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803/2202

803話 【戒焔剣レヴァ】、抜剣!

本日年末記念ということでこの話を含めて3話更新予定です!

残りの話の更新は13時と18時となっております!


では一話目をどうぞ!

 「この絶世の美を誇る私を差し置いて話をするなんて傲慢ね?

 そのような底辺種族たちは煌めくような炎で浄化してあげるわ!

 【戒焔剣レヴァ】、その美炎を御披露目なさい!」


 【クシーリア】を放置して【検証班長】と喋っていたからか、少しだけ苛ついた様子で【クシーリア】が噂の【戒焔剣レヴァ】を起動してきたようだ。


 【クシーリア】の右手にまばゆいほどの光を放つ炎が揺らぎながら現れ、棒状になったかと思うと【クシーリア】はそれを直接握りしめた。

 するとどうだろうか、【クシーリア】の背中に生えていた炎の翼も【戒焔剣レヴァ】に呼応するように光輝く炎へと変貌していった。

 その姿は神々しく、まるであの時の【菜刀天子】を幻視してしまうほどである。


 「なんだなんだ!?」


 「あれは……炎の剣?」


 「強そう……(小並感)」


 「あたしのチュートリアル武器もあんな感じのやつだったら良かったのに~」


 「それな!」



  モブプレイヤーたちが【戒焔剣レヴァ】を見て口々に感想を述べているが、そんな悠長にしている場合じゃないと思うんだがな……


 お前ら、守るか逃げるかしろ!

 【クシーリア】は腐っても元レイドボスだ、何をしてくるか分からないぞ!?


 「腐っている……ですって?

 美しき私に対してそのような侮辱は許さないわ!

 美炎よ、あの醜きプレイヤーを焼き払いなさい!

 スキル発動!【渦炎炭鳥】!」


 【クシーリア】は【戒焔剣レヴァ】を振るいながら馴染みのあるスキル【渦炎炭鳥】を発動してきた。

 この場合瞬間移動か火の玉かどっちを使ってくるんだ!?



 そう迷っていたら【クシーリア】は俺の真横に瞬間移動してきた。

 俺の真横に現れた【クシーリア】と目が合ったが、俺への殺意がありありと伝わってきた。

 瞬間移動の方だったか……

 だが、半分読めていたから防げるぞ!


 そう思い俺は包丁を取り出して炎の剣を防ごうとした……が、嫌な予感がしたのでとっさに横に転がり流れていった。

 

 すると次の瞬間、俺がさっきまで立っていた場所から後ろ五メートルほどまでが炎の柱で焼き焦がされていたのだ!

 あっぶなっ!?!?!?

 俺は火属性が弱点だからな、あんなの直撃していたらひとたまりもなかったんじゃないだろうか!

 

 「おっ、お嬢ちゃん危ないねぇ!?

 オジサンの掩護射撃はいるかい?」


 【短弓射手】は驚いているのかいないのかよく分からない声色で、俺に声をかけながら得意の乱射を使って【クシーリア】へと矢を放っていった。

 

 「虫のように鬱陶しいわね……

 美炎に酔いしれながら……消え去りなさいっ!」


 【クシーリア】は【戒焔剣レヴァ】を軽く横に振り、乱射された矢をその一振りだけで全て焼き払ってしまった。

 


 「オジチャン!

 もっとしっかりしてよね!」


 「あらら、これオジサンの矢通用しないパターンだよねぇ……

 オジサン自信なくしちゃうよ」


 【短弓射手】の掩護射撃は一瞬にして燃えカスになったが、その隙に俺は一旦退避させてもらった。

 ナイスアシストだっ!


 「この状況だと微妙な褒め言葉だねぇ……

 次は、これならどうかな?

 スキル発動!【レインボウ】!」


 次なる攻撃に出た【短弓射手】はその弓に虹色の光を宿し始め、そこから虹色に輝く矢を【クシーリア】に向けて放った。

 一本の虹色の矢が七本に分裂し、それぞれが別々の光と属性を帯びたまま飛翔していった。

 これは七つの属性を同時に攻撃として放てる【短弓射手】の常套手段だな!



 「おっと、ボクが忘れられていませんか?

 【クシーリア】に興味が湧くのは非常に同感できますが、ボクだって相当準備を重ねてここに立っていますからね。

 無視すると痛い目を見ますよ?

 顕現してください!【邪神像】!」


 【検証班長】の宣言と同時に赤色の砂が凝固し、大量の砂が波のようにうねりながら一つの生物の形を作っていく。

 埋もれるような砂が集まり出来上がったのは、まるで城塞のような規格外のサイズのムカデの形をしたもの……【槌鍛冶士】が知識と技量を存分に発揮して生み出した草原エリアの象徴とも言える【邪神像】だった。


 出現したムカデ型の【邪神像】は深淵種族であるレイドボスの【蕭条たる百足壁】の脱け殻を集めて再構築したものだ。

 その特徴を一言で言うのならサイズ感を間違えてるんじゃないかと思うほどデカイ!



 そんなムカデの巨体によって七色の矢は【クシーリア】へと到達すること無く止められてしまったのだ。

 流石は【防衛】の力を持つ深淵種族……の模造品だな。


 「【検証班長】、余計なことはしなくていいわ。

 あの程度の攻撃、この絶世の美を誇る私であれば容易に止められたわよ」


 助けられたはずの【クシーリア】は少しだけ苛つきながら【検証班長】に横槍を入れるなと釘をさしたようだ。

 どうやら自分の動きを妨害されることが嫌なようだな。

 美を意識する【クシーリア】は自分の動きそのものにも美しさを表しているから、そこに水をさしてしまうと美しくないということであろう。


 「いえ、この戦いは負けられませんのでボクも戦わせてください。

 特に【包丁戦士】さんには多大な借りがあるので、ここで返しておきたいのですよ」


 「……わかったわ。

 普段は謙虚な【検証班長】が言うのであれば、この美しき私と共闘することを認めるわ!

 さあ、華麗なダンスを踊るわよ!」


 なんかすぐに和解したようだな?

 【検証班長】、何があったのかは知らないが【クシーリア】にかなり好感度を稼いでいたようだ。

 ……お前、そこまで俺を倒したかったのかよ!?




 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[一言] 頭を抱えるって意味では一番苦労させられてますからね 倒したいっていうよりは一泡吹かせたい感じかな?
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