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816話 コラテラルダメージ決起集会

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 【タウラノ】から【世界剣種】が天子王宮にあるダンジョンに眠っているかもしれないと情報を得たので挑戦したいと思う。

 ……だが、【誓言の歪曲迷宮】は高難易度ダンジョンのため俺一人でクリアするのは不可能だろう。

 深淵奈落の復刻版レイドボスを一人で倒せなかったように、このダンジョンも誰か協力者を募る必要があるだろう。


 ちなみにだがダンジョン攻略は人数制限があり、メンバーは最高四人までとなっている。

 だから多人数でごり押しという戦術は前提として封じられているので、冒険者ギルドのダンジョンも同じ仕様ということもあってクラン【冒険者の宴】やクラン【検証班】のような大規模クランでもメンバーを選抜して普段は挑んでいるようだな。








 というわけでやってきました堅牢剣山ソイングレストにある【コラテラルダメージ】のクランハウス!

 普段は元【ハリネズミ】の連中がたむろするスペースとなっているが、事前に【槌鍛冶士】を経由してクランメンバー全員に召集をかけてもらったのだ!

 俺は【渡月伝心】で【槌鍛冶士】にしかまともにメッセージを送れないからな……


 「ガハハ!!!

 そんなこと気にする必要はない!!!

 お前はお前のミチを進めばいいのだ!!!」


 【槌鍛冶士】が暑苦しいテンションで俺の肩を叩きながら励ましてきた。

 痛いし暑苦しいぞ……っ!


 「【包丁戦士】さん、急に全員呼び出してどうしたんですか?

 いや~、レイドボスに挑むときくらいしかこんな集まりやらないじゃないですか!?

 でも今回はレイドボスに挑む準備なんてしてる様子も無かったですよね……」


 ボマードちゃんが言うようにクランメンバー全員に召集をかけたわけだが、【ハリネズミ】たちはリアルで旅行中とのことなので欠席だ。

 あいつらはあいつらでエンジョイしてるなぁ。


 そして、レイドボスに挑むわけじゃないというのも正解だな。

 だが、ある意味ではレイドボスよりも厄介かもしれない。


 「先輩、勿体ぶらないで教えて欲しいッスよ!

 何に挑むつもりッスか?

 どうせ先輩のことッスから、ろくでもないことに首を突っ込むことになりそうッスけど……」


 【バットシーフ】後輩は半分目が死んだようになりながら俺を急かしてきた。

 こいつには戦闘についてスパルタ教育をしているから、半ば自暴自棄になっているんだろうな……

 【バットシーフ】後輩が巻き込まれているときは大体死屍累々な状況に陥るから、俺と行動するときの苦労についてもおおよそ予想できているというのもあるはずだ。


 「ふひひっ、骨がありそうなところなら大歓迎ですぅぅ……」


 【骨笛ネクロマンサー】はマイペースだな。

 骨があれば他は気にしないというのは会ったときから変わらないスタイルだから、安定しているとも言える。


 「フェイちゃんのためならば、地の果て空の果て海の果て……どこまででも御供するよ!

 俺の命にかけても守り抜いてあげるさ!」


 電波系イケメンの【フランベルジェナイト】は相変わらず俺と【フェイ】を混在して認識しているようだ。

 【ガルザヴォーク】であることを自認してからは話が通じやすくなったので、前よりは扱いやすくなったがそれでも一癖あるのは変わらない。

 


 ここに集まったメンバーから天子王宮にある高難易度ダンジョン【誓言の歪曲迷宮】に挑むメンバーを募るぞ!

 

 「【誓言の歪曲迷宮】ってあの滅茶苦茶難しいダンジョンじゃないッスか!?

 【天元顕現権限】を手に入れるために何度か【裏の人脈】の四幹部で挑んでみたッスけど、第三階層で全滅したッス……」


 【バットシーフ】後輩は今もなおよく分からないのクラン【裏の人脈】と行動することが多いみたいだが、そいつらとそこまでは進めたのか……

 割といい線は行ってる方じゃないか?



 「俺はフェイちゃんと入ったけど五階層が限界だったね。

 あの時は死力を振り絞ってあそこまでしか行けなかったけど、今ならもう少し進めるさ!」


 存在しない記憶を俺と共有しようとしてきたが、それは俺じゃなくて俺の分身のような存在の【フェイ】との経験だろう。



 ……って、ちょっと待て!?

 プレイヤーの最高到達階層が五階層だぞ!?

 それを【フランベルジェナイト】が成し遂げたって言うのか!?

 【フェイ】と一緒に行ったと言うが、実質ソロ攻略みたいなものだぞ!


 「私は行ったことないですね~

 いや~、デバフボディではダンジョン攻略はキツいですよ!」


 まあ、そうだろうな。

 ボマードちゃんの身体では長期に渡るダンジョン攻略は難しいだろう。

 罠もあるし、モンスターもひっきりなしで出てくるから下手すれば足手まといになる可能性すらある。

 【ジェーライト】が身体を操ったとしても厳しいはずだ。


 「ガハハ!!!

 ワシはダンジョンに進む許可が降りないだろうな!!!

 聖獣ならまだしも、他の種族の……ましてや【上位権限】を持つワシはダンジョンに入ることすら出来ない!!!

 残念だ!!!」


 残念だと言いつつも豪快に笑ってのける精神の強さが【槌鍛冶士】の魅力だな。

 こいつに精神攻撃は効かないだろうよ。


 「ふひひっ、あてぃしは骨粒の消耗が激しそうなので遠慮しておきますぅぅ……

 途中から【堕音深笛】くらいしか出来なくなりますからねぇぇ……」


 そうか、アイテムを介して戦闘力を発揮するプレイヤーはダンジョン攻略がキツいよな……

 ボマードちゃんも爆弾を使うから似たような感じでさらにキツいだろうな……


 とりあえず戦力になりそうな【バットシーフ】後輩と【フランベルジェナイト】を連れていくか。

 だが四人というフルメンバーまでは後一人足りないな。

 【ハリネズミ】たちを高難易度ダンジョンでの戦力として当てにするのは酷だから、別のやつを連れていきたいところだ。


 「それならやっぱりトッププレイヤーの誰かッスか?

 特に【釣竿剣士】さんとかいたら百人力ッスよ!」


 「ガハハ!!!

 【ペグ忍者】はどうだ!!!???

 トッププレイヤーではないが、それを凌ぐ実力を持っているぞ!!!」


 「ふひひっ、【短弓射手】さんはどうですかぁぁ……?

 遠距離攻撃が出来る後衛がいれば安心できますよぉぉ……」


 「俺のイチオシは【トンカチ戦士】さ。

 あの実力とカリスマ力はチームに一人いると士気が上がるよ」


 「【トランポリン守兵】さんがいいんじゃないですか?

 いや~、やっぱり必要なのは守ってくれる頼りがいのある人ですよ!

 私も交流していて何度か助けられましたよ~!」


 それぞれがそれぞれのオススメプレイヤーを俺にプレゼンし始めた。

 確かに選ぶならその辺のプレイヤーたちが手堅いかもしれないな。






 

 だが、俺が想定する攻略チームだとあと一歩足りないな。

 

 【Bottom Down-Online Now loading……】

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