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760話 深淵と眼の使い手

 聖獣とか天子についてはなんとなく分かったが、他はどうなんだ?

 お前の場合は【大罪魔】……【罪魔種族】関係がかなり進んでいるからその方面について聞きたい。

 何せ俺はまだ大罪スキルを1つも獲得出来ていないからな……



 俺が大罪スキルを手に入れていないことを告げると【綺羅星天奈】は意外そうな表情を顔に浮かべて驚いていた。

 そんなに意外だっただろうか?


 「そりゃそうだろ!?

 オメェはとっくの前に大罪スキルを何個も獲得していると思ってたからよォ!

 大罪系統の【暴食】称号も前に戦ったとき結構持ってたじゃねぇか」


 そう言われると俺の努力不足のような気がしてきた。

 ちょうどこの次元戦争に来ている【綺羅星天奈】と【ロイス=キャメル】はそれぞれ大罪スキルを使えるプレイヤーだからな。

 俺も欲望のままに生きていると思っていたが、お前たちには敵わないようだ。


 「それはアタイが誉められてるのか貶されてるのかわかんねぇな……

 案外オメェは真面目になるところで真面目だから最後の段階を踏めねぇのか……?

 アタイにはよくわかんねぇけど、多分そんな感じじゃね?」


 そういうものなのか……


 「アァン?

 大罪関係はそういうものだぜ!

 アタイは一番はじめのレイドボスを倒す前に【虚飾】の大罪を発現させてからずっと豪華絢爛な聖女として振る舞っていたら、あっという間に大罪スキルが生えてきやがった!

 大罪の名前に近い行動をすればどんどん進んでいくからなァ……

 あれは戦う力にこそなってくれるが、失くせないし外せないし消せないし呪いみたいなものじゃねぇか?」


 あぁ、本当にそんな感じで大罪スキルが手に入るのか……

 俺もプレイヤーキラーとして活動しているんだが、まだまだ精進が足りないってことか。


 「アァン?

 プレイヤーキラーとしての活動が大罪のトリガーなのか?

 それがトリガーだとしても【暴食】ってそもそもプレイヤーキルと関係あんのか?

 何か履き違えてるから大罪スキルが習得出来ねぇんじゃねぇか?」


 んんっ?

 プレイヤーキルは大罪状態発動のトリガーになるし称号獲得も出来るが、決定的な何かを間違えているから大罪スキルが覚えられない……っていう可能性があるのか。

 その考えは無かったな……

 てっきりプレイヤーキラーとして活動していればそれでいいもんだと思ってたぞ。


 「実際に何をやりゃいいのかアタイにはわかんねぇけどな!

 大罪について教えたから今度はオメェが深淵種族について教えろよ」



 それなりに実りのある情報をくれたからな。

 それに見合う情報なら答えよう。


 「望遠鏡次元のMVPプレイヤーの【牛乳パフェ】とオメェが使っていた【阻鴉邪眼】って深淵種族由来のスキルだろ?」


 正解だ!

 あれは確かに深淵スキルだな。

 あのスキルを手に入れる時に倒したレイドボスは討伐順位が二位になっていたから、俺の前に【牛乳パフェ】のいる望遠鏡次元が倒していたんだろうな。

 他の次元でこのスキルを使ってくるやつをまだ見てないから、後続で倒したやつもいないかもな。


 「なるほどな。

 デバフスキルって珍しいからよォ、どんな種族由来のスキルなのか気になってたんだがこれでスッキリしたぜ!

 デバフはアタイが守りの聖女として結界を張っていれば本当は効かねぇはずなんだが、【牛乳パフェ】のヤローは結界を貫通してきやがったからな……」


 ん?

 そんな特性【阻鴉邪眼】にあったか?

 【阻鴉邪眼】関係は【アルベー】の特性から考えても追加で付きそうな能力って反射や共有化くらいなものだと思ったがな……

 


 いや、待てよ?

 確か【牛乳パフェ】の大罪って【嫉妬】だったはずだ。

 もしかすると、スキルじゃなくて大罪の能力が反映されたのかもな。

 

 「同じスキルを持ってるオメェが言うのならそうかも知れねぇな!

 どっちにしても、結界を貫通してくるデバフは羽虫よりも鬱陶しかったなァ!」


 【牛乳パフェ】はチュートリアル武器を介して数々の魔眼スキルを超遠距離から放ってくる……MVPプレイヤーの中でも特に異質な後衛タイプのプレイヤーだ。

 ちなみに、はじめは結界を軸にして戦う【綺羅星天奈】も異質ではある。


 MVPプレイヤーになるためには一番の貢献が必要になってくるから、前衛のプレイヤーが選ばれやすいからな!

 ここでバフやデバフを得意とするプレイヤーが入り込むのは相当な難易度だったはずだ。


 「そういう変わったヤローだからデバフスキルの【阻鴉邪眼】を一番に手に入れられたっつーわけか!

 出来ればあいつとは二度と戦いたくねぇ、【ランゼルート】と【師匠】の次にアタイが厄介だと思った。

 ……こんな会話してると嫌な予感しねぇか?」


 薄気味悪いこと言うなよ……

 鳥肌立ってきたぞ……




 そんな後味の悪い会話をしながら俺たちは【死屍累々城塞バンデット】の内部へと帰還したのだった……





 ガハハ!!!

 何に怯えているんだ!!!


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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