784話 レヴァ情報共有
昨日は2話更新しております!
前の話を読まれていない方は前の話から読んでいただくようにお願いします。
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ】ー【次元天子】【上位権限】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日はリデちゃんと【短弓射手】から【戒焔剣レヴァ】について聞き出す予定だ!
というわけでやって来ました草原エリア。
ここで座りながら二人から話を聞くつもりだ。
ちなみに、ロープ使いのモブプレイヤーはボマードちゃんのライブを見に行っているため欠席だ。
「そもそものきっかけはリデちゃんが【荒野の自由】にテイムしていた機戒兵を見せたところから始まるんだよねぇ」
「私の自慢のフレイムギアを見せたくなるのは当然だよね!
結構二人で鍛えたんだから!」
みんなは覚えているか分からないから説明すると、リデちゃんはジョブが【パイロット】になっており機戒兵をテイム出来るのだ。
そしてテイムした……赤い機体に黄色のラインの入った機戒兵にフレイムギアという名前をつけて暴れまわっているわけね。
そんな風に暴れてフレイムギアに戦闘経験を積ませていたようだ。
熱心なことだ、俺のテイムがテイムしているキリゲーやカイ=フジンはほとんど戦闘をさせていないから少し見習うべきだろうか……
でも、もう一体(?)俺がテイムしている【フェイ】は【フランベルジェナイト】と勝手に戦闘経験を積んでいるので放置で良いだろう、というか【フランベルジェナイト】と会うまでの俺の戦闘経験をそのままコピーしてるんだから必要すらないかもしれない。
「それでフレイムギアをスキル【ジャッジメントアイ】で色々調べてたらしいんだけどねぇ……
どうやら炎属性の【失伝秘具】を装備できる特殊な機構があるって【荒野の自由】がリデちゃんに教えてくれたらしい」
「その時にユニーククエストの【機戒樹を呑む戒焔剣を装備せよ】の発令と【戒焔剣レヴァ】のことを教えてくれたってわけ!
やっぱり私のフレイムギアは特別な存在だったのよ!
ずっと信じてたわ!」
このリデちゃんの溺愛っぷりは何だろうか。
リアルではロボットオタクと言われても普通に信じられるほどの熱量を、フレイムギアに注いでいるからな。
どうしてそんなにも入れ込めるのか不思議だ。
「そういうわけで、【戒焔剣レヴァ】を探してフレイムギアに装備させるまでがオジサンとリデちゃんの今回の目標だ。
大層な名前だけどどんな性能なのかまでは【荒野の自由】は教えてくれなかったからねぇ……
手に入れてみてガッカリする可能性もあるかな」
「それはないよ!
だって私のフレイムギアの特殊強化パーツなんだから!
絶対に最強間違いなしだよ!
オジチャンは分かってないわ~」
「あはは……そうかい?
リデちゃんは手厳しいねぇ」
【短弓射手】はそんなリデちゃんに対しての態度が甘々だ。
なんで可憐な乙女である俺に対しては敵対してくるのにそのリデちゃんには甘いのか……それはこいつらの絡み方を見ていたら何となく分かるが、今は触れるような内容ではないか。
それで何処から探すんだ?
全く見当がついていないなら一つ一つ場所の候補を潰していくしかないんだろうが、お前らがこれまで何処を探してきていて何処を探してないのか俺把握していないからな!
そこの共有くらいしておいて欲しいものだ。
「このユニーククエストも受けたばっかりだからそんなに調べられていないのよね……」
「そうだねぇ。
オジサンたちが調べたのは自由に行き来しやすい草原エリアと荒野エリアがメインだ。
草原エリアと荒野エリア以外は触りくらいしか調べられてないねぇ……
手がかりも全くなしさ」
お、おう……
これは骨が折れそうな案件だな……
想像していた以上にこの先の方針の目処が立たない。
俺が自由に出入りしにくい(【荒野の自由】が俺を殺しに来るという意味で)荒野エリアが既にある程度調べ終わっているのは嬉しいが、あとはしらみ潰しに行くしかないようだ。
……それなら次は地蒜生渓谷メドニキャニオンか新緑都市アネイブルのどちらかにしないか?
この辺りなら俺たちが今調べやすそうだからな。
「いいわよ~!」
「ここで無限湖沼ルルラシアを外すのは黒い霧関係だろうけど、堅牢剣山ソイングレストを入れない理由が分からないねぇ?
……もしやお嬢ちゃんが想定している次の陣営別ユニーククエストの舞台は……?」
【短弓射手】は鋭いな。
堅牢剣山ソイングレストは今現在【大罪魔】関係の仕込みを【黒杖魔術師】にしてもらっている最中だからな。
変に部外者を近寄らせるのは迂闊な行動だと思ってあえて選択肢から外しておいたのだ。
いくら次の戦いで味方になってくれるといっても口約束だし、今後敵に回る回数の方が多いであろう【短弓射手】やリデちゃんに手の内をわざわざ晒すのも推奨はされないだろう。
協力関係と言っても、クランメンバーたちとは違って恒常的な仲間ではないのだから仕方ないが。
「それならとりあえず新緑都市アネイブルを調べよう!
ここなら調べやすそうだわ!」
「そうだねぇ……
ゆっくり着実に行くか」
ガハハ!!!
まずはワシのところに来い!!!
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