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824/2203

824話 顕現!……さん(挿絵あり)

 「……なにする、つもり?」


 まあ見てろっ!

 ここからはアドリブだから俺も何が起こるか分からないが、面白く出来そうな気がするからな!


 出てこい!【夢幻銀鍵】!

 

 俺が出現させたのは銀色に輝く鍵だった。

 奇妙なアラベスク模様に表面が覆われた、長さが5インチ近くある大きな銀の鍵であるがこれは深淵奈落に封印されていた深淵の禁書……【深淵異本】の封印を解くために使ったものだ。

 今は【夢幻深淵】モードになるためのキーとして扱われているが、本来の用途は禁書に使ったように封印を解くためにのものである。

 【槌鍛冶士】がそのために作ったわけだからな!

 

 「夢幻の力……」


 「え、正規のやつじゃない鍵を使う気ッスか!?

 それって使えないんじゃないッスか?」


 その可能性もあるが、せっかく俺の相棒である【槌鍛冶士】が作ってくれた鍵なんだ。

 俺が全面的信頼を置いている【槌鍛冶士】の製作物なら俺の要望に応えてくれるはずだ。

 だからこそ、使えそうなタイミングで試してみたくなるじゃないか!


 「フェイちゃんのそういうところ、いいよね」


 「それ正気で言ってるッスか!?」


 「……我非常的惊讶。

 おどろいた、そんなこと、かんがえたことなかった……」


 正規品ではないからな。

 深淵の禁書を開くのにも使ったが、この鍵自体は最近【槌鍛冶士】が生み出したものだ。

 それでも解錠出来たのだから、別のところでも使えるだろう……という楽観的思考による結論と言われても仕方がない。

 それでも試すがな!


 

 俺はズシリと重みを感じる鍵を手に取り、そのまま純白の扉の鍵穴へと差し込んでいく。

 扉内部で形状を変えながら入っていき、鍵穴の奥まできっちりと入った。


 そして、鍵を捻るとカチリという音がした。


 「あっ、空いたッスか!?

 俺っちはピッキング技術も磨いているから分かるッスけど、この鍵でも空いたんッスね……」


 「さて、この中身はどうなっているのか……

 夢幻エネルギーの織り成す道しるべがフェイちゃんに幸福をもたらすことを祈っているよ」


 「……很期待。

 たのしみ……」



 そんな声を背中で受けながら俺は【夢幻銀鍵】によって変質した純白の扉を両手で押し開けた!













 【特異次元????離宮】




 「えっ、なんッスかここ!?」


 「……まさか自前のダンジョンをこんなところに繋いでいたとはね。

 【フランベルジェナイト】としてではなく、真に驚いたよ」


 俺たちが扉を抜けた先にはどこか見覚えのある光景が広がっていた。

 そこは木造建築でありながら派手な色使いのされた装飾が一面に広がった部屋だった。

 ミャンマーのマンダレー王宮を思わせるような王宮の間であり、派手ながら上品さを兼ね備えた抜群のセンスによって構築されたものだ。


 そしてそんな場所に居そうなやつに心当たりがある。

 俺の勘違いでなければ、()()()がいるはずだ!






 「驚きを通り越して呆れてしまいました。

 全く、これだから劣化天子は……

 相変わらずあなたの行動は読めないですね、どうしてそんな非常識なことを平然とやってのけるのですか!」



 そこには豪華な装飾が施された玉座に座っている人物がいた。

 中性的な顔つきをしていて性別は分かりにくいが、見た目は幼く【ペグ忍者】くらいの体型である。

 服装は中国の皇帝が着るような足首まで伸びた赤色の服であり、さらっとした黄色髪のロングヘアーを靡かせている。

 頭には冕冠……帽子のようなものをつけている。



 そう、こいつは……









【菜刀天子】だ!

 お前、俺たちに倒されたはずじゃなかったのか!?

 時折無言の圧力を感じていたから、なんとなく何処かで生きてるとは思っていたけどな!


 「相変わらずそんな短絡的思考で私が居ない間も包丁次元で過ごしてたとは情けないものです。

 プレイヤーに倒されようともレイドボスの意識が身体を持ち、行動している例が隣にあるでしょう。

 底辺種族上がりなら底辺種族上がりらしく、血眼で視野を広げてみれば分かることでしょうに……」


 なんだか懐かしい上から目線の罵倒を受けながら俺のとなりに居るやつを見る。

 ……【ミューン】のことか。

 

 他にも【クシーリア】や【オメガンド】も倒されてから擬似的なアバターの生成をして活動を続けている。

 つまり、【菜刀天子】も同様に擬似的な身体を作り上げてこんな奇妙な空間に潜んでいたわけだな。


 で、なんで【菜刀天子】はロリになってるんだ?

 前は男装の麗人みたいな長身だったじゃないか。

 どうしてそんなに縮んでしまったんだよ。


 「単純にエネルギー不足ですね。

 身体の復元に回すエネルギーを別のところに回したので中途半端になってしまったというわけです。

 ですが、姿が変われども私が偉大であるという事実は変わりません。

 むしろこれまで以上に崇めるといいでしょう」


 お前も相変わらずだな……

 負けても上から目線なのは芯が通っていて逆に安心してしまうほどだ。

 心配していたが、それは杞憂だったようだな?







 久々ですが、劣化天子に心配されるほど落ちぶれてはいませんよ。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

とうとうこの二年とちょっとの間目標にしていたブックマーク1000件を達成しました!

その記念として描いていただいた色々な姿の【包丁戦士】が一枚に詰まったイラストを掲載させていただきます!



本当に……本当にありがとうございます!

ブックマークや評価をしていただいた皆様の支えがあってこの目標を達成することが出来ましたっ!


これからもボトムダウンオンラインの継読をよろしくお願いいたします!



挿絵(By みてみん)



左上【フェイ】、中央奥【深淵纏縛Ґ(ゲー)】(キリゲー),右奥【深淵纏縛Ж(ジェー)】(ジェーライト)

左手前【深淵纏縛P(エルル)】(ルル様)、中央中段右寄り【夢幻深淵】、中央手前【包丁戦士(ノーマル)】、右手前【深淵纏縛Б(ベー)】(アルベー)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 【菜刀天子】復活。 あれだけキャラ立ってたからなぁ。 最近の最後のコメントが正体不明だったがこいつだったか。
[一言] やっぱり菜刀天子でしたね。普通に復活してるとは思いませんでしたが、1回退場してて天子関連の場所だったのでそういう事だろうと予想してました。
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