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789/2202

789話 侵攻作戦開始!

本日二話目の更新となります。


前の話を読んでいない方は前の話から読んでいただくようにお願いします。



 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 今日は堅牢剣山ソイングレスト侵攻作戦を進めていくぞ!








 というわけでやってきました堅牢剣山ソイングレスト……の麓にある【第一クシーリア砦】。

 山頂に向かう途中にいくつも似たような砦が作られているようだが、よほどの悪路を進む覚悟が無いならば素直に砦全てを破壊しながら突破していかないといけない仕様になっているようだ。

 俺一人だけなら山頂までひとっ飛びできるだろうが、とりあえずは【クシーリア】の思惑通り素直に攻めてやろう。




 「【包丁戦士】が攻めてきたぞ!!

 総員、迎撃用意!!」


 「あの悪辣なプレイヤーキラーをここで押し止めろ!!」


 「狂人死すべし!狂人死すべし!」


 「日頃の恨み……ここで晴らさせてもらうわ!」


 おー怖い怖い。

 【第一クシーリア砦】には俺への敵意を微塵も隠そうとしないプレイヤーたちが集まっていた。

 掲示板で俺が【大罪魔】側について戦うと宣言した弊害がさっそく出てきたようだ。

 俺はプレイヤーキラーだからな、俺を合理的に集中攻撃できる機会があればここぞとばかりに攻撃してくるだろうよ。


 俺は前方から攻めてきたバードコール使いのモブプレイヤーの喉元を包丁でかっ切り、光の粒子となって消える前にその後ろにいたやつに身体をぶつけてやった。


 「なっ、てめぇ!?」


 ぶつかった衝撃で地面に倒れ込んだ歯ブラシ使いのモブプレイヤーへと追撃するべく胸元に包丁を深く突き刺していく。

 

 「ごほぉっ!?」


 こうなってしまえば歯ブラシ使いのモブプレイヤーは再起不能だ。

 俺は包丁を抜き取り、背後から迫ってきていた脇差し使いのモブプレイヤーの攻撃を包丁の腹を使い受け流していく。


 「こいつ……後ろに目でもついてるのかよ!?

 どう考えても今の奇襲は成功するやつだったじゃん!」


 お生憎様、俺はプレイヤーキラーだからな!

 人の気配には敏感なのさ、それもビンビンに伝わってくるほどの殺気を撒き散らしているようでは俺に奇襲なんて一生成功しない……ぞっと!


 俺は奇襲に失敗して体勢を崩していた脇差使いのモブプレイヤーに包丁のギミックである鞭を使って身体を巻き取り、動きを固定化させた。

 そして股下から首上まで一気に包丁を切り上げる斬撃……逆風によってモブプレイヤーを光の粒子へと変えていった。



 「おいおいおいおい!

 一瞬で何人も消えていったぞ!?」


 「なんて手際だ……」


 「プレイヤーキラーの分際でなんてことしてくれたんだ!」


 「恐ろしく速い斬撃……私でなくては見逃していたかもしれないね」


 「これが狂人の犯行現場ってわけか、忌々しい!」


 

 だが、流石にワールドアナウンスが流れるレベルのユニーククエストなだけあって参加者が多い。

 【第一クシーリア砦】にはまだまだプレイヤーが俺を阻む壁として立ち塞がっているのだ。

 それ故に……


 「スキル発動!【魚尾砲撃】!」


 「その手があったか!

 スキル発動!【魚尾砲撃】!」


 「私も便乗よ!

 スキル発動!【魚尾砲撃】!」


 「ジョブが【メイジ】のワイ、別手段で攻撃する模様w

 スキル発動!【渦炎炭鳥】!」

 



 通常攻撃では俺に届かないと察し始めたモブプレイヤーたちは次々にスキルを発動させ始めた。

 ……まあ、次元全員に配られているスキルで攻撃手段になり得るのは自爆スキルの【魚尾砲撃】とジョブを【メイジ】にした状態での【渦炎炭鳥】くらいだけどな!


 例に漏れず大半のプレイヤーが【魚尾砲撃】を発動して、エネルギーを溜め込んでいる間に俺の方へと向かって走ってきている。

 まるで爆弾が走ってきているかのような様子に、俺は一瞬ビビったが……

 


 「流石のお嬢ちゃんもこれだけの数には対処が追いつかないよねぇ?

 後ろの方で【渦炎炭鳥】を撃ってきている【メイジ】たちはオジサンに任せていいよ」


 「オジチャンが後ろの方を攻めるなら私は前からいくわよ!

 スキル発動!【想起現像】……来てっ、フレイムギア!」



 手数に押されそうになったときに現れたのは不機嫌そうな表情を顔に浮かべつつも飄々と振る舞うオジサンの【短弓射手】と、機戒兵大好き娘こと【リフレクトミラーディフェンダー】……リデちゃんだ。


 「うーん、この辺かねぇ?

 スキル発動【レインボウ】!」



 「七本の矢を一気に放った!?」


 「流石は【短弓射手】さん、敵ながら憧れるぞ」


 「【短弓射手】さん最強!【短弓射手】さん最強!」


 「【短弓射手】さんに敗れるなら悔いはない……」


 【短弓射手】は得意の乱射で【渦炎炭鳥】の火の玉の進路を妨害したり、【メイジ】集団を仕留めたりしている。

 包丁次元でこんな器用な戦い方ができるやつは一握りしかいないだろう。

 流石は古参遠距離攻撃プレイヤーだ。



 モブプレイヤーたちは俺にやられた時と違って、【短弓射手】のことを素直に称賛していたが俺との差が激しすぎないか!?

 もうちょっと俺のことを褒めてくれてもいいんだぞ?




 「くぅ~、やっぱりフレイムギアの銃撃は最高だよ!

 この全身に伝わってくる震動も痺れるわ~」


 そしてリデちゃんはフレイムギアの上に乗り、【魚尾砲撃】で爆発しそうなプレイヤーたちに攻撃を仕掛けていた。

 この攻撃で爆発を誘発されてしまい【魚尾砲撃】が解放されたプレイヤーもいたが……


 「うわっ、危ないわね……

 スキル発動!【近所合壁】!」


 リデちゃんの持つチュートリアル武器は盾系統のものだ。

 だからタンク系プレイヤーに与えられる特別なスキル【近所合壁】で爆破地点とリデちゃんとの間にリフレクトミラーを生成して爆破に巻き込まれるのを防いだようだ。


 





 【Bottom Down-Online Now loading……】

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