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786/2201

786話 【大罪魔】の侵攻作戦

本日二話更新予定です!

二話目は18時に更新します!

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】





 はい、今日も元気にログイン!

 今日はユニーククエスト発生のために【大罪魔】のところに行くぞ!

 流石にそろそろ用意出来てるはずだ……








 というわけでやって来ました草原エリアにある【大罪魔】の小屋。

 元【槌鍛冶士】の鍛冶場だったここで密かに生活している【大罪魔】はひんやりとした鍛冶場の床にペタンと座っていた。

 銀髪褐色ロリとこの背景は対称的で映えるな。


 「【暴食】、どうしてここに来たの?」


 分かりきったことをわざわざ聞いてきたな……

 俺がこの状況でお前を訪ねてくるということは理由は一つしかないだろう。

 そう、ユニーククエストだ!

 お前の堅牢剣山ソイングレスト侵攻作戦を実行する時だと思って進言しに来たというわけだ。


 今回は普段俺に敵対してくるようなプレイヤーも一部引き込めたからな。

 そいつらの目的のブツが堅牢剣山ソイングレストにある可能性が高いってことであとは攻め込むのを待つ状態になっているわけだ。

 

 「好機だったり、そうじゃなかったりする……?

 本当はもうちょっと準備に時間をかけたかったけど仕方ないの……

 一応動いたり動かなかったりするようにはなったの」


 ……???

 何のことだろうか。

 【大罪魔】が期間を空けていたのは【失伝秘具】【クロックギア】のチャージ日数を稼いでいたからじゃなかったのか?

 

 「それも理由だったり理由じゃなかったりする……

 今回は別の仕込みもある。

 この鍛冶場のエネルギー集約機能を使わせてもらったの!」


 【槌鍛冶士】の鍛冶場にはその機能がついているのは昨日も聞いたな。

 アイテム生産のクオリティを上げることができるらしい機能だが、まさか【大罪魔】もそれを利用するとはな。

 てっきり自分の身体から抜け落ちていくエネルギーの補填にしか使ってないと思っていたが……


 「それは私を見くびり過ぎだったり、侮り過ぎだったりする……

 不完全な存在だけどこれでも【上位権限】レイドボスなの!」


 そう言われてみればそうだよな。

 このゲーム内において俺たちプレイヤーよりも【大罪魔】のような【上位権限】レイドボスの方がスペックが高い。

 やろうと思えば多くのことが出来るのは間違いない……か。


 

 「でもその分制約が多かったりする……

 プレイヤー参入前には自由に出来ていたことが今は出来なくなっていることが多いの」


 それは身体を復元した時に欠落しているからとかじゃなくてか?

 【大罪魔】は身体を失ってから力の大半も同時に失っていたからな。

 出来なくなった理由が身体によるものなのか、あるいは【大罪魔】の言うようにプレイヤー参入が原因なのか判断できないはずだが……?


 「そんなことなかったりする……

 どんな理由で行動に制限がかけられているのかは感覚でわかるの!

 これは多分他の【上位権限】レイドボスたちも同じだと思う。

 あの次元天子と話していてその場面に遭遇したことはないの?」


 問い詰めるように俺に迫ってきた【大罪魔】。

 ……そう言われてみると、【菜刀天子】は俺に情報を伝えようとしたときに喋れなくなっていた時があったな。

 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】だったか?

 【菜刀天子】の意識とは無関係に情報の伝達が制限されていたから、他にもそういった細かい行動に制限がかけられていたに違いない。

 あと、エリア移動もイベント開催時以外は出来ないようになっていた。


 これに関しては他のレイドボスたちとも共通しているが、昔はレイドボスたちもエリア移動は自由に出来たらしいし、これはプレイヤー参入による行動の制限の追加だろう。



 「そうだったりする……

 でも私や【鉄血森林の森人君主】は配下の眷属を持たなかったからエリア移動の制限は緩かったりする……」


 逆に言ってしまうのなら【菜刀天子】、【深淵域の管理者】……ルル様、【荒野の自由】、【絶深海の総座長】……カニタマ。

 こいつらはそれぞれ眷属がいるからエリア移動制限を受ける対象ということだ!

 

 「私も移動は出来ても戦闘はユニーククエストを介さないと出来なかったりする……

 そこは【鉄血森林の森人君主】とは違うの」


 【槌鍛冶士】はプレイヤー規格のパワーなら何処でも戦闘が出来るからな。

 それを破ると権限が剥奪されてしまうらしいけど。


 「そうならないためにも……

 これなの!」




 【ワールドアナウンス】


 【包丁次元のプレイヤーは【ユニーククエスト 悪魔の侵攻作戦で【堅牢剣山ソイングレスト】を占領せよ】を受けることが可能になりました】


 【包丁次元のプレイヤーは【ユニーククエスト 炎帝鳥の防衛作戦で【堅牢剣山ソイングレスト】を死守せよ】を受けることが可能になりました】



 【運営からの忠告】



 【このクエストは失敗しても失うものはありませんが、成功することによって特別な報酬が与えられることがあります。】


 【ユニーククエストは達成する前に状況の変化によって、クエストそのものが消失している場合もあります。

 他の次元では発生しないことも考えられますので、この機会に世界を変えていきましょう!】





 よしっ、どうやら【クシーリア】を引き摺り出すことが出来たようだな!

 ユニーククエスト自体はレイドボスであれば、手持ちのリソースを使えば誰でも出せるようだから連鎖的に防衛作戦を打ち出してくるとは思っていた。

 これで表舞台に上がってきてくれたのは計算通りってわけだ!

 面白くなってきたな!








 【個人アナウンス】


 【【ユニーククエスト 悪魔の侵攻作戦で【堅牢剣山ソイングレスト】を占領せよ】を受注しました】

 

 【Bottom Down-Online Now loading……】

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