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688話 【槌鍛冶士】への依頼

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 今日は【槌鍛冶士】のところに行こうと思う。

 色々と話したいこともあるし、頼みたいこともある。









 というわけでやってきました新緑都市アネイブルの拡張エリア部分!

 ここにわざわざ来た理由は、【槌鍛冶士】の新しい鍛冶場がここに作られたからだ。

 【槌鍛冶士】は【プレイヤー(偽)】の方をメインにすることにより、レイドボスに課せられたエリア移動制限に抵触することが無いから別に草原エリアに拘る必要はないのだ。


 「ガハハ!!!

 それに草原エリアの鍛冶場は大罪の小娘の居住地になっているからな!!!

 これを機にワシ専用の新たな鍛冶場を作るのも悪くはないと思わないか!!!」


 実際【槌鍛冶士】の言う通りである。

 【槌鍛冶士】と【大罪魔】は一時期強制的に同居させていたが、相性が良かったわけではない。

 むしろ、【上位権限】レイドボス同士で牽制しあっていたくらいだからな。


 「あの小娘と力を合わせたからこそ【大深罪鉄林包丁】を作り出せたのは事実だが、あの小娘の力を借りすぎるのもワシの沽券に関わるからな!!!

 【包丁戦士】が必要とあらば力を借りてもいいが、【菜刀天子】が討伐された今の状況で手を取り合うつもりは基本的にはないぞ!!!」


 思っていたよりも嫌悪感があったらしい。

 これまでもそんな雰囲気を出してはいたが、ここまで露骨じゃなかった気がする。

 一回消えてから復活したのが何か影響しているかもしれないな?


 「それで、お前がわざわざワシのところに期待からには何か作ってほしいものがあったりするんだろう!!!

 久しく何も作れて無かったから腕を奮って作るが、何がいい!!!???」


 流石は俺と一心同体と言われるだけあって話が早いな。

 そう、お前に依頼したかったのは鍵の製造だな。

 深淵奈落に存在する図書館に納められていた本のロックを解除したいんだ。

 どうも力業で壊せそうに無かったし、正当な手段を用いないと開かなさそうだった。


 本来は特定のアイテムとか用意する必要があるんだろうが……

 【槌鍛冶士】、お前ならそれを無視して解錠できる鍵を作れるんじゃないか?と思ってな。

 ……とはいえ、そのロック自体をお前に見せないと作るものも作れないだろうからその方法でも悩んでいるんだが。



 俺が今持てる手段では八方塞がりであるということを【槌鍛冶士】に伝えると、【槌鍛冶士】は暑苦しい顔を緩ませながら朗らかに笑いはじめ俺にとあることを説明し始めた。


 「ガハハ!!!

 それについては深く考える必要はない!!!

 ワシの意識が【大深罪鉄林包丁】に眠っておったのを忘れたのか!!!

 お前と一緒に図書館の本をばっちり見ているから問題ないぞ!!!

 あの性質、構造に対応させるのはワシでも骨が折れそうだが、やってやれないことはない!!!

 記憶を頼りに試行錯誤してみるぞ!!!」


 あー、【大深罪鉄林包丁】に意識があったのか。

 あの話の切れ目にあった「……。」っていう謎のやつは【槌鍛冶士】の物言わぬ意識だったということなんだろう。

 流石にあれが何かまでは俺では特定できてなかったぞ。


 でも、逐一俺の行動を見ていたのなら話は早くて助かるぞ。

 どうやってあの図書館から本を持ち出そうか真剣に悩んでいたから、手間が省けて万々歳だ!


 「……?

 ともかく、必ずやり遂げてやるがまだまだ時間はかかる!!!

 この鍛冶場も完璧ではないから、なおさらだ!!!

 だから数日経ってからまたここに来てくれ!!!

 次に来るときまでには完成させておいてやろう!!!」


 おおっ、ここまで言い切るとは。

 これは期待させてもらおうかな?

 【槌鍛冶士】の腕前を今さら疑うことはないので、思う存分やってくれるのを楽しみにしておこう。


 「ああ、そういえばワシが戻ってきた関係上【大深罪鉄林包丁】はお前の手からワシへと移動しているぞ!!!

 あれから特に使った様子もないから関係ないことだと思うが、念のため覚えておくといいぞ!!!」


 そういえば【槌鍛冶士】のサブの種族が【失伝秘具】になっていたな。

 あれはきっと【槌鍛冶士】が【大深罪鉄林包丁】と一体化したってことなんだろうが、せっかくの【失伝秘具】がどんどん俺の手から離れていくのはちょっと物寂しい気もするのだった……







 ワシが代わりに賑やかにしてやるぞ!!!


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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