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76話 公共の場でのプレイ

 そう、俺はどこからどう見ても可憐な少女だろ?

 ……いや、見た目と内面のギャップが激しすぎるというのはくどいほど言われてるから、最近だと、初見のプレイヤーくらいにしか言われることは無くなってたけどさ。


 そういえば、ポリンお嬢様とかロリババアギルドマスターにもめっちゃ言われたなぁ……

 この見た目で一人称俺っていうのとか、口調とか、振る舞いが粗雑とはよく言われる。


 なんなら掲示板とか見てみるとだいぶん前からその事に突っ込まれてたりする。

 新緑都市アネイブルでのレイドボス攻略戦の前に【槌鍛治士】のところへほぼ毎日行ってたときは、あのガチムチおっさんとカップルなんじゃないかと掲示板に書き込まれてたりしたみたいだが、流石にそれを見たときには笑ってしまった。


 「……【包丁戦士】さんの見た目が可憐って言われるとあっそういえば!?みたいな感じになりますよね。

 いや~、野蛮な発言や行動の方が印象に残りやすいですからね~」


 だぁ~れが野蛮じゃ!?

 その胸についた2つのでかい脂肪をもぎ取ってやろうか?


 「そういう発言が野蛮なんですよ!

 いや~、もっと自覚してくださいね?

 ……まあ、それがまたいいんですけど……」


 ホログラムで顔が出て、散々な言われ方をした俺の周囲には謎のスペースができていた。

 ……露骨に距離をとるな、こら。


 「西と来れば今度は東!

 東の渓谷エリア闘技場の代表者は【風船飛行士】!

 プレイヤーに与えられた耐久度が無限という特殊な武器の可能性を最も活かしている底辺種族ですね。

 数少ない飛行戦闘を行えるプレイヤーでもあります。

 腕にシルバーを巻くのに拘りがある……という謎の情報も上がってきてますね……」


 【風船飛行士】はなんか自転車で移動してきそうなポーズをとって格好つけた写真がホログラムで浮かび上がっている。

 ちょいチャラ男なだけあるな、絵にはなってるぞ。


 それにしても、やはりあいつも上がってきたか。

 やけに俺を目の敵にしているが、だからこそ前みたいな引き分けじゃなく勝敗をつけたいと思ってたしちょうどいいな!


 「風船でどうやって闘っているんでしょうね?

 いや~、しかもそれで勝てるなんて想像がつかないです!」


 掲示板ではファンタジーガスとかいうものを風船に入れているらしいし、その辺りが秘訣か……?

 気になるところだが、代表戦で当たることを期待して待つとしよう。


 「さて、次はこの草原エリア闘技場の代表者です。

 この闘技場はいわゆるトッププレイヤーと呼ばれる底辺種族がいなかったので特に激戦区になっていたのが特徴的でしたね。

 しかし、ここで勝ち抜いたのは底辺種族の壁を打ち破った……

 この人物、【ペグ忍者】です!」


 【菜刀天子】が中華包丁からホログラムを出し、ピンク髪淫乱ペド忍者の姿を公開した。


 「この人は検証班のメンバーとしても活躍している、いわゆる秘密兵器扱いのプレイヤーみたいですね。

 立体的な動きが強みのようなので、底辺種族たちが試合を見るのを盛り上げてくれるでしょう。

 ちなみに、北の無限湖沼ルルラシア闘技場の代表者の【釣竿剣士】が大好きなようなので、この機会に戦えるといいですね」


 まさか【ペグ忍者】が勝ち上がってくるとはな!

 あの姿や言動はネタ方面の印象が強いんだが、新緑都市アネイブルのレイドボス攻略では他のモブをは一線を画した動きを見せていた。

 それにあの【検証班長】がわざわざ秘密兵器と呼ぶくらいの戦力だ、こう考えると選ばれても不思議ではない気がする。


 チュートリアル武器のペグとワイヤーを使ったアクションはたしかに手強そうだ、気をつけておこう……


 「ぐぬぬ……草原エリアの闘技場であの人にはこてんぱんにやられました……

 いや~、あのスピードは反則ですよ~!」


 あっ、ボマードちゃんこのイベント参加してたのね?

 てっきりデバフ増し増しがデフォルトのハードモードだったから出てないと思ってたぞ……


 「ここまではどの底辺種族でも知っているエリアの闘技場についてでしたが、ここからはいわゆる【隠しエリア】にあった闘技場で代表者に選ばれたプレイヤーを紹介しますよ。

 実は闘技場は五つだけではなかったのですよね……

 まずは、隠しエリアの中でも都市伝説として情報が多く流れていたこのエリア【山間部エリア】の闘技場代表者、【ブーメラン冒険者】です。

 冒険者や探険者という2つ名がつくプレイヤーは渓谷エリアにあるギルドマスターから命名されたという証ですね。

 珍しい経緯ですが、面白い試みです。

 この2つ名を手に入れたプレイヤーは位置ゲームのようなことをやることになるそうですので、興味がある底辺種族は狙ってみるといいでしょう」


 そうして映し出したホログラムにはブーメランを額につけて写真に映っている活発そうな娘が映っていた。

 いや、違うこいつは男だ。

 骨格が微妙に違う、俺はプレイヤーキラーだからアバターの観察も念入りに行うことが多かった、だからこそわかる。

 女顔だが、こいつは男だ。

 分かりやすく言うなら、男の娘ってやつだな。

 

 見た目が【短剣探険者】に酷似しているのは偶然か……?


 「会ったことないですけど元気そうな娘ですね!

 いや~、どんな戦いをするんでしょう!」


 やっぱり他の人は女と勘違いしているようだ。

 俺とは別の意味で見た目詐欺プレイヤーと言えるだろう。


 「次は【荒野エリア】闘技場の代表者【短弓射手】!

 乱射と射程が強みの珍しいプレイヤーです。

 このイベントのダークホースと言ってもいいでしょう。

 どれだけこのトッププレイヤー環境を荒らしてくれるのか楽しみですね」


 ホログラムで映し出されたのは不機嫌そうな顔のおっさんだった。

 おっさんといっても【槌鍛治士】のようにガチムチではなく、よくいる日本のサラリーマン風のやや細身の男だ。

 こいつ、強いのか弱いのかいまいち読めないな……


 「荒野エリア……全く聞いたことないですね……

 いや~、このゲームそういう秘密要素多すぎませんか?」


 ちょっと涙目になりながら俺に訴えかけてきた爆弾魔。

 まあ、こいつは【名称公開】っていう被害を受けているからなぁ。

 秘密要素の一番の被害者だろう。


 「そして、最後【深淵奈落】闘技場代表者……

 ええ……これいいんですか?

 またしても底辺種族【包丁戦士】です。

 何やらかしてくれたんですかこの底辺種族は……

 まさかの2つの枠で代表者になるなんて型破りにも程がありますよ……

 というより、酷い構図の登録写真ですね、ツッコミが追いつきません。

 ……ん?この触手何か見覚えが……」


 衆目に晒される俺の蛸足による触手プレイの写真。

 ちょっ、おいっ、やめろって!!

 まさかこんな風に登録の写真使われるなんて知らなかったんだ!

 おい、聞いてるのか【菜刀天子】!

 なんだその顔は!?

 おい、俺の醜態をこれ以上晒すナァァァ!!!!








 はい、今日も元気にログアウト!

 さようなら!

 俺は逃げ帰るように草原エリア闘技場から姿を消すのだった。


 







 タコォオォォオォォ!!!


 【Bottom Down-Online Now loading……】

ブックマーク60人突破&75話突破記念に

ボトムダウンーオンラインの主人公である

【包丁戦士】を描きました!


前の話(75話)の後書きにあるので見てみてください!

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― 新着の感想 ―
[一言] え......62話の触手プレイに需要が出てきたんだが......
[一言] 包丁戦士女やったんかワレェ! ずっと男やと思ってたわ
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