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699/2202

699話 ルル様の興味

【Raid Battle!】



 【深淵域の管理者】




 【エルル】



 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】



 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 今日はアビスの方にログインだ。

 なんで深淵奈落に来たのかというと、ルル様に聞きたいことが出来たからな。

 本当は【荒野の自由】や【槌鍛冶士】、【大罪魔】そして【菜刀天子】辺りにも聞いてみたいところだったがこの中で一番時間を作りやすいルル様から聞き取りをすることにした。






 「それで我に聞きたいこととはどのようなことだ。

 深淵に関することかのぅ……?」


 退屈をもて余していたルル様は少し気だるそうに俺に反応した。

 心なしか触手の動きが緩慢な気がするぞ。



 俺がルル様に聞きたかったのは深海種族についてだ。

 【菜刀天子】を討伐してから解放された海エリアにいる種族についての知識が全く足りないからな。

 そこの【上位権限】レイドボスである【絶深海の総座長】とは会うには会えたんだが、ドでかい蟹に変身することくらいしか知らないから対等な立場にいる他の【上位権限】レイドボスから話を聞きたかったんだ。


 「なるほどのぅ……

 【絶深海の総座長】、久しぶりにその名を聞いたな。

 どの種族にも肩入れをしなかったという意味で中立だった【鉄血森林の森人君主】とは真逆で、どの種族にも()()()()()平等に接して中立の立場をとっていたのが【絶深海の総座長】だ。

 あやつは総座長を名乗っているだけあって、娯楽を提供することが好きだったような気がするのぅ……」


 気がする?


 「レイドボスのエリア間の移動が制限されるようになっておるからのぅ……

 もっとも、我は余程のことが起きぬ限りはこの深淵奈落から動くことはないから、なおのこと【絶深海の総座長】とは疎遠になっておる。

 故にあやつのことは遠い記憶の彼方にしか残っておらぬのだ。

 敵対も同盟も組んで居なかったものなど、朧気な印象しか残らないのはお前でも分かるであろう?」



 毒にも薬にもならない草は、一般人からすると雑草として認識されるようなものだろうか。

 そこまで認知度は低くないんだろうが、感覚としてはその認識だろう……多分。

 ルル様の場合は長年の宿敵である次元天子の【菜刀天子】に執念を燃やしていたから、他のことが多少希薄になっていてもおかしくはない。



 「だからこそあやつの手の内はあまり知らぬな。

 ……いや、一つあるか。

 あやつは包丁次元における我や次元天子、そして【荒野の自由】のように眷属を持つタイプの【上位権限】レイドボスということは覚えておる。

 ただ、どのように配置されているのか、何体残っているのかは【絶深海の総座長】しか分からぬのだろうのぅ……」


 配置か……

 海域ごとなのか、海の深さごとなのか、あるいは両方なのかで探索範囲が変わってくるよな……

 深海種族っていうくらいだから、少なくとも深海に類する深さに最低でも一体は居そうなものだが。

 そして、深くなるほど強くなるみたいなかんじだろうか。


 

 俺がそう考えていたら、ルル様がやんわりと反論してきた。


 「そうとも限らぬぞ?

 【絶深海の総座長】自身が海上の島におる故に、その理論は完全とは言えぬのぅ……

 深海に近づくにつれて強くなるというのであれば、あやつがわざわざ海上にいる理由が不明だ」


 そうなんだよなぁ……

 あの【絶深海の総座長】が海上の無人島にいたという事実が俺の仮定を狂わせるんだ。

 一番浅いはずの海上に【上位権限】レイドボスという種族の最高戦力があるってことだからな。

 


 「我が話せるのはここまでかのぅ……

 また思い出したら教えてやるつもりだが、期待はしないほうがいいだろう。

 ……それよりも、【図書館】の本の封印は解けそうかのぅ?

 あの封印が解けるとお前の力がより発揮できるようになるのだが……」


 ルル様は進まない俺の【図書館】攻略について突っ込んできた。

 ルル様としては深海種族よりもそっちの方が気になるんだろう。

 せっかく深淵奈落に生まれた新施設だから、感心がそっちに向いているのだろう。

 それに、本当に深海種族について本当に興味が無さそうだということもよーく伝わってきた。

 この辺は別の【上位権限】レイドボスに聞くことにしよう。


 あと、【図書館】の本の封印については心配しなくてもいいぞ!

 おそらくだが、そろそろ解除するアイテムが仕上がりそうだからな。

 

 「鍵か。

 カッカッカッ、【包丁戦士】にしては正規の手段での攻略だのぅ!

 いつも抜け道ばかり見つけおるからに、今回も突拍子もないことをやらかすと思っておったが今回に限っては安心できそうだ」


 鍵だけにってか?


 「……」


 すみません……








 カッカッカッ、これは期待できそうだのぅ……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[一言] ルル様、そこは乗ってあげないと!
[良い点] 素直に謝るの好きd('∀'*)
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