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839話 森人適性と深淵適性

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 今日も今日とてエターナルの方でログインしてきた。

 【槌鍛冶士】に聞きたいことは粗方昨日聞き終えたから、今日はこの【封印の森ダンサムント】を思うがままに探索してみるぞ!






 と歩いてみたはいいものの……


 うわっ、なんだこれ歩きにくいぞっ!?




 俺はこの【封印の森ダンサムント】を裏口入学ばりの甘々基準で入れてもらったので地形感覚が全く掴めないことに気がついた。


 深淵奈落はもはや自分の家の庭くらいの気持ちで闊歩できるが(流石にこれは盛り過ぎか?)、ここは歩くだけでも覚束ない。

 一方この森は一歩歩くだけで急激にスタミナが失われていく感覚に捕らわれてしまう。

 まるで水中を無理やり歩いている……そんなイメージだ。



 これまでは【槌鍛冶士】が近くに居てくれたからなんの違和感もなかっただけ、ということが嫌でも思い知らされてしまったぞ!

 ここは森人の種族特性があってはじめて自由が利く場所ということだな。

 






 というわけで散策終了!

 止めだ止めだ!!!

 これでは時間が無駄になるだけだろう……

 俺には森人の適性が全くないということがわかっただけだった。



 【Raid Battle!】



 【深淵域の管理者】



 【エルル】


 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【レイドバトルを開始します】




 というわけで気を取り直して今度はアビスの方にログインした。

 すると、俺の身体は深淵の力を取り込み始め、水を得た魚のようにイキイキとし始めた。

 ん~、これこれ!!!

 たまんないなぁ!

 

 さっきまでの空間と比べると、肌に潤いすら感じてくるくらい快適だな……

 やっぱり深淵奈落は最高だ!



 「カッカッカッ!

 そうであろう、ここは深淵に連なるものの力の源泉である故に力が満ち溢れてくるであろう!

 我の深淵細胞を取り込むことが出来ているお前であれば、快適なのは自明の理だな」


 深淵奈落に足を踏み入れた俺を向かえていれたのは緑色の触手をうねらせているルル様だった。

 

 そういえば、聖獣が封印されていたり、【荒野の自由】の【上位権限】の一部が封印されていたりしたが、深淵種族で同じように封印されているものってあったりするのだろうか……?


 「間違いなくあるだろう。

 山伏権限から聞いたのだが、次元環境に悪い影響を与えてしまうものを人知れず封印していくことが森人の宿業の1つらしいからのぅ……

 我ら深淵種族はその最たるものだ、故に優先して他の種族から狙われ倒されてきたがその中で倒されているのではなく封印されたものが居てもおかしくはない。

 聖獣すら封印されているのだから可能性は充分にある」


 そういう理論に基づいて封印されていっているのなら、深淵種族が封印されていると考えるのは自然のことだな。

 なにせこの包丁次元を、そして全プレイヤーを堕とそうとしているんだからな。

 深淵種族全員が封印の対象となるに違いない。

 下手すると俺もその対象だったからもしれないが、その下手人が【槌鍛冶士】だったので命拾いした。

 あいつが俺を封印するとは思えないし……



 「お前と長い間行動を共にしているということはそうなるだろうな。

 お前への興味が尽きないという点で、【鉄血森林の森人君主】の気持ちは分からんでもないがのぅ」


 そういうものなのか……?

 俺本人ではその辺りはよく分からないのでスルーしておこう。

 ちょっと気恥ずかしいのもある。




 あっ、そういえば【世界剣種】をとうとう手に入れたぞ!

 【封地剣マヒク】という土属性のものらしい。

 一回も使ったことがないし、手に入れたといっても【槌鍛冶士】の身体に取り込まれたから俺が自由に使えるわけじゃないが……

 それでも俺が所有者であるらしいから、嘘は言っていない。


 「とうとう手に入れたか!

 あの隠者がキーとなっているのは気になるところだが、よくぞやってくれたのぅ……

 だがその【世界剣種】の力を見てみないことには評価し難い。

 引き続き【鉄血森林の森人君主】から【封地剣マヒク】の情報を聞き出して我に報告するのだ!

 深淵種族に有用なものであればいいのだがのぅ……」


 




 嫌な予感もするが……気のせいかのぅ?


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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[一言] 今気づいたけどページ毎にいいね押せるんですね。 800以上押すのはだいぶ大変だから暇な時に押しまくります。
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