表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

737/2201

737話 ダイヤモンドオコゼ(挿絵あり)

 ここに集まっているのはいいんたが、レイドボスは見つけたのか?

 ワールドアナウンスが流れていないってことはエリアの名前や、レイドボスの名前は不明なままなんだろうか……

 その辺が明かされているのなら話は早いんだがな。


 「残念ながらレイドボスの名前関係の情報はまだ手に入れてないわね……」


 「でも【虫眼鏡踊子】の姉御や【トンカチ戦士】リーダーたちのお陰で戦闘パターンはかなり掴めてきているんだぞ」


 ほう、流石レイドボスをほぼ単独クランでクリアした実績があるだけあって仕事が早いな。

 レイドボスの名前に関するイベントが発生するかどうかは運でしかないから、それが判明していないのは仕方がない。

 海エリアが解禁されてからそんなに時間が経っていないから、行動パターンの洗いだしが出来ているなら上等だろう。



 「まあ【包丁戦士】ちゃんなら情報を渡す前に一回戦ってもらった方が手っ取り早そうよね」


 「先入観無しで戦ってもらった方が新しい情報が手に入る可能性もあるしな。

 狂人視点が参考になるかどうかは別だけどな!」


 

 狂人視点とか言われてるが、俺の視点だって別に変わっている訳じゃないんだからな?

 物理的な意味で【アルベー】の眼で見るって話なら納得できる話だが、流れ的にそんな内容じゃないから半分貶されているのだろうが……


 

 「ワタクシもここに来たのは初めてですので、【包丁戦士】様と一緒に戦ってみますわ!

 実戦経験があれば今後の活動にも役立ちましてよ!」


 【トランポリン守兵】お嬢様は俺と共闘してくれるようだな。

 超戦力級のタンクプレイヤーが支援してくれるのなら、俺も攻撃に専念できるというものだ。


 【トランポリン守兵】お嬢様と二人きりでまともに共闘するのは、【アルベー=クシーリア】を倒すために【タウラノ】の式神の性能の試験をしていた時以来だろうか?

 

 「そうですわね!

 久しぶりにワタクシたちのコンビネーションを試してみますわよ!」


 「それならさっそくおびきだしてみようか。

 俺の見つけた方法は、この無人島で集めた虫を団子にして海に投げると現れるってものだ!

 それっ!」


 【バグパイプ軍楽隊員】はそういって、ケースに入れていたと思われる虫団子を海に投げ入れるとそこから空気泡がブクブクと発生し始めた。


 

 そして、餌に食いついたのか海面が持ち上がるようにして海のなかからレイドボスが現れたのだった!



 【Raid Battle!】


 【金剛海の輝虎魚】


 【レイドバトルを開始します】



 俺たちの前に現れたのは全身がダイヤモンドのように輝く魚だった。

 ただ、魚といってもスラッとしたような見た目ではなく、少し潰れ気味の……一般的に知られるアンコウのような見た目をしていた。

 レイドクエスト名にあるように、実際はアンコウではなくオコゼに近いけどな!



 「これがこの無人島のレイドボスですか……輝いていますが見た目はキモカワイイ系ですわね。

 デフォルメすればマスコットとして売れないこともないと思いましてよ?」


 カワイイ……か?

 見た目がキモいのには同意するが、俺には可愛いようには見えないぞ。

 【トランポリン守兵】お嬢様の感性が俺にはよく分からなくなってきたぞ……


 「ワタクシも【包丁戦士】様の感性を理解できるとは思っていないので諦めて下さいまし?

 感性の差異は戦闘に関係なくってよ!」


 それもそうだな。

 【トランポリン守兵】お嬢様の言葉でレイドボス【金剛海の輝虎魚】に向き合った俺は、腰に提げていた包丁を手に取り海面に浮かんでいる【金剛海の輝虎魚】へと駆け出していった。


 【金剛海の輝虎魚】は様子見なのか、その短い尻尾で俺を叩き落とそうと振り回してきた。

 だが、いくらレイドボスの身体が巨体であるといっても見え見えの攻撃で、リーチの短い尻尾の凪払いであれば回避は容易である。


 一度バックステップで回避し尻尾の凪払いをかわした後再度切り込みに行こうとしたが、ここで【トランポリン守兵】お嬢様による支援が入り込んだ。


 「【包丁戦士】様、これを使ってくださいませっ!

 スキル発動!【近所合壁】!」


 【トランポリン守兵】お嬢様が俺の足元にトランポリンを生成して突撃のための移動の補助をしてきた。

 俺は足元に現れたトランポリンを力一杯踏み込んで推進力へと変えていき、そのまま包丁を上段に構えて斬り込んだ。


 まずは一撃目!

 そう思っていたが、【金剛海の輝虎魚】は背びれにある鋭利な棘を俺に向かって伸ばしてきた。

 伸びてきた刺を空中でかわすのは困難だったので、包丁で受け流そうとしたが僅かにタイミングが遅れてしまったので左腕にカスってしまった。


 「【包丁戦士】様っ、左腕が輝いていますわよっ!?

 さっきの攻撃を受けた影響でして?」


 【トランポリン守兵】お嬢様が叫んだのを聞いて俺は自分の左腕を見ると、そこにはダイヤモンドのように結晶化していた。

 なんだこれっ!?

 左腕が全く動かないぞっ!?






 さっそく当方の眷属の特性を堪能してくれているカニね!


 【Bottom Down-Online Now loading……】 

【虫眼鏡踊子】さんのイラストを描いていただけました!

健康的で綺麗ですね!


ありがとうございました!


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ