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767話 それぞれの成果

 【ワールドアナウンス】



 【包丁次元のプレイヤーによって【憤怒するアンカーの石像】が破壊されました】


 【【咎死人】たちへのバフ供給の一部が停止しました】


 【【咎死人】のGK個体が一体消失しました(4/7)】





 そんなアナウンスを聴きながら俺は【死屍累々城塞バンデット】へと死に戻りしてきた。

 そこには包丁次元のプレイヤーが勢揃いしていた。

 俺よりも先に【風船飛行士】がここにいるってことは、石像の破壊方法はアレだったんだろうな……


 「追手が居たからなwww

 色々試したかったけど、絶対破壊できる方法で壊したンゴwww

 【包丁戦士】が【魚尾砲撃】で破壊できたのなら、同じ方法で破壊工作出来ると信じてたンゴwww

 オレ、テラ策士www」


 どうやら【風船飛行士】は俺と全く同じで、複数プレイヤーによるスキル【魚尾砲撃】の連鎖爆発を試したようだ。

 何人でやったのか知らないが、確かにその方法なら前例があるし確実性は高いだろう。

 【風船飛行士】が素直に俺と同じことをそっくりそのまま実行するのは少々意外だったがな。



 「お前のためじゃねぇからなwww

 オレたちの次元のプレイヤーが快適に遊べる環境を整えるためだwww

 勘違いするなよwww」


 はいはいツンデレ乙。

 





 【バットシーフ】後輩は、少年探偵の【シャルル=ホルムズ】戦ったらしいな?

 他にも何人かを相手にしていたようだが、どんな感じだった?


 「先輩!

 俺っちこれでもかなり奮闘したと思うッスよ!!

 あの犬獣人探偵、俺っちの盗みの瞬間を見抜いて妨害してきたり、abilityでのスキルコピーも防がれたんッス!

 あんなに戦いにくい相手は生まれてこの方はじめてだったッス……」


 やはりあの【シャルル=ホルムズ】は【バットシーフ】後輩の天敵となる技術を使えたのか。

 見えないものを見るような動作をしていたから、もしかすると【バットシーフ】後輩の神業のような窃盗の瞬間も看破される可能性はあると思っていたが本当にそうなるとは……


 「幸いにも戦闘技術そのものは俺っちと大差なかったッスから、途中からあえて俺っち本来の動き方を捨てて、先輩に教わったプレイヤーキラーの動き方を模倣して戦ったッス!」


 自分のスタイルを捨てて戦うのは中々骨が折れるだろ?

 特に【バットシーフ】後輩の場合は動き方だけじゃなくて、現実世界でも多用しているであろう異能力すらも封印して戦うことになったんだからな。

 その苦労は察することが出来る。


 「取り巻きのプレイヤーたちは何とか倒せたッスけど、犬獣人探偵だけはどうしても倒せなかったッス……

 そもそも犬獣人のスペックが底辺種族よりも高いッスからね。

 途中から勝てないのは察してたッスから、意地でも先に進ませないように防戦してたッス」


 よくもまあ寝不足の中そんなに頭を回転させて動けたな?

 

 「それはもうアドレナリンがドバドバ頭の中で出てたッスよ!

 ……だからもう限界ッス……

 次のゾンビ戦は城塞の中で休ませてもらうッス……」


 そんなことを言いながら【バットシーフ】後輩は端の方で横になって眠り始めた。

 限界を越えて戦っていたのだから仕方ない。

 この次元戦争中に起きるか不明だが、ゆっくり休ませてやろう。

 俺にもそれくらいの優しさはあるからな!






 「ちわッス!

 【包丁戦士】さん戻ってきましたよ!」


 「あら、【包丁戦士】様。

 石像の破壊おめでとうございますわ!」


 おっ、他の次元のプレイヤーに協力を持ちかけていた【メリケンサックボクサー】と【トランポリン守兵】お嬢様が戻ってきたようだ。

 どうだった?


 「最低限の役割は果たしました!

 これが俺のスタイル!」


 「【メリケンサックボクサー】様の会話の誘導術には感服致しましたわ!

 のらりくらりと論点をズラしてこちらの突かれたくないところを全て回避しておりましてよ!

 地雷源で全力疾走をして全ての地雷を回避しきったようなものですわ!」


 め、【メリケンサックボクサー】がそんな器用なことをしてたのか!?

 上半身半裸の脳筋にしか見えない男だが、やはりただものではなかったようだ。

 俺に遠慮してかあまり喋らないようだが、それも処世術の一つなんだろう。

 喋るタイミング、喋る相手をわきまえているのは流石だ。


 「俺は十字架次元が抱え込んでいた設備のうち、十字架次元ではポイントが足りずにもて余していた設備を幾つか譲ってもらいました!

 特に【包丁戦士】さんが喜びそうなのは炎耐性を大幅に上げることが出来る【赤聖杯】です!

 十字架次元ではそこまで重宝されていなかったのが功を奏しました!」


 「包丁次元では【包丁戦士】様の弱点の一つとして知る人ぞ知るものですわね……

 炎を使う相手が現れるか不明ですが、あっても困るものではありませんわよ!

 ……効果時間が決まっていますからまだ起動はさせておりませんわ!」


 炎耐性!!!

 それは喉から手が出るほど欲しいと思っていたやつだ!

 ちょうどステッキ次元のMVPプレイヤーに【燃焼】の力を宿したスキルでやられて戻ってきたところだから助かる。

 

 やっぱり炎に異様に弱くなってるのを一時的であっても治せるのなら、保険として治したいからな!

 気持ちが非常に楽になる。


 やるじゃないか【メリケンサックボクサー】!!







 当方の蒸発の力にも弱そうカニね。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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