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797話 竜と猫

昨日は2話更新しております!




前の話を読まれていない方は前の話から読んでいただくようにお願いします。



 対戦カードとしては

 【包丁戦士】VS【風船飛行士】&【虫眼鏡踊子】。  

 【短弓射手】&リデちゃんVS【トランポリン守兵】お嬢様&【バグパイプ軍楽隊員】。

 【黒杖魔術師】&【軍刀歩兵】&【骨笛ネクロマンサー】VS【釣竿剣士】。

 【フランベルジェナイト】VS【トンカチ戦士】だ。

 

 完全に横槍が入らないという確証はないが、それぞれ余所見を出来るほどの余裕も無いだろう。

 俺が一人で【風船飛行士】たちのペアと戦い、代わりに他より多く【釣竿剣士】一人の相手に三人も回しているのはそれでようやく戦力の均衡が保てるからだ。

 【釣竿剣士】の相手なんて多ければ多いに越したことはないからな!

 前衛の【軍刀歩兵】、後衛の【黒杖魔術師】と【骨笛ネクロマンサー】という搦め手を使えるプレイヤーを集めたので上手く戦ってくれることに期待だ!


 あとは……俺だけ一人で二人の相手もしないといけないが、それくらいの無理は押し通してやるぞ!

 さあ来い!!!!




 「まずは下準備からだwww

 ability【銀盃羽化】発動www

 さらに……スキル【竜鱗図冊】っ!」


 俺と対峙する【風船飛行士】はそう叫ぶと、腕に巻いていたシルバーを外し、口に運んだかと思うと、それをごくりと飲み込んだ。


 そして、肩から提げていたポシェットの中から巻物のようなものを取り出すと、それを勢いよく広げた。

 その巻物が鱗のように分解されたかと思うと、次の瞬間には【風船飛行士】の手元には銀色の杯が握られていた。


 これが【風船飛行士】の基本戦術だ。

 対人戦でも、レイドバトルでも初手でこれをやるからな。

 もはや慣れてきた。

 【風船飛行士】は片手で風船を握り、上空に浮かびつつももう片方の手で握った銀色の杯から放たれるオート照準の羽矢で俺を狙い撃とうとしてきた。

 

 だが、それを素直に食らってやるほど俺は安い女じゃない!


 スキル発動!【深淵顕現権限P(エルル)】!

 

 俺は生け贄要員として連れてきていた【ハリネズミ】メンバーたち二人を光の粒子へと変換し、代わりに俺の身体を覆うように深淵の黒い霧が発生していく。

 

 そして背中を突き破るようにして現れたのは骨を繋ぎ合わせたような翼だった。

 その翼には羽が生えていないものの、羽ばたくことで飛ぶことが可能なのである。

 これが俺の飛行手段で一番扱いやすいものだ!

 空を主戦場にする【風船飛行士】相手なら最も慣れたもので挑むのがいいと思いこのスキルを選択したわけだ。


 「いつの間にかオレを高く買ってくれるようになっててワロタwww

 ついにデレ期ktkrwww」


 キタコレ……じゃないんだよなぁ……

 別に【風船飛行士】の実力を軽視していたわけじゃなくて、【風船飛行士】の態度が鬱陶しいから邪険にしていただけだからな。

 

 俺はそう言い放って【風船飛行士】に【ペグ忍者】から盗んでおいたペグを投擲する。

 その軌道は【風船飛行士】の胸元を串刺しにするように一直線で飛んでいったが……


 「オレのability【銀盃羽化】の能力を忘れたのか?www

 そのまま回れ右だwww」


 【風船飛行士】が発動しているability【銀盃羽化】の能力によって俺が投げたペグに銀色の羽が生えて、そのまま俺の方に反転して飛んできてしまっている。

 そう、【風船飛行士】は飛び道具に関しての操作を奪うことが出来る強力なabilityを持っているのだ!


 だが、そんなことは俺も承知の上だ!

 俺の狙いはこれだぞっ!


 俺はこっちに向かってきているペグを足場にして一気に加速し、【風船飛行士】へと急接近していった。

 要は足の踏み場が欲しかったってわけだな。


 「ちょっwww

 なwんwとwいwうw曲w芸w

 いくら翼が生えているからって空中でペグを足場に出来るやつなんて普通はいないぞwww

 頭おかしすぎワロタwww

 んんっ、こんな芸当はアリエナイwww」


 なーに、俺が出来てるんだからそう難しい話でもないだろう。

 見た目ほど難しいものじゃない。


 それよりも驚いてばかりでいいのか?

 くらえっ、横凪払い!


 俺は包丁を横方向に一気に振り抜いて【風船飛行士】を切り裂こうとしたが……



 「私もいるってこと忘れないで欲しいわね!

 【包丁戦士】ちゃんいくわよ!

 スキル発動!【渡月伝心】!」

 

 俺の包丁の軌道上に壁になるようにして粒子たちが地上から伸びてきていた!

 このスキルの使い手は【猫獣人】に種族転生し【伝播】の力を高い自由度で操作できる【虫眼鏡踊子】だった。

 

 この光の粒子たちは触れると身体が引き裂かれるほどの斬撃を放ってくる凶悪なものなので、俺は包丁による横凪払いを無理やり方向転換させて回避行動を取らされることとなった。

 

 「おっおっおっwww

 サンキュー【虫眼鏡踊子】www

 やっぱりお前と連携組めるとやりやすいンゴwww」


 「今は別のクランだからそんなに組む機会もないし、仕方ないけどたまにはこういうのも面白いわね。

 そういうわけで【包丁戦士】ちゃんには悪いけど、私も張り切らせてもらうわよ!」


 ラブラブなのは結構だが、二人相手でも俺は負ける気がしない!

 いいぞ、どこからでもかかってこい!





 【Bottom Down-Online Now loading……】

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