミーのエリアにちょっかいを出したからだ。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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