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717話 ある再戦

 【Raid Battle!】



 【深淵域の管理者】



 【エルル】


 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 今日はアビスの方でログインだ!


 「ふひひっ、あてぃしが深淵種族のレイドボスに挑めるんですねぇぇ?

 ここは静寂が満ちていて動きやすいので、レイドボス相手でも普段以上に動けそうですぅぅ……」


 「えっ、デートじゃなくてレイドボスに挑むんですか!?

 いや~、寝耳に水ですよ!?」


 いや、お前たちをここに引き込む理由は説明してただろ……

 ボマードちゃんはもう忘れてしまったのだろうか……

 相変わらずの頭お花畑だが、もはや安心してしまうほど愛嬌を感じているのも事実だ。

 こういうやつが近くにいるのは悪くない。


 「ほ、【包丁戦士】さんがデレましたよ!?

 いや~、快挙ですね~!!!!」


 こらこらこら、すぐ調子に乗るな……

 

 俺はテンションが上がって暴れだしたボマードちゃんを手で抑えながら諫めていく。

 こんなところで元気を使い尽くされてしまってはレイドバトルでのパフォーマンスに期待できなくなるからな……

 


 「ふひひっ、それでどの深淵種族に挑むんですかぁぁ……?」


 まあ、普通に考えて俺たちがこれまで倒したことのある二体……アルベーかジェーライトだろう。

 前回はジェーライトが土壇場で覚醒して敗北することになったので、ここは気分を変えてアルベーに挑んでみるとするか?



 「【トランポリン守兵】さんに宿っているレイドボスですよね?

 いや~、アルベーさんとは何回か話したことがあるのでまた戦うことになるなんて思ってませんでしたね~!」


 「ふひひっ、あてぃしはどっちでもいいので2人で決めてくださいぃぃ……

 どちらが相手でも骨たちと頑張るだけなのでぇぇ……」


 

 俺の提案に、ボマードちゃんは驚き【骨笛ネクロマンサー】は無関心を示していた。

 こいつらの性格からしてこんな反応をされるのは分かっていたがな。

 

 

 ちなみに俺たちは既に【深淵奈落中層ールルナティック】にいる。

 何度か【骨笛ネクロマンサー】やボマードちゃんと予定を合わせて、ログインの度に次に進めるように手伝ってやったのが功を奏したわけだ。


 俺に感謝して欲しいものだな?








 アルベーに挑むと決めた俺たちはルルナティックの中心から南方向へと移動して、アルベーの像が飾られている場所に到達した。


 そして俺がアルベーの像に触れると、目の前に不穏なウインドウ画面が表示された。



 【深淵機構ーAbyss system】



 【【鳴動する阻鴉眼】ーБ】



 【上記のものを起動しますか?】



 【はい】【いいえ】



 ただ、すぐに戦闘に入るのではなく、まずは【失伝秘具】【夢幻銀鍵】起動!



 俺が【失伝秘具】【夢幻銀鍵】に深淵の黒い霧を纏わせると、それに反応した鍵が空中に浮かび上がりその場で高速回転し始めた。



 スキル発動!【夢幻深淵】!



 俺がスキルを発動させると夢幻エネルギーと呼ばれるミチのエネルギーと深淵の力が同時に膜のように俺の身体に張り付き始めた。


 そして俺は鍵穴へと走り抜けていく。


 そして、通り抜けると俺の装備が黒セーラー服衣装へと変化し十二枚の羽と、六つの狼の顔が鍔に顕された包丁が俺の隣で浮遊しているぞ!


 

 「わわっ、【包丁戦士】さんが新しいコスプレしてますよ!?

 いや~、黒セーラー服も似合ってますね~!

 可愛い感じとクールな感じが両立してて最高ですよー!」


 そういえばボマードちゃんにこれの説明をしてなかったか。

 ……コスプレと言われたのは少し癇に触ったが、強ち間違っていないから否定はせず受け入れておこう……

 俺の深淵スキルでのフォームチェンジはコスプレ色が強すぎるんだよなぁ……

 もっと格好いい系の装備にしてくれてもいいのにな!



 

 そんなわけで簡単にこのスキル【夢幻深淵】の黒セーラー服フォームについての説明をボマードちゃんと【骨笛ネクロマンサー】にして、俺はウインドウの【はい】と書かれた画面をタッチする。

 すると、俺の目の前にあったアルベーの像が動き始め己の存在を誇張するかのように翼を大きく広げた。


 俺たちを敵と認識したのだろう。

 眼に黒い霧を宿らせているからすぐにも襲いかかってくるだろうなっ!


 お前たち、すぐに回避行動だ!

 急げっ!


 「えっ、はっ、はいっ!

 いや~、すぐに回避なんて大胆ですね~!」


 「ふひひっ、でも悪くないですねぇぇ……」



 【Raid Battle!】



 【鳴動する阻鴉眼(廻)】



 【レイドバトルを開始します】




 レイドアナウンスが鳴り響くなか、アルベーは俺たちがさっきまで立っていた場所にデバフサークルを設置してきた。


 俺たちがあのまま棒立ちだったらデバフサークルに囚われて自重で潰されてしまっていただろう。

 俺も初回はそれでやられたからな!



 「経験者の言葉は説得力がありますね!

 いや~、あとちょっとで私も即死してますよこれ!

 油断の隙もないですね~」


 油断するなよ?

 俺たちはレイドボスからみたらゴミみたいな存在だ。

 即死の要因なんてそこらへんにごろごろ転がってるからな!


 「ふひひっ、わかってますよぉぉ……」

  




 さて、どうなるかのぅ……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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