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715/2202

715話 宿題提出

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 今日はルル様リベンジだ!

 【骨笛ネクロマンサー】とボマードちゃんを伴って深淵奈落へと向かっていく。

 今回深淵奈落落下シーンは……カットだ!








 【Raid Battle!】



 【深淵域の管理者】



 【エルル】


 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【レイドバトルを開始します】





 「カッカッカッ、思ったよりも随分早い出戻りだのぅ……

 当分戻って来ないと思っておったが、ここに来たということは我へ渡す【失伝秘具】を用意できたということで間違いないかのぅ……?」



 ルル様は俺たちを品定めするように視線を飛ばすと、蠢く触手を俺たちの前に差し出してきた。

 この触手の上に俺たちが持ってきた【失伝秘具】を載せろということなんだろうか?


 「はいはいはい!

 いや~、まずは私からですよ~!

 【失伝秘具】【天地照堕盾】をどうぞ!」


 勇み足でボマードちゃんは盾の形状の【失伝秘具】【天地照堕盾】をルル様の触手の上に載せた。

 すると、【失伝秘具】【天地照堕盾】はルル様の体内に取り込まれていってしまった。


 「あわわわわっ!?

 いや~、【包丁戦士】さんどうするんですか!?

 私の【失伝秘具】【天地照堕盾】が消えちゃいましたよ!?」


 

 ボマードちゃんは急に消えた【天地照堕盾】を案じているようだが、元々ルル様にあげるつもりのやつなんだからどっちにしても戻ってこないのは分かっていたじゃないか。

 この頭お花畑は何を今さら驚いているのだろうか……


 「えぇっ!?

 いや~、だって……」


 ボマードちゃんが名残惜しそうな表情をしながら悲痛な声を出しているが……


 つべこべ言わずに次だ次!

 【骨笛ネクロマンサー】、お前が出せる【失伝秘具】もルル様に渡してくれ。



 俺がそういうと待ってましたと言わんばかりの表情をした【骨笛ネクロマンサー】がゆっくりルル様の前へと躍り出た。


 「ふひひっ、慌てなくてもやりますよぉぉ……

 あてぃしが出すのは【失伝秘具】【黒夢死柩】ですぅぅ……!」


 そう言って【骨笛ネクロマンサー】が取り出したのは手のひらサイズの黒色の棺だった。


 キーホルダーと言われても信じれるほど小さいが、それでも秘められている力の大きさは間近いなく【失伝秘具】であると感じさせてくる。

 あいつの【失伝秘具】を前にすると肌がピリピリするのだ。

 

 それほどの力を持つ【失伝秘具】を手に入れた経緯も気になるところだが、それを手放そうとしているのだからこれまた驚きだ。

 俺だったらこの力を手放すのを躊躇してしまうかもしれない。



 「力の強烈さだけを見ればそうかもしれんのぅ……

 だが、中々厄介な代物を用意してきたな。

 大きな力には代償が伴うとはよく言ったものだが、この【失伝秘具】【黒夢死柩】はそういう類いのものだ」


 「ふひひっ、流石【上位権限】レイドボスの【深淵域の管理者】ですねぇぇ……

 一目見ただけでこれの性質が分かるんですねぇぇ?

 あてぃしが説明して【包丁戦士】さんを驚かせようとしていたんですけど、バレてしまいましたぁぁ……」


 「カッカッカッ、それは悪いことしたのぅ」


 こらこら、俺を差し置いて仲良くなるな!

 ずっとルル様の好感度を一人で上げていただけに、少しジェラシーを感じてしまうからな!


 俺はルル様と【骨笛ネクロマンサー】をジト目で見つめながらそう訴えかけた。



 「【包丁戦士】さん、それ自分でいいますか!?

 いや~、このルル様さんじゃなくて私に嫉妬を感じてくださいよ!

 私だっていっぱいアピールしてるんですから!」


 頬を膨らませたボマードちゃんが割り込んできたことにより、昼ドラもビックリなドロドロな修羅場が出来上がりそうになった。


 三角関係どころではない相関図が作り上げられてしまったからな。

 

 

 「……仲が良いのは構わないが、次の【失伝秘具】を我に渡してもらおうかのぅ。

 まだ我は二つしかもらっておらぬ故に、このままでは対価として不十分と判断せねばならぬからな」


 まあ待ってくれルル様、きちんと用意してきているから慌てるなよ……

 





 早く出すのだ……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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