表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

652/2204

652話 ユニーククエストの所感と復興の兆し

【Raid Battle!】


 【深淵域の管理者】



 【エルル】


 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 さて、ユニーククエストも無事(?)終わらせてきたところで、今日はルル様と話をするためにアビスの方にログインしてきた。

 前はこういう時【菜刀天子】と話をしたものだが、今はあいつの姿はないからな。

 それに、今回は深淵種族関係だし、居たとしてもルル様だったか。





 「カッカッカッ!

 見事我らの陣営を勝利に導いたのぅ!

 まさか我の配下である【蕭条たる百足壁】の力の鱗片である【邪神像】が【荒野の自由】の陣営として敵に回るとは我も予想しておらんかったが、よくぞ止めた。

 あやつの守りはプレイヤーには荷が重かったであろう……」


 ルル様は緑色の触手のようなものを蠢かせながら、機嫌が良さそうに笑い語りかけてきた。



 そりゃ荷が重かったもなんも……

 模型であれって考えると、本体の【蕭条たる百足壁】の防御力については考えることすらしたくないな……

 


 「事前に【『sin』ーーー大罪を司る悪魔】から協力を得れていたのが幸いしたようだが、あれが無ければ主力プレイヤー二人を相手にした後に【邪神像】を相手にする構図となっておったのには我としても冷や冷やさせられたのぅ……

 いくら【包丁戦士】といえども、消耗した状態であの【邪神像】を止められたとは思えぬ故にな」


 それはそうだな。

 トッププレイヤー相手だと一対一でもギリギリの勝負になるからな。

 リソース度外視なら体力に余力を持たせることは出来たんだろうが、そうしたら結局最後にはリソース不足であの【邪神像】との耐久戦に敗れていたはずだ。

 流石に【邪神像】が出てくるとまでは思ってなかったが、連戦は覚悟してたから【大罪魔】がいる間は戦闘に混ざらないようにしていたのもある。



 「賢明な判断だ。

 【包丁戦士】、お前も【上位権限】を持つ者故上に立つ者としての振る舞い方というものも少しは自覚しておるというわけか。

 もっとも、最終的に討ち取られておったようだがのぅ……」


 うっ、それには返す言葉もありません……

 【ペグ忍者】め、いつも俺の死に際にいるのはあいつだ。

 もはや俺に取っての死神みたいな存在だよなぁ……


 最終的に深淵獣側として動いていることを確認してあえて機戒兵側として振る舞っていた【トランポリン守兵】お嬢様が立ち回ってくれていたから勝てたが、あいつが機戒兵側で終始動いていたらそもそも戦いにすらなってなかったな。


 「アルベーも良い宿主を見つけたようだ。

 そのように知略に長けた者は我としても大歓迎である故にな」


 そりゃ、深淵種族は直接的な攻撃よりも回りくどい方法での根回しが出来るやつがスキルを使いこなせるようなラインナップっぽいからな。

 【トランポリン守兵】お嬢様の手腕なら問題ないというわけだ。

 例外はジェーライトくらいか。

 ボマードちゃんが知略を巡らすのは想像できないし。


 「【侵略】の力も上手く使えば面白いことが出来るはずなのだがのぅ……」


 ま、それは気長に待つしかないか。



 「それで話は変わるが、アナウンスにも流れた通りこの【深淵奈落】の一部であるが復旧することに成功した!

 カッカッカッ、我としても久方ぶりの変革に気持ちが昂っておるわ!

 長年この【深淵奈落】で復興という方向での変化は起きておらんかった故にな」


 ルル様は感慨深そうな面持ちで緑色の触手を揺らめかせている。

 その瞳の奥にはこれまで積み重ねてきた苦労がどことなく感じさせるような深みがあった。


 ま、そんなルル様の感傷に付き合うのも悪くはないが、それよりも復興したという【深淵奈落】についての方が興味がある。

 これまで荒廃した景色しか見ることの出来なかった【深淵奈落】だが、それが復興したとなると話が変わってくる。

 それが例え一部だけであってもだ。


 

 そんな俺のワクワク感を感じ取ったのかルル様もノリノリで口を開いた。


 「ようやく我のところにも有用な施設が復活したのだ。

 今までは憎らしい次元天子にこの次元のリソースを持っていかれておったからのぅ……

 このように復興を目の当たりにすると気持ちが清々するな」


 言われてみると、これまで使えるようになった施設といえば聖獣関係の闘技場、クランハウス、天子王宮とその内部、冒険者ギルド、誓言の歪曲迷宮。

 【荒野の自由】関係でも荒野バーと保安施設が解放されている。


 そう考えると、この【深淵奈落】は俺が独りでに進んでいるだけであって別に復興しているわけじゃ無かったもんな。

 ……ルルナティックの変質は、復興とは口が裂けても言えない。



 それで、具体的に復興した施設って何なんだ?

 俺は期待を込めてルル様へと問いかける。

 すると、返ってきた答えは……


 「それは……図書館だ。

 我にとって知識、叡知こそが一番の力である故に一番に復興したのであろう。

 カッカッカッ、心なしか我のステータスも向上しておるわ!」

 

 えぇ……図書館……?








 ……。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 図書館……セラエノ……うっ、頭が!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ