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799話 新手と隠手

 「オレもいくぞwww

 スキル発動!【竜鱗図冊】!」



 abilityとチェインさせたものとは別にさらにスキル【竜鱗図冊】を重ねて風船で出来た白銀の竜に騎乗する【風船飛行士】。


 そこまで大型ではないが、人一人乗るくらいなら充分な大きさになった風船竜の口の中に【風船飛行士】は仕上げと言わんばかりに手に持っていた銀色の杯を投げ入れた。

 すると、口の中から銀色のブレスのようなものを噴き出しはじめた。



 これが【風船飛行士】の奥の手のうちの一つ……風船偽竜だ!

 しかし、【風船飛行士】はさらに不敵な笑みを浮かべて俺に語りかけてきた。

 なにやら余裕のある感じだが……?

 

 「これまでのオレだったらここまでだったが、今のオレはさらにその先にいくぜwww

 このスキルは【ペグ忍者】だけのものじゃないんだぞwww

 スキル発動!【聖獣毛皮Ω(オメガンド)】ォォォォ!」


 【風船飛行士】が大声を上げながら嫌な響きのするスキルを発動させてきた。

 スキルによって【風船飛行士】の身体が蒼炎に包まれていき、その蒼炎の形が残ったまま竜の鱗へと変化していく。

 その変化は翼や尻尾にも反映されていき、【風船飛行士】の身体は人型を保ってはいるものの小型化した竜と言っても過言ではない姿となった。

 獰猛な見た目のドラゴニュートと化した【風船飛行士】は、ダンジョンで見かけたらモンスターだと勘違いして攻撃してしまうほど人間離れしていた。





 風船偽竜と【聖獣毛皮Ω(オメガンド)】による変身の2つで、俺の目の前に竜が二匹存在する状態となってしまった。

 流石にこの展開は予想してなかったぞ……

 よりにもよって俺の天敵となり得る聖獣の力を手にしていたとはな。


 「この局面でお前と戦うことは予想していたからなwww

 冒険者ランクを上げて【オメガンド】からこの力をもらっておいたンゴwww

 お前が【ペグ忍者】に敗けが続いているのは聖獣の力に相性が悪いからだと思ったから、予めその力を手に入れておくのは常識だwww

 【オメガンド】のユニーククエストは大変だったが、それに見合う力が手に入ってwktkが止まらないwww」


 そんなことを言いながら【風船飛行士】は俺から距離を取るためにさらに上空へと飛び立っていった。

 逃げる気か!?

 逃がさないぞ!!!


 俺はそれに追随してルル様の骨翼を羽ばたかせて【風船飛行士】の後を追っていく。

 スピードはやや【風船飛行士】の方が速いため少しずつ離されていってしまっている。

 このままでは追いつけないぞ……

 こうなったらっ!

 スキル発動!【魚尾砲撃】!



 俺はルル様の骨翼を経由してエネルギーを凝縮し、極太レーザーとして【魚尾砲撃】を放った。

 極太レーザーが迫る気配を感じ取ったのか、【風船飛行士】は身体をこちらに向けて止まると口を開き新たなスキルの発動を宣言した。


 「お前ならこう来ると思っていたぞwww

 聖獣の力を身につけたオレは竜人として新たな力を使えるようになったンゴwww

 スキル発動!【刃状風竜】!」


 【風船飛行士】は包丁次元全員が使えるスキル【波状風流】と同音の派生スキルである【刃状風竜】を発動してきた。

 そうすると【風船飛行士】の背後から風の刃が飛んできて俺の【魚尾砲撃】を相殺し始めたのだ!



 ちっ、ここで【刃状風竜】かよっ!?

 レイドバトルでは【オメガンド】が、次元戦争では【フランベルジェナイト】がそれぞれ使っていたが、【風船飛行士】も自然と使えるようになったってわけだな!?

 決定力に乏しかった【風船飛行士】にこの攻撃力が加わったのは非常に不味いぞ……

 

 俺が頭を悩ましている間にも風の刃は次々に生み出されてきており、風船偽竜のブレスと共に俺に襲いかかる。

 ……っ、今のは危なかったな!?


 寸前のところで旋回し両方とも辛うじて回避することはできたが、攻撃は止む気配を見せない。

 このままではじり貧で俺にダメージが積み重なっていくのは目に見えている。

 ここは【夢幻深淵】を使うか……?

 いや、しかしこの先に【クシーリア】がいることを考えるとここでその手札を使いきるのは無謀すぎるか。


 せめて、風船偽竜を受け持てるやつが俺以外にいれば……

 ……いや、いるじゃないか飛べる俺のモンスターが!


 スキル発動!【想起現像】!

 俺は赤色の砂を空中で生み出していく。


 「ここで【想起現像】www

 【テイマー】でもないのにここでそれを使うのは草生えるんだがwww

 砂が地面に落ちるだけンゴねぇwww」



 ……普通はそう思うよな?

 だが、俺は【天子】の特権を持っている。

 さあ、現れよ俺のしもべ……【カイ=フジン】!


 赤色の砂が集まり形作られたのは黄金色の鯱……【カイ=フジン】だった!

 空を飛べる【カイ=フジン】なら風船偽竜と戦えるはずだ!

 やれっ、【カイ=フジン】っ!



 「ここで新手かよwww

 せっかく優位に立ったと思ったのにやってられないンゴwww

 【包丁戦士】にテイムモンスターが居たなんて初耳だったぞwww」


 ……そういえばこいつの前で使ったことはなかったか?

 まあ、【キリゲー】や【カイ=フジン】を引っ張り出す機会っていうのはそんなに無いからな。

 普段は愛玩用ペットみたいな扱いしてるし……



 だが、今回は俺の役に立ってもらうからな!

 【カイ=フジン】、死なない程度にがんばれっ!


 【χ~χχ/χχχ@χχ:χχχ:χχっ!!!】





 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[一言] 初戦闘がここで大丈夫ぅ?
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