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654話 冒涜的図書館

 俺は【図書館】の扉の取っ手に手をかけて、一気に開いていく。

 すると、その中には蔵書がびっしりと詰まった本棚が並んでいる光景が延々と続いているのが目に飛び込んできた。


 様々な色の背表紙の本が並んでいると虹のようにも見えてくるが、本のサイズは俺の身体くらいある巨大なもので違和感しかない。

 こんな大きな本読むのが大変だろ……


 そう思いつつも、古びた本の1つに手を掛けていく。

 赤いものをなんとなく選んだが、特に理由はない。

 一番近くにあったからというだけだ。


 そうして本に触れた瞬間……



 俺の身体は未知の感覚に囚われ、その力に耐えきれずその場で破裂することとなった……

 何処かに連れていかれそうな感覚が身体を這ったが、なんとか逃れることができたぞ。





【Raid Battle!】



 【深淵域の管理者】



 【エルル】


 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、死に戻りしました。

 この深淵奈落……触れたら即死するもの多すぎないか!?


 これまで主にキリゲーの核、ルルナティックの床などで何度も即死を体験したわけだが、今回は【図書館】の本かよ……

 地上だとそこまで露骨に酷いものは無いはずなのに、この深淵奈落では日常茶飯事のように見つかるな……

 おちおち探索すらさせてくれないとは良い根性してるじゃないかゲーム運営プロデューサーさんよぉ!


 俺はやり場のない怒りをゲーム運営プロデューサーにぶつけつつ、再度【図書館】へとたどり着いた。

 この【図書館】、本による死に戻りのギミックがこの後も続くなら何度も訪れることになりそうだ。

 

 そんな億劫な気持ちになりながらも、再度【図書館】の調査を再開する。

 今度は本に触れず、施設のなかを見て回ろう。

 何か本に関するヒントが隠れているかもしれないからな。


 【図書館】の中を進んでいくと、外をぐるぐると回っていた円錐の形をした何かがこの【図書館】内部でも動き回っているのに気がついた。

 無機質のように見える円錐だが、動きには何処か愛嬌のようなものが感じられる。


 俺は特に考えもなくこの円錐の物体が移動する後ろについて【図書館】を進んでいくことにした。

 どうせ周りを見ても巨大な本と、その本が納められている本棚しか見当たらないからな。

 唯一の手がかりになりそうな円錐物体に追随するのは自然な流れだろう。


 

 テクテクと足を小刻みに動かしていき、本が敷き詰められた棚を横目に進んでいくが一向に壁の向こう側までたどり着く気配がしないほど広がっている光景に違和感を覚えた。


 外から見た【図書館】は確かに大きいサイズではあったが、ここまで無限に広がっている感じはしなかった。

 あくまでも俺の感覚だが、大型の野球ドームくらいだったように思う。


 それがここまで広がっているのは道理に合わない。

 しかも、本のサイズもここまで多いのに天井まで全然棚が届いていないことから、この【図書館】内部の空間は異質なものなんだろうと違和感から想像できた。

 まあ、全体が危険地帯な深淵奈落にある施設なんだからそれくらいの現象が起きてもおかしくはないが、こうも広がっていると俺の距離感覚がバグりそうになってくるぞ!


 空間の広さや、普段見たことのある本のサイズが何倍も大きくなっているのを認識するとあたかも自分が縮んで小さくなってしまったかのような錯覚すら覚えてしまう……というのは厄介だ。

 

 そんな果てしない本棚を見つめながらしばらく移動すると、円錐物体が途中で止まったようだ。

 円錐物体はその尖った部分で何かを指している様子で、その先へと俺は目線をズラすとそこには一冊の本があった。


 それは冒涜的なオーラを放ちながらそこに存在しており、見るものによっては嫌悪感を覚えるものであった。

 だが、俺には不思議とその感覚が心地よいとさえ思った。

 この【図書館】でこれまで見てきたどの本よりも一番しっくりくる。


 その本を手を伸ばすと、他の本のように死に戻りさせられることなく普通に手に取れた。

 俺が感じた心地よさが影響しているんだろうか。

 本の危険度からするとこの本も他の本と同様なはずだが、本から俺を誘うような気配すらある。


 身体の大きさほどの本を一生懸命取り出すと、そこにはロックがかけられていた。

 くそっ、ここまで苦労させて焦らせてまだ鍵が必要なのかよ……

 俺は仕方なく本を持ち出そうとしたが、円錐物体に怒られた。


 えっ、持ち出しもダメ?そうか……

 せめてもの抵抗として、見つけた本は【図書館】の入り口周辺に置いておくことにした。

 解決策見つけたらまた来るからな!




 ……。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

総合評価ポイント3000突破しました!

皆様の評価とても嬉しく思います!



そして、ここ数日ですが日間ランキングのVR部門でランクインさせていただいております!

多くの方に見ていただけるようになってきて、私はこれからも気を引き締めて頑張っていく所存であります!

 

明日からの投稿も、ご愛読のほどよろしくお願いいたします!

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