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759話 十字架次元のプレイヤーと次元天子について

 【ワールドアナウンス】



 【【怠惰なる咎死人】が撃破されました】


 【【咎死人】のGK個体が一体消失しました(2/7)】


 【西方向の【怠惰なる咎死人】が率いるモンスターの襲来が止みました】




 「な、なんとか勝てたなァ……」


 多大な犠牲を出したが、それでも勝利にありつけたのは大きい。

 俺もそうだが、【綺羅星天奈】もとりあえずの勝利にホッとして腕をだらりとさせていた。

 やはり激戦だっただけあって、あの戦闘中はあらゆることに気を配っていたからな!

 


 「とりあえず一旦の決着はついたからアタイは【死屍累々城塞バンデット】の中に戻らせてもらうぜェ!

 休憩無しじゃやってらんねぇからな!」


 そう言うと【綺羅星天奈】はのそのそと【死屍累々城塞バンデット】の方へ歩き始めた。

 おい、待てよ!


 「アァン?

 ついて来んなよ!」


 そう言うなって、俺もお前も帰るところは【死屍累々城塞バンデット】だ。

 同じ方向に歩くのも当然のことじゃないか?

 あの城塞は3つの次元の拠点だから、こうやって肩を並べて戻るのも予定調和みたいなものだろう。


 「【包丁戦士】はアタイと肩を並べられるほど身長が高いわけじゃねぇけどな!

 ま、いいぜここから【強欲なる咎死人】のところにカチコミしに行く元気もねぇし、ちょっとくらい散歩に付き合ってやんよ」


 それはありがたい。

 他の次元のプレイヤーとゆっくり話す機会なんて滅多に無いし、お互いに支障がない程度で情報交換しよう。

 俺は話題の一環として情報交換を願い出た。

 

 「包丁次元の上位を張っているプレイヤーってどんなんがいるんだ?

 十字架次元はここに来ている【フェーン】、【ポロロッカ】はお前が知っているから説明は不要だと思うが、それぞれ遠距離と近距離攻撃が得意なやつだぜ!

 【フェーン】はその中でも【海】の力を得意で、【ポロロッカ】は【生命花】の力のスキルを好んで使ってやがるな……

 あと、ここには居ねぇが【モンスーン】と【エルニーニョ】ってプレイヤーがそれぞれ【燃焼】と【伝播】の力をよく使うぜ」


 そして【綺羅星天奈】、お前が【流動】の力の使い手ってわけだ。

 よく使っている結界のスキルは【流動】の力と天子の力をスキルミックスで掛け合わせたものだからな!



 

 包丁次元はスキルよりも自分のabilityでごり押ししまくる超絶技巧プレイヤーの【釣竿剣士】と、称号の力を活用して広範囲同時防御が出来る【トランポリン守兵】、abilityとスキルと種族全てを有効活用してしぶとく生き残る司令塔の【風船飛行士】がトッププレイヤーと呼ばれているな。

 

 「アァン?

 オメェの次元は力の系統で得意なスキルが別れてるわけじゃなねぇのか!?

 それにabilityでごり押ししまくる超絶技巧の釣竿使いプレイヤーってスゲェ見覚えのある字面じゃねぇかよ!

 あの釣竿次元のオヤジ……【師匠】がオメェの次元に居るわけでもねぇだろうしよォ、どうなってやがるんだ?」


 どうやら俺の次元にいる【釣竿剣士】を現実世界で鍛えたのが釣竿次元のMVPプレイヤー【師匠】のようだぞ?

 攻撃技も【師匠】よりは完成度が低いみたいだけど、似た系統の釣竿一刀流の技はほとんど使えるらしい。

 

 「アァン!?

 マジかよ……釣竿次元のオヤジがゲーム内で増えたようなもんじゃねぇか!

 それに、そんなやつがいるオメェの次元はMVPプレイヤーが二人いるって考えてもおかしくねぇよな?

 ……全くやってられねぇぜ!」


 そう言いながら肩を竦める【綺羅星天奈】の顔は投げやりの表情を浮かべていた。

 そりゃ【釣竿剣士】はチート級のプレイヤーだからな……

 俺だってあいつが他の次元に行ってなくて良かったと心底思ってる。



 あっ、ちなみにだがさっき挙げた名前の中では【釣竿剣士】以外はここに来ているぞ!

 やったな!


 「あのオヤジの技をここでも見なくて済んだと喜ぶべきなのか、いざというとき時に頼れるやつが減ったって考えたらいいのか悩むじゃねぇか……」


 葛藤してるな。

 気持ちは分かるが……

 


 そういえば、【綺羅星天奈】って天子の力を使う数少ないプレイヤーだが、天子はまだ倒せてないのか?

 お前の次元の場合は結構早い段階で聖獣たちを倒してそうなものだが……


 「アァン?

 四方位の聖獣たちならとっくの前に倒してるぜ!

 聖獣自体はまだまだ何体も倒せていねぇやつらが残ってやがるが、このペースならそのうち何とかなりやがるはずだ!

 天子は……アタイの舎弟みてぇになっちまったから討伐を後回しにするハメになっちまってやがるぜ!

 その分恩恵は受けてるけどよ!」


 天子が舎弟???

 包丁次元の天子……【菜刀天子】とは全くタイプの違う天子がお前のところにはいるんだな?

 俺の方は高圧的、常に上から目線でプレイヤーの下につくなんて天地がひっくり返らない限りはあり得ない性格だったから、オタクプレイヤーたちに人気ではあったが討伐に異を唱えるやつはいなかったな。


 

 それで、天子を倒さない恩恵って何を得たんだ?

 それ相応のものじゃないと納得できないと思うが……


 「アァン?

 ……オメェはもう持ってやがるから言ってもいいか。

 アタイもオメェと同じように【上位権限】を手に入れたぜ!

 もっとも、オメェや【ランゼルート】みてぇに本来の性能じゃねぇがな。

 それに【サブ】の枠が増えたわけじゃねぇから【ジョブ】【種族】枠を1つ潰すことになっちまった。

 つまりアタイは【聖域天子】と【上位権限】そして【プレイヤー】の3つで固定ってわけだ。

 abilityには目覚めてねぇから、四つ目の枠はまだねぇしよ……」


 【聖域天子】か、名前からして聖女モードの【綺羅星天奈】にピッタリの種族だな。

 まぁ【次元天子】になれなかったからこそ、【上位権限】を手に入れてもその権限が何重にも制約が重ねられて使いにくくなっているんだろう。


 それでも生かされている十字架次元の【次元天子】は愛されているな……

 どんなやつだろうか。






 他の次元の次元天子であっても、我と出会ったら容赦はしないつもりだのぅ……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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