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772話 傲慢邪竜騎士

 くそっ、まさかゲートキーパーに瞬殺されてしまうとは……っ!!!

 【ギアフリィ】が深淵の力に手を出しているとは予想外だったが、俺が前に戦った後に何かあったのだろう。

 よりによって俺にとっての天敵とも言える一体を引っ張り出してくるとは思わなかったがな。


 俺はルル様の細胞や秘技を取得してしまった影響で炎の概念を持つものに滅法弱くなっている。

 あのタイミングでの攻撃……おそらく【トランポリン守兵】お嬢様のトランポリンの防壁が間に入っていたと思うが、トランポリン越しで死に戻りしてしまったからな。

 いくら至近距離攻撃とはいえ、防壁があったのに死ぬとは情けない炎耐性だ。



 ……とりあえず【メリケンサックボクサー】のところに行って炎耐性を上げられる設備場所を聞こう。

 たしか十字架次元との交渉で譲ってもらったとか言ってたからな。








 そうして戻ってきました南側戦線!

 ……っておいおいおい!

 城壁が既にボロボロじゃないか!

 

 俺が戻ってきた戦線自体は崩壊こそしてなかったものの、城壁には穴が何ヵ所も空いており、穴が空いていない場所でも焦げたような跡が残されていた。

 城壁に進行を続けている【ギアフリィ】ゾンビに対して、それを何としても止めようとしている【トランポリン守兵】と【綺羅星天奈】。


 【トランポリン守兵】お嬢様が黒炎による攻撃を防ぎ、【綺羅星天奈】が物理攻撃を結界で防ぐ形になっているらしい。



 だが、【ギアフリィ】ゾンビが持っている棒状の黒炎のようなものが振るわれると、それが斬撃のように飛び散り攻撃と化しているのだ!

 なので、トランポリンと結界を二重にしないと防げないようだ。


 おいおい、パイルバンカーは何処に置いてきたんだ!

 ゾンビになってボトムダウンオンラインプレイヤーとしての誇りも失ってしまったというのだろうか。

 ……そんな誇りが元々存在するかどうかは知らないけど。



 【我の黒炎の塊では不服か?】


 【クハハハ!豪胆なことだ!】


 【だが、そのような不平不満は我を止めきってから言って欲しいものだ】


 【なあ、包丁使いの小娘よ?】


 ん?

 そういえばこいつ、俺の2つ名とか別名とか呼ばないな!?

 ……どうやら、この【ギアフリィ】ゾンビに意識を宿らせている【エルラシア=ガルザヴォーク】は俺が知っている個体とは別物らしい。


 【フランベルジェナイト】や、聖剣次元のやつは俺のことをある程度の親愛を込めて【フェイ】と呼ぶからな。

 今俺の前にいる【ギアフリィ】ゾンビの口ぶりからしてそんな感情は読み取れないし、そもそも呼び方からして小娘というこちらを侮っているものだ。

 

 【当然だ、我はお前のような小娘のことなど知らぬ!】


 【自意識過剰も大概にするといい、我はそこまで寛大ではない故にな!】


 【我のような強者がお前のような小娘に意識を割いていること自体が、稀なことなのだ!】


 しかも、聖剣次元の【ガルザヴォーク】のよりも自信満々だ。

 それはきっとパイルバンカー次元での何らかの実績が自信を後押ししているからだろう。

 

 というか小娘って呼び方も若干【ギアフリィ】に思考が寄っている気がする。

 あいつも初見のとき俺のことを似たようなような感じで認識してたっぽいからな。

 あの時は即効で覆してやったが……



 【ギアフリィ】ゾンビはスキルも何も使用しない、ただの黒炎の一振で離れた場所にいた十字架次元のプレイヤーを葬り去った。

 あまりにも自然な動作に守りの要の二人も間に割ってはいることが出来なかったようだ。


 「あの動きに対応するのは無理ですわよ!

 それに城壁の守りを疎かに出来ませんわ!」


 「そうです。

 私たちがここから離れてしまってはこの【死屍累々城塞バンデット】が陥落するのは一瞬です。

 聖女である私の……神の祝福を以てしてもこれが限界です。

 ……ちっ、癪だが攻撃はオメェに任せるしかねぇってことだ(ボソッ)」



 【クハハハ!】


 【また一体底辺種族を葬り去ったぞ!】


 【弱い、弱すぎる!】


 【我を楽しませてくれるような実力派プレイヤーはここにはいないのか!】


 

 調子に乗りやがって……【傲慢】というだけはあるな。

 だが、こいつの実力は本物だろう。

 さっきから隙がないし、動きに無駄もない。

 通常攻撃が範囲攻撃かつ遠距離攻撃ということもあって、ダメージもそこまで蓄積出来ていないのがもっと不味い。


 

 おい、【綺羅星天奈】!

 ステッキ次元の連中はどうした!

 あいつらの姿がまだ見えないんだが……サボっているんじゃないだろうな?

 魔力痕を潰したアナウンスが流れてからかなり経っていると思うが、一向に駆けつける様子がないんだか……


 俺はそんな苛立ちを聖女面したヤンキーにぶつけた。

 すると、それを庇うように【トランポリン守兵】お嬢様が割ってはいった。

 

 「いえ、一度こちらに赴かれましたわ!

 ですが、少し前までタイミングを合わせてデバフを飛ばしてきていた【嫉妬する咎死人】を止めるために奥に攻めていきましたわ!」


 「そういうことです。

 【包丁戦士】が戻ってくるまでデバフがピンポイントで私の……神の祝福をあろうことか通り抜けて妨害してきていましたからね。

 不敬なことこの上ないです!」


 なるほど……【牛乳パフェ】ゾンビを先に止めに行ったのか。

 それは賢明な判断だ。

 デバフ込みでこの傲慢邪竜騎士を止めるのは困難を極めるからな。

 やはりあの【ロイス=キャメル】は大局を見て動いている……か。

 油断できない相手だ。








 傲慢なのは良いことだったり、良いことじゃなかったりする……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

ちょっとしたアンケートを活動報告してしてます。

もしよろしければお答えいただければと思います。



https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/788051/blogkey/2904775/

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