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785話 【戒焔剣レヴァ】の持ち主

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 今日は【短弓射手】やリデちゃんと新緑都市アネイブルで【戒焔剣レヴァ】について調べる予定だ!

 






 というわけでやって来ました新緑都市アネイブルの拡張エリア!

 ここにある【槌鍛冶士】の鍛冶場に三人で立ちよったのだ!

 ……ちなみに、今回ロープ使いのモブプレイヤーは仕事により欠席とのこと。

 仕事なら仕方ない。


 「ガハハ!!!

 【包丁戦士】にしては珍しいプレイヤーを連れてきたな!!!

 というよりお前が他のプレイヤーをワシの鍛冶場に招くこと自体珍しいがな!!!」


 そういわれてみるとそうだな。

 ボマードちゃんや【検証班長】、【バットシーフ】後輩や【大罪魔】など……数えられるほどしかいないな。

 記憶から消えてるやつらもいるだろうけど。


 「ここがウワサの【槌鍛冶士】の鍛冶場か……

 思っていたよりも簡素ではあるねぇ。

 もっとオーバーテクノロジーチックな設備があると思っていたけど、【槌鍛冶士】の作品は本人の腕前に依るものだったのか」


 「オジチャン、暑いよここ!

 しかも息苦しいし……」


 【槌鍛冶士】の鍛冶場に対して好き勝手な感想を述べる二人だが、どっちの意見も分からなくもない。

 【槌鍛冶士】の作るもののクオリティに対してこの鍛冶場の設備はショボいし、ほぼ密閉された空間で熱が籠っているからな。

 俺はとっくの前に慣れていたが、慣れないやつだと違和感があるだろう。


 

 「ガハハ!!!

 そういうな、ここはここで良いところだぞ!!!

 前の鍛冶場とほとんど同じようなものだが、エリアからのリソースの回収率が良いから出来上がるアイテムの完成度も押し上げられるのだ!!!

 ……それはそれとして、この珍しいメンバーでワシに何のようだ!!??」


 ああそうそう、まだ伝えてなかったな。

 勝手に鍛冶場に押し入って用件も言わずに居座るのも座りが悪い。

 さっさと伝えてしまおうか。


 そう思っていたが、俺よりも先に【短弓射手】が申し訳なさそうな顔をしながら【槌鍛冶士】にここに来た理由を説明し始めた。


 「オジサンたちは【失伝秘具】の【戒焔剣レヴァ】を探しているんだよねぇ……

 テイムした機戒兵に装備させる予定なんだけど、炎属性の装備ということしか【荒野の自由】は教えてくれなかったのさ」


 【短弓射手】はその表情のまま肩を竦めて途方に暮れている様子を見せた。

 【槌鍛冶士】に自分達ではどうしようもないってことを分かりやすくアピールするためだろう。

 流石おっさん、交渉ごとは慣れっこだな。


 

 「ガハハ!!!

 【荒野の自由】は相変わらず気が回らないやつだな!!!

 昔から配慮が足りてない節があったが、まだ治っていないとは!!!」


 その点、【槌鍛冶士】は一を言えば十を理解して勝手に動いてくれるから助かるな。

 俺の後方支援をするのが【槌鍛冶士】じゃなくて【荒野の自由】だったらと想像するだけでゾッとしてしまう。


 「【包丁戦士】なら後方支援される前に隔離されるだろうがな!!!」


 ……それは既に経験しているぞ。

 【機戒監獄】とかいう牢獄に【バットシーフ】後輩と一緒に捕まっていたからな。

 流石【槌鍛冶士】、俺のことがよく分かっているじゃないか。


 「あらら、お嬢ちゃんそんなことされてたのか。

 相変わらず悪のプレイヤームーヴをしていたのにはオジサンも苦笑いだよ」


 「あはは、【包丁戦士】だっさいわね!」


 うるさい、そのお陰で面白いものも手に入ったから結果オーライだ。

 



 「それで【戒焔剣レヴァ】だが、それはワシが作った【失伝秘具】ではないな!!!

 それに他の【失伝秘具】とはひと味違うものでもあるぞ!!!

 だが、かつて見たことはある!!!


 たしか……かつての深淵聖獣対戦で【菜刀天子】と【荒野の自由】が同盟を組んだときに友好の印として、【荒野の自由】が譲渡していたと聞いている!!!

 そして、炎の属性を持つだけあってかつて使っていた者も炎の力を使っていたぞ!!!」


 つまり、元々は【荒野の自由】の所持品だったが、【菜刀天子】陣営……つまり聖獣の誰かが使うようになったということだな。

 そして、炎属性の聖獣となればかなり限られてくる。

 そいつの名前は……



 「ガハハ!!!

 【クシーリア=ドーヂィ】だな!!!

 あの自意識過剰な鳥が使っていたぞ!!!

 あれは炎をそのまま剣にしたようなものだったな!!!」


 それはフランベルジェとは違うのか?

 あれも炎の形をした剣だが……


 「そういう話ではないぞ!!!

 あれは形だけではなく、炎そのものが剣というカテゴリーの押し込められたようなものだ!!!

 使い手が炎に熟知し、適応している者で無ければその身を滅ぼすだろうな!!!」


 それはおそらくあの【ガルザヴォーク】ゾンビが使ってきたパイルバンカー擬きのようなものだろうな。

 あれは自前の黒炎だろうが、似たようなものと考えておこう。


 「そんな代物リデちゃんには荷が重いんじゃないかねぇ……?

 下手するとフレイムギアが燃えそうだけど」


 「フレイムギアはそんなに柔じゃないわよ!

 絶対に使いこなして見せるんだから!」


 そんなに意気込むなら見せてもらおうじゃないか。

 ……いや、待てよ?

 【クシーリア】が持っていたといっても、今【クシーリア】が何処にいるか知ってるやついるのか?

 【菜刀天子】との最終決戦の時に人間形態でしれっと出てきたが、あの時のプレイヤーたちの反応からして所在を知ってたやつは居なかったように思える。

 

 「オジサンは知らないねぇ」


 「私も知らないわよ。

 そもそも【クシーリア】なんて私会ったことないし」


 「ガハハ!!!

 ワシも知らん!!!」


 だよな……

 こうなったら一番居そうな堅牢剣山ソイングレストに攻め込むしかないだろう。

 【大罪魔】にそろそろユニーククエストを出してもらうか……





 ミーの剣が動乱を生む。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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