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773話 点火する黒炎

 そんなに戦いがご所望ならやってやるさ!

 おい、モブプレイヤーたちの命借りるぞ!

 

 スキル発動!【深淵顕現権限ББ(クラスト・アルベー)】!



 俺がスキルを起動すると、俺の周りに黒い霧が発生しいつものように俺の眼球を【アルベー】の邪眼へと削ぎ変えていく。

 これで万が一【牛乳パフェ】ゾンビからデバフが飛んできても防げる……はず?

 ただ、結界も貫通してきているので油断は禁物だが保険としてあって損はないだろう。


 そして両目を邪眼にした俺は【ギアフリィ】ゾンビに攻撃の隙を与えないために、すぐさま次のスキルを発動していく。

 

 スキル発動!【阻鴉邪眼】!


 スキルを発動させると、俺の周りの黒い霧が形を変えて黒い眼球の形状を取り始めた。

 俺もこれの実態はよく分かっていないが、深淵機構で再戦した時の【アルベー】が使っていた鏡の再現のようなものだろう。



 そして、俺を中心に回り始めた漆黒の眼球は【ギアフリィ】ゾンビの裏を回る度にデバフをかけていく。

 


 【粋な真似をしてくれる!】


 【これで我と渡り合うという寸法か】


 【よかろう、受けて立とうではないか!】


 

 そうしてぶつかり合う【ギアフリィ】ゾンビの黒炎の塊と俺の包丁。

 その熱量に俺は身が焼かれそうな錯覚を感じたが、炎耐性強化の設備の効果もあってこの程度ならダメージ的には問題ないようだ。

 

 だが、熱云々の前に鍔迫り合いで力負けしそうになっているのが一番の問題だ。

 こいつ……パワー強っ!?


 【我の力が一部とはいえ宿っている故にな!】


 【そこらのプレイヤーではこの状態の我には勝てぬだろう】


 【折角だ、これをどう防ぐか見せてもらおうか!】


 【スキル発動!【イグニッション】!】



 

 【ギアフリィ】ゾンビは鍔迫り合いをしながら背中に生えていた金属の羽を手に持っていた黒炎の塊に纏わせていく。

 その武器の姿は黒炎を核にしたパイルバンカーへと変化していく。

 そしてそのまま力をチャージし始めた。

 

 おいおい……この姿勢からチャージは不味いだろ!?

 止めてくれよな!



 【止めるわけないであろう!】


 【【ギアフリィ】の得意技である故にこの身体が使い方を覚えているのだ!】


 【クハハハ!】


 【この点火の力を我がさらに活かしてやろう!】


 【種火より燃え広がれ【滅竜黒炎】!】


  


 パイルバンカーに宿っていたエネルギーがそのまま放たれるのではなく、黒炎として放射されてきた。

 これまでの通常攻撃で放たれていたものとは保有しているエネルギーが桁違いである。


 その膨大なエネルギー量が地面を揺らしながら周囲に広がっていき、【ギアフリィ】ゾンビに横から攻撃を仕掛けていたモブプレイヤーたちが次々に闇の炎に焼かれて消えていっている。


 俺は周囲を回っていた【阻鴉邪眼】によって生み出した邪眼球の向きを無理矢理変えて、【滅竜黒炎】の黒炎の勢いを抑えながら逃げ惑っている。

 くそっ、この炎しつこいぞ!!


 【阻鴉邪眼】のデバフ効果で【滅竜黒炎】のスピードが遅くなっていても俺と同速度で追いかけてきている。

 俺が逃げている間にも一人、また一人と黒炎に焼かれており何とかして止めないとまともに戦闘にならないどころか、攻撃の余波で城塞が崩壊してしまう恐れすらある。


 「わ、ワタクシのトランポリンが次々に割れていきますわ……

 生成スピードがこれでもギリギリでしてよ」


 「……ちっ、ここにいてもそんなに役に立てねぇな。

 黒炎が結界を通過してくる攻撃だから意味を為してなぇぞ……

 こうなりゃこいつは【包丁戦士】に任せて別のところに行くべきだな!(ボソッ)

 【トランポリン守兵】、私は席を外します。

 ここの守りは任せました」


 「この状況ででして!?

 MVPプレイヤーの方々は行動が突拍子もないですわ!?」


 「安心してください。

 神の加護を授ける十字架はここに置いておきます。

 あくまでも単身で移動しますから、他の方の迷惑にはなりませんよ」


 「そ、それなら……」


 

 【綺羅星天奈】はこの戦線を離脱するようだ。

 この崩壊寸前の戦線をここで抜けるのは正気とは思えない……ように見える。

 だが、ポイントを使いきって設備も使えず、本来の戦闘スタイルを見せられないから単身で他への援護などしに行った方が戦えるってわけだな。

 さっさと【牛乳パフェ】ゾンビを倒してきて、【ロイス=キャメル】をここに引っ張ってきてくれるならそれはそれでありがたい。


 でも、出来るだけはやく戻ってきてくれよな!

 ここからは間違いなく俺たちにもっと不利な戦場になる。

 モタモタしていて、戻ってくる前に城塞が陥落していても恨み言は受け付けないぞ!


 さっさと片付けてこい!


 「ハッ、オメェもくたばるんじゃねぇぞ……!!(ボソッ)」






 アタイが戻ってくる前に城塞壊されてたら承知しねぇからな!!


 【Bottom Down-Online Now loading……】

ちょっとしたアンケートを活動報告してしてます。

もしよろしければお答えいただければと思います。



https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/788051/blogkey/2904775/

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