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829話 ライバルは生き甲斐

 【Raid Battle!】



 【深淵域の管理者】



 【エルル】


 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 今日はアビスの方でログインしてみた。

 【世界剣種】調査の経過報告だな!




 

 「カッカッカッ!

 調査の進捗はどうかのぅ?

 【失伝秘具】ならばともかく【世界剣種】となればそう簡単に見つからないというものであるが、お前であればあるいはと思っておるぞ」


 ルル様からの信頼が厚くなってきたな!

 これが深淵種族に媚を売り続けた成果なのかもしれない。

 なにせ宿敵の【菜刀天子】の討伐を共同で成し遂げたんだからな。

 戦友や運命共同体のようなものだろう。


 ……それで、【世界剣種】だけど苦労した甲斐あって一つだけ見つけることが出来たぞ!



 「……っ!?

 それは真実かっ!?!?

 よもやこの短期間で見つけ出すとは、やはりお前には奇妙な縁が複数結びついておるようだのぅ。

 我が遥か昔に捜索した際には忌々しい敵たちが使ってきたものばかりで、我が扱えそうなものは見つけられなかったというのにな」


 まあ、俺が見つけたのも敵が使ってきたものではあるな。

 ただ、特殊な場所にいたやつが持っていただけだが。


 「特殊な場所……とな?」


 そうだ。

 【特異次元】……基本的にはイベント開催時しか開かれないような別層の場所だ。

 そして、そんな場所に滞在できるやつなんてごく僅かしかいない。


 「……忌々しい次元天子か。

 この短期間で再臨しておったとはのぅ。

 やはりプレイヤーに倒された場合の扱いは特殊であるわけか」


 ただ、ルル様が危惧しているような次元天子としての大きな力は失っているらしい。

 あくまでも聖獣の格を被っている形になると本人は言っていた。

 

 「それであれば溜飲は降りるというものだ!

 手間をかけて倒した故に、それ相応の制約を受けてもらわねば倒した甲斐がないというものだ。

 あやつの力が大幅に弱まり手札も減ったのであれば、しばらくは放置していてもよかろう。

 カッカッカッ、その間に我も新たな侵攻戦略を張り巡らせるとしようぞ!」


 高らかに笑い声を上げたルル様は強敵の復活にどこか喜びすら感じられた。

 それはどのような想いが込められているのだろうか……

 ルル様ほどの存在の思考回路は俺には読めないので、ここは成り行きに任せるしかない。

 

 「それで、忌々しき元次元天子が持っていたという【世界剣種】はどのようなものであった?

 敵の情報は多いに越したことがない故に、我へとその情報を渡すのだ」


 【菜刀天子】が使ってきた【世界剣種】は【勅聖剣タイア】という名前のものだった。

 抜剣した瞬間に俺や周りにいたプレイヤーたちが死に戻りしてしまったので刀身は見れていないが、瞬間火力や攻撃の発生スピード、攻撃範囲……その全てが優れたものだという証明でもある。

 ただ、一撃しか見れていないから連発出来るかどうかの有無は不明だ。



 「【勅聖剣タイア】……名前から察するに我ら深淵種族にとっても相性が悪そうであるな。

 天子と深淵の力を併せ持つお前であれば使うことは可能かも知れぬが、少なくとも我が求めているような深淵種族でも扱えるものではないな」


 聖って文字が入ってるからな……

 【戒焔剣レヴァ】が炎属性に耐性があったり熟知しているものしか真価を発揮できないらしいから、【勅聖剣タイア】は光とか聖属性に耐性があったり熟知しているものしか真価を発揮できないだろう。


 ルル様はその真逆の闇とか邪悪な属性に位置している存在なので、使った瞬間ルル様が一番ダメージを受けてしまう可能性すらある。

 使うくらいなら、素直に破棄してしまう方がマシだろう。



 「変に利用されるよりはその方がよいであろうな。

 もっとも、【世界剣種】の破棄がそんなに容易いものだとは我も思っておらぬが……

 世界に芽吹く基となる剣である故に、おそらくその強度はレイドボスと同格と言っても過言ではないと思っておる。

 グランドクエストに関与する【失伝秘具】とはそのように別格の存在であると心得ておくとよいであろうな」


 レイドボス級の武器か……

 考えただけでおぞましいな。

 リデちゃんはそんな強力な武器を手に入れたわけだが、使いこなせているんだろうか?

 いくら適性のある機戒兵が装備しているとはいえ、何かしらの制約はあるだろうな。

 ……今度確認しに行ってみるか!



 「また情報が手に入り次第我に報告しに来るのだ。

 カッカッカッ、お前の奇妙な縁にはこれからも期待しておる故にな!」


 ルル様の期待に応えられるように調査を進めていくぞ!







 ふむ、こうなればあれの出番かのぅ……?


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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