639話 高揚感
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ】ー【次元天子】【上位権限】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日は【大罪魔】と【無限湖沼ルルラシア】に行くぞ!
あの【失伝秘具】が【大罪魔】でも本当に使えるのか半信半疑だが、やってみる価値はある。
というわけでやってきました沼地エリア……【無限湖沼ルルラシア】。
相変わらずプレイヤーとプレイヤー、機戒兵と深淵獣たちが激しい衝突を繰り返しているな。
戦線がわりと深淵奈落側に移動していることから、機戒兵たちの侵攻が俺が想定していたよりも早かったということになる。
【検証班長】や他のトッププレイヤーたちが相当頑張ってきているのだろう。
だが、その点に関しては俺も同じだ!
機戒兵に対する新たなカウンターを引っ提げてやってきたんだからな!
「ようやく反撃出来ると思うとワクワクしたり、興奮したりする……」
俺と一緒に来た銀髪褐色ロリの【大罪魔】は俺が渡した【失伝秘具】の【クロックギア】を握りながら震えているようだ。
ただ、【大罪魔】の言葉からすると恐れているわけではなく武者震いなのだろう。
「じゃあ、これからこの【失伝秘具】を発動してエネルギーを解放するの。
【クロックギア】起動なの!」
【大罪魔】が【失伝秘具】である【クロックギア】を起動すると、【クロックギア】の時計の針が逆回転しながら周囲にエネルギーを与えはじめている。
時計が元々示していた時間は7つまり満タンでこそ無かったが、それでも俺には有り余るほどのエネルギーが補充されていっている。
……というか、えっ、ちょっ、たまりすぎだろっ!?
おい、おいおいおいおい!!!!!
俺は身体に蓄積したエネルギーを放出する前に身体が破裂してしまい、死に戻りさせられてしまったのだった……
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ】ー【次元天子】【上位権限】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、とりあえずもう一回戻ってきた。
【深淵顕現権限】とかを介さずに【魚尾砲撃】をした時の現象に近い形で死に戻りしてしまったが、散々な目に遭ったな……
そんなことを思いながら【大罪魔】に近づくと、一定距離近づいた時に身体に異変が走った。
【個人アナウンス】
【大罪域に侵入しました】
【Raid Battle!】
【『sin』ーーー大罪を司る悪魔】
【????】
【大罪魔】【上位権限】【???】
【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】
【【嫉妬】にとり憑かれ【望遠鏡が根源を見破る】】
【【色欲】に溺れ【ステッキが欲望に変質を与える】】
【【傲慢】にも驕り【パイルバンカーが有頂天を極める】】
【【怠惰】の果てで【蛇腹剣が惰眠を貪る】】
【【強欲】に際限はなく【ピッケルは全てを簒奪する】】
【【憤怒】は収まらず【アンカーは怒りを鎮めない】】
【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】
【【虚飾】を重ね【十字架が偽りの美しさを求める】】
【【憂鬱】に苛まれ【釣竿が鬱屈を覚える】】
【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】
【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】
【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】
【レイドバトルを開始します】
【ワールドアナウンス】
【包丁が血を求める】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の目覚め】が強制セットされました】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の渇望】が強制セットされました】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の飢忌】が強制セットされました】
【暴食は食べ散らかしたり、味わったりする……】
【大罪域の風が吹き荒れる】
【【包丁戦士】に暴食の力が貸与されました】
おっ、俺自身が【暴食】の起動条件を満たさずに【暴食】状態になったぞ!
そして、【大罪魔】も全身から力を漲らせているようだな。
近くにいるだけてピリピリとした力の波動を感じるほどだ。
レイドアナウンスはこの領域内に入り込んだ場合に流れ込むようだが、それでも【大罪魔】であることを隠していないということからここからの展開に対して前向きに行動していくという意思の表れなんだろう。
「凄いっ……力が漲ってきたり、溢れたりするっ!!
これが万能感、私の全盛期には及ばないけど久しぶりに【上位権限】レイドボスとしての力を取り戻した感じがするの!」
【大罪魔】は目をギラギラさせながらそんなことをブツブツと言っている。
【大罪魔】は全ての力を取り戻したわけではないが、力の範囲は俺が盗られた大罪称号から増えていた。
そこからさらに範囲ではなく力そのものが上がったという感じだろうか。
そして、周りにいた機戒兵たちの動きも著しく悪くなっていく。
【大罪魔】が放つ大罪のエネルギーの影響を受けて弱体化していっているのだろう。
俺とルル様が睨んだ通りにことが進んでいるな!
さて、暴れまわる【大罪魔】の姿、見せてもらおうじゃないか!
……。
【Bottom Down-Online Now loading……】