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73話 探険者プレイヤーへの救済策(悪用)

【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日の【短剣探険者】との対戦後、俺は【モブ】たちが【魚尾砲撃】を使うタイミングをなんとなく掴めるようになってきた。

 それを踏まえた戦い方を心がけていたら、事前の回避はもちろんのことながらスキルを使われる前にキルする機会も増えてきた。

 俺はプレイヤーキラーなので、元々プレイヤーVSプレイヤーという形式が得意と言ってもいいからだろうな。

 

 こうして昨日までの戦績は21戦14勝7引き分けで終わった。

 掲示板で見た他のトッププレイヤーと比べたら結構いい線を行っているような気がする。

 まあ、他の連中も慣れてきて勝率が上がっている可能性ももちろんあるが、こういう戦闘は俺に分があると思ってる。

 ただ、【釣竿剣士】以外のまともな戦闘シーンを見たことないからどうやって勝ってるのかは興味があるぞ。





 ……という振り返りはここまでにしておき、今日は掲示板を見ていて気になったことがあるのでそっちを優先してみようと思う。


 どのスレのことか分からないと思うので一部抜粋して再掲しておくわ。




514:【ブーメラン冒険者】


 そういえば、岩山エリアのヒトに聞いたんだけど


 山間部に隠しエリアがあるって噂知ってる?



515:名無しのモブ


 >>514


kwsk



516:名無しのモブ


 >>514


 聞いたことないなぁ……



517:【ブーメラン冒険者】


 山間部エリアは南の岩山エリアと東の渓谷エリアの間にある……らしいよっ!


 ただ、道なき道を行かないと着かないとかなんとか……



 つまりムリゲーってことね。



518:名無しのモブ


 >>517


 どれくらいの大きさのエリアなん?



519:【ブーメラン冒険者】


 >>518


 ごめん、私の知っている情報はこれだけなんだ……



520:名無しのモブ


 >>519


無能



521:名無しのモブ


 >>520


 貴重な情報をスレに流しただけ有能だろ……



522:名無しのモブ


 >>517


 ちょっと待って!?


 そこも別エリア判定なら闘技場置いてあったりするんじゃないか!?






 はい、ここまで!

 山間部エリア……自体は前に【トランポリン守兵】お嬢様に存在は聞いていたな。

 たしかにこの隠しエリアである山間部エリアに闘技場があるなら行ってみる価値はある……のだが、そもそも詳しい道を聞いていたりするわけでもないし、なんとかたどり着いたとしても闘技場が確実に存在するとは限らない。

 

 ここまで不確実な要素が揃っていると費用対効果が悲惨なことになってしまうので、山間部エリアを探し出すのは無謀だろう。

 

 それならなんで俺がこのスレのこの部分に注目しているのか分からない顔をしているな?

 この一見すると俺にメリットが無さそうな書き込みだが、部分的に試してみる価値のあるものでもあるんだよなぁ。



 そう、【深淵奈落】だ。

 あそこは現状俺しか行けていないエリアだし、時間はかかるが行き方も知っているので時間を使ってでも確かめにいく価値はあるな!


 そう決めたならさっと移動していくぞ!









 ほーい、沼地エリア……いや、正式名称は無限湖沼ルルラシアか。

 ともかくここの一番奥にある大穴まで来た。


 躊躇いなく飛び降りて、秒数を数える。

 1.2.3…………

989.990.991.992.993.994.995.996.997はいここで【深淵顕現権限】!998.999!



 そして、前回同様バグ技の要領で無限ループゾーンを乗り越えて、ルル様のいる横穴までたどり着いた。

 横穴を歩いていくと、前回ルル様がいた場所の手前に特設ステージのようなものが出来ていた。


 「まさかこの短い期間にまた現れるとはなぁ……

 底辺種族がここに何の用だ?」


 堕天使タコのルル様が特設ステージの前にある岩の上で吸盤のついた足を蠢かせながら話しかけてきた。

 

 いや、そのステージどう考えても今回のイベント闘技場でしょ。


 「ほう、これを目当てにこの【深淵奈落】まで降りてくるとは案外抜け目がないのだな。

 この仮設闘技場を作れという命を受けたから作ったは良いものの、今誰も来ておらん。

 我がせっかく作ったというのに、あわや無駄になるところでは無かったか?

 だが、お前が来てくれたから最低限の役割は果たせそうだ」


 あっ、この手作り感ある闘技場はルル様のお手製というわけか……

 いや、怖すぎるだろ!


 見た目に触れたら負けかな~?と思って敢えて触れていなかったが、あらゆる動物の頭蓋骨などを円形のドームにした闘技場が俺の前には立ち塞がっている。


 めっちゃ悪趣味な手作りドームは今まで一度も使われていないらしいから新品(?)……ということだ。

 頭蓋骨の新品同様とは……



 まあ、俺もこの闘技場で戦うことはないだろうからお蔵入りだろう。

 ルル様が言っている最低限の役割は戦闘に使うということではない。


 「ほれ、【深淵奈落】での闘技場イベント参加登録は完了した。

 あとは写真を撮るだけだ、はやくポーズをとるがいい」


 えっ、ポーズ!?

 とりあえずルル様の吸盤のついたあしに巻き付かれて写真を撮られてみた。

 

 あっ、格の違いで消滅しそう!

 底辺種族である俺は蠢く脚に蹂躙されながら光の粒へと変換され、死に戻りすることとなった。



 まあ、闘技場に登録できたから良しとするか。




    







 ヨシッ!


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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