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725話 重ねる深淵細胞

 【Raid Battle!】



 【深淵域の管理者】



 【エルル】


 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 俺がアビスの方にログインしてくると、さっそくルル様が触手をうねらせながら出迎えてくれた。


 「カッカッカッ!

 【深淵機構】の関門を一つ突破したようだな。

 【夢幻深淵】があればいつかは突破できると思っておったが、予想以上の早さで驚いておるぞ。

 まだ力も使いこなしておらんのに、よくもあれほど無茶な動きをしたものだ」


 出会って早々に誉められているのか貶されているのか分からない言葉をいただいてしまったが、ここは素直に称賛されていると思っておこう。

 変に口を出して機嫌を損ねられても困るしな。

 ルル様の好感度は俺の成長のためには必要不可欠なものとなっているし、刺激しないほうがいいだろう。


 「それで、【アルベー】を下したのであれば、【アルベー】の深淵細胞を再び手に入れたであろう?

 ただ同じ深淵細胞を手に入れただけだと思うことなかれ!

 深淵細胞を重ねることがお前を更なる深みへと誘うのだ」



 ルル様は威厳を保ちつつもどこかご機嫌な様子で俺に新たな可能性を示唆してきた。

 ルル様の言う深淵細胞を重ねるというのは、【アルベー】を倒したときに流れたアナウンスにあった【深淵細胞を重ねることが可能になりました】とか【この次元のプレイヤーにスキル【阻鴉邪眼】の第二段階が開放されました】とかが関係しているんだろうか。


 「無論だ。

 どれ、物は試しと言うであろう。

 軽く【深淵顕現権限】をここで起動してみよ」




 俺はルル様に促されるままにスキルを起動しようとした。

 発動させようとしたのは当然【深淵顕現権限Б】だ。

 だが、ここでルル様の言っていた深淵細胞を重ねるということを思い出した。

 ということは今まで通りの発動のさせ方では変化はないはずだ。


 なので俺は元々持っていた【Б細胞】を起動する傍らで、新たに獲得した【Б細胞】を被せるようにして全身に脈動させる感覚を脳裏に思い浮かべた。

 そして、スキルの発動を宣言しようとした時に、何かに導かれるようにしてとあるワードが閃いた。


 スキル発動!【深淵顕現権限ББ(クラスト・アルベー)】!


 俺がスキルを起動すると、俺の周りに黒い霧が発生しいつものように俺の眼球を【アルベー】の邪眼へと削ぎ変えていく。

 ここまではいつも通りだが、深淵細胞を重ねたことによって新たな変化が生まれていた。


 俺の両目が【アルベー】の邪眼となっているのだ!

 これまでは右目しか変わらなかったのにな……


 これが深淵細胞を重ねた結果というわけか。

 ……ちなみに、クラストというのは重ねるというような意味合い(意訳)を持つ言葉だ。

 深淵細胞を重ねて発動させたことによって微妙に名前も変化したということだな。


 

 重ねたことによるメリットは邪眼が両目になったので何となく予想できるが、デメリットについては不明だな。

 何せここは深淵スキルのデメリットの大部分を省いた状態で発動できる場所……深淵奈落だからな。

 だからこそデメリットについては地上で追々試していくしかない。

 今はメリットについてだけ調べさせてもらおうか。


 「カッカッカッ!

 殊勝な考えでなによりだ。

 そうでなければ我がわざわざ見てやる必要も無いからのぅ……」


 それもそうだ。


 「【深淵顕現権限】も発動したところで、次は対応する我の配下のスキルを使ってみよ。

 今回は【アルベー】の得意とする【阻鴉邪眼】だ」


 了解!

 スキル発動!【阻鴉邪眼】!



 ルル様の指示に従いスキルを発動させると、俺の周りの黒い霧が形を変えて黒い眼球の形状を取り始めた。

 こわっ……というかグロいな……

 おそらくだが、【アルベー】が使っていた鏡の再現のようなものだろう。


 「その瞳とお前の間に挟まれた者はごく短時間ではあるが、弱体化させることが可能であろう。

 故に、接近戦が主戦場であるお前には使いやすいはずだのぅ!

 もっとも、この眼球が回りきれないような巨体が相手では使い物にならないだろうが」


 その辺は臨機応変にやらせてもらうさ。

 それで、この眼球は俺以外でも使えるんだよな?

 

 「その通りだ。

 弱体化の陣を作り上げるものと、この弱体化の眼球を生み出すものは選んで使うことが可能である。

 もっとも、深淵の力を身に宿していない者がこれを使った場合の代償を支払う覚悟があればだがのぅ」


 なんだか不穏かつ意味深な言葉だな……

 【深淵顕現権限】を使っていれば深淵スキルのデメリットは無視できるのだが、それをやらなかった場合に発生するデメリットは相当に重いものになりそうな気配がプンプン漂ってきているぞ!


 わざわざ試す気になれないな……










 そういうものかのぅ。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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