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702話 夢幻の力

【Raid Battle!】



 【深淵域の管理者】




 【エルル】



 【???】【上位権限】【ボーダー】




 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】



 【深淵へ誘い】



 【冒険者を堕とす】



 【深き真価を見極め】



 【境界に流転する】



 【封印された夢想が解き放たれし時】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】



 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 今日はとうとう【図書館】攻略を進めるぞ!

 深淵奈落の【図書館】に納められている本の封印を解除すると何が起こるのかよく分かっていないが、ルル様曰く俺のパワーアップに繋がるらしいから楽しみだな。


 






 というわけでやってきました【図書館】!

 巨大な本がみっちりと敷き詰められた棚が奥まで続いていっているが、今回はそんな奥まで行くことはない。

 何故なら前回来たときに入口付近に俺が触れられる本を置いておいたからな!

 


 俺は置いておいた本を見つけると、仕舞っておいていた【失伝秘具】【夢幻銀鍵】を取り出した。

 手に重みが伝わってくるが、やっぱり鍵にしては重いよな~

 この【槌鍛冶士】が作り出した白銀の鍵を使わせてもらおう。



 俺は鍵穴に向けて【失伝秘具】【夢幻銀鍵】を挿し込むと、それをゆっくりと回していく。

 すると、カチリと何かに引っ掛かった。

 んっ!?鍵が合わなかったのか!?


 俺は一瞬物凄く焦ったが、どうやら違ったようだ。



 【プレイヤーによる禁書への介入を確認】


 【資格の有無を判断します】


 【これよりスキャンを開始します】




 【第一の認証】


 【【侵略】の力を司る深淵細胞を確認】



 鍵穴から黒色のレーザー光線のようなものが現れて俺に照射してきた。

 俺はいつものように死に戻りさせられることを覚悟していたが、杞憂に終わったようだ。

 本当に俺の身体を調べていただけらしい。


 【認証しました】


 【次の認証に移ります】



 【第二の認証】


 【【阻害】の力を司る深淵細胞を確認】


 次は黒色の円陣が現れて俺を取り囲んでいった。

 さっきのレーザー光線といい、今回の円陣といい、それぞれ【魚尾砲撃】と【阻鴉邪眼】の疑似再現みたいなものだろうか。

 身体が潜在的にどの耐性を持っているのかそれで判断しているようだ。


 【認証しました】


 【次の認証に移ります】



 【第三の認証】


 【【防衛】の力を司る深淵細胞を確認】


 次は黒色に壁のようなものが俺の左右に現れて、移動し始め俺を通過していく。

 壁にぶつかった感覚は無かったが、それでも判断できるんだろう。

 この耐性を調べてどうするのか不明だが、わざわざ調べてくる辺り不穏な気配はするよな。


 【認証しました】


 【次の認証に移ります】



 【第四の認証】


 【【占領】の力を司る深淵細胞を確認】


 次は見慣れない黒色の糸が何本も生み出され、そのまま俺を捕らえるように取り巻いていく。

 この攻撃方法は2回だけ見たことがある、【忍び寄る蜘蛛糸】の攻撃だな。

 ……だが。



 【認証できませんでした】


 【条件が不足しているため代替案を提示してください】



 なるほど、今レイドボスとして生き残っている深淵種族の配下の深淵細胞を全て集めることがこの認証で求められていたわけだ。

 俺は【忍び寄る蜘蛛糸】の深淵細胞は持っていないから、こうやって弾かれてしまった。

 ……今度、【忍び寄る蜘蛛糸】をもう一回見つけて手に入れられないか交渉してみるか。

 あのデカブツムカデ【蕭条たる百足壁】はレイドクエストをクリア扱いにしてくれなかったものの深淵細胞だけくれたから、同じ深淵種族の【忍び寄る蜘蛛糸】も似たようなことができるはずだからな。

 



 そして、認証から弾かれた俺の前にウインドウ画面が現れた。

 そこには代替案として新たな選択肢が表示されていた。

 俺が持つ特殊な深淵細胞……俺が育てた深淵種族であるキリゲーの細胞だ。



 【代替案として深淵細胞Ґ(ゲー)を認証開始……】


 【【縁断】の力を司る深淵細胞を確認】


 【認証しました】



 おっ、無事に通ったようだ。

 キリゲーの発生方法が異質だったから承認されるのか不安だったが、その辺は上手いこと融通を利かせてくれたらしい。

 深淵種族関係は元々入りの条件が厳しいから、その後は多少の無理が通ることもあるのが救いだ。

 じゃなかったらあの忍者蜘蛛を倒しに行かないと先に進まなかったからありがたい話だ。




 【Extra check】


 【【??】の力を司る深淵細胞を確認】


 何だこれは……

 エクストラチェック?

 さっきので終わりにしてくれてもいいのに……と思ったが、このタイミングでチェックが入るということはルル様の細胞を持っているのか確認されているのだろう。

 ルル様は包丁次元において深淵種族のラスボス的存在だからな。

 この時点で持っていることは本来想定されていなかったのかもしれない。

 それと、ガルザヴォークのやつもここで確認された可能性があるな。

 そう【Л細胞(エルラシア)】のことだ。

 


 【認証しました】

 

 【夢幻の力を鍵に宿しました】


 【【失伝秘具】【深淵異本】の所有権をプレイヤー【包丁戦士】に譲渡します】




 【個人アナウンス】



 【【包丁戦士】に称号【夢幻の力】を付与しました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が80になりました】


 【【包丁戦士】に称号【禁忌に導く者】を付与しました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が81になりました】



 【スキル獲得条件達成者を検索……対象者1名】


 【【包丁戦士】に対してスキル【夢幻深淵】を付与しました】


 【※このスキルの使用によってプレイ続行が不可能になった場合でも、対応はしかねます。細心の注意を払った上で使用していただくように、よろしくお願いいたします。】





 これが……俺の新たな力っ!?





 カッカッカッ……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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