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633/2203

633話 機戒種族についての推論

 【Raid Battle!】


 【荒野の自由】


 【????】


 【機戒天使】【上位権限】【保安官】



 【螺旋のように回る歯車は輪廻の象徴】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【罪を裁き悪を挫く】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【罪を迎え撃つ雌伏する弾丸は】


 【増長する悪意を討ち滅ぼす】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は柵の外でキルされたが、死に戻りでまた柵の中に戻されてしまったところで終わったんだったな。

 あの銅ゴリラ、図体がデカイわりに動きが速くて攻撃が来るって分かってない状態での対応では追いつけなかったぞ。




 「やっぱり先輩もそう思うッスよね……

 俺っちもスキルを発動させて迎え撃とうとしたッスけど間に合わなかったッス……

 しかもここに来る前にストックしてた技も全部使い切ってるッスから、abilityに頼れないのが痛いッスね」


 こいつの強みである【現界超技術】による他者行動の模倣はほぼ万能と言ってもいいが、それも事前にコピー出来ていたらの話だ。

 今回はもう多彩な技には期待できないだろう。


 「今盗み取れる技だと先輩かあの看守の行動だけッスからね。

 今回は遠慮無く先輩の技を盗ませてもらうッスよ!」


 それは望むところだ!

 まあ、普段から【天元顕現権限】の天子の翼をコピーしてるからここで宣言されても今さら感はあるんだが……


 


 さて、看守の銅ゴリラが投げてきた槍みたいなものだが、冷静に思い返して見ると俺が今握っている柵と同じようなものを思える。


 「あっ!

 言われてみるとそうかもしれないッスね!?

 つまりこれは【監柵の機戒大猩々】の能力ってことッスよね!」


 おそらくだがな。

 ただ、この柵の効力が何なのかは分からないんだよな。

 あの銅ゴリラが武器として投げてきたってことと何か関係があったりするのか、それともただ生み出しやすかっただけなのか、それが分かるだけでも判断のしようがあったんだが。

 深淵スキルの封印とかか?

 

 「えっ、先輩今深淵スキル使えないッスか!?

 かなり痛手ッスよね……」


 あれ、説明してなかったか?

 そういえば自分で試してから言ってなかったような気もする。

 というか、俺の【深淵顕現権限】以外にも普通に汎用スキルとして配られてる深淵スキルは【バットシーフ】後輩でも試せるだろ?

 やらなかったのか?


 「試してなかったッスね……

 とりあえず俺っちもやってみるッスか!

 スキル発動!【魚尾砲撃】ッス!」


 【バットシーフ】後輩は意気込んでスキルの発動を宣言するが、【魚尾砲撃】特有のエネルギーの過剰蓄積が開始されずその場で恥ずかしい思いをしただけの【バットシーフ】後輩が立ち尽くしているだけとなった。


 「スキル不発した時ってなんだか恥ずかしいッスね……」


 だろ?

 知っててやらせたが、端から見るとシュールな絵面だな。

 だが、俺だけじゃなくて【バットシーフ】後輩も深淵スキルが使えなかったから俺自身が原因で深淵スキルを発動できなかったわけじゃないってことを確認できた。

 

 つまりこの柵は深淵スキル、もしくは内部データで特定の一定数値を越えたものの力を封印するとかそんなところか。

 ログイン場所の固定もそれが原因か……?


 何はともあれ、相手の力の正体の一端が分かっただけ良しとしておこう。

 あの【監柵の機戒大猩々】は見た目がパワータイプだが動きはスピードタイプ、そして能力が封印というデバフ系というチグハグな組み合わせとなっている。


 「バランスがとれてるってことッスか?

 でも違和感しかないッスよね」


 そう、不自然なほどバランスを取った感じになっている。

 まるで無理やりそのように作ったかのようにすら思えてくるな。


 「機械みたいな身体のレイドボスッスからね。

 本当にそういう風に設計されて生まれてきたレイドボスかもしれないッス」


 なるほど。

 たしかにその考え方は出来るな。

 言ってしまうのならば最強兵器を作り上げたようなものか。


 ……そういえば、もう【トンカチ戦士】が倒してしまったが、砂漠エリア【陽炎砂漠シヤラマカン】のレイドボス【想起砂漠の現像鮫】の【エヌレッド=シャーク】も多彩な攻撃をしてきたと掲示板で話題になっていた。

 空を飛んだり、竜巻を纏ったり、雷を纏ったりという鮫にしては統一感の無い攻撃をしてきてたみたいだった。


 つまり、この機戒種族たちは機能、性能を寄せ集めて作られたキテレツなやつらってことになるな?

 合っていたら面白い来歴だぞ……?


 「でも先輩、それが分かったところで脱出に役立つッスか?

 全然先が遠そうなんッスけど!?」


 いや、俺も先が見えてるわけじゃないが能力とかバックボーンを知っておくのは悪い話じゃないはすだ。

 今すぐに活きてこない情報でも土壇場で役立つことはあるからな。


 「なんだか先輩、【検証班長】先輩にかなり影響受けてるッスよね?

 彼氏の影響を受けて趣味が変わる彼女的な?」


 誰が彼女だ!

 ……まあ、影響を受けてること自体は否定は出来ないがな!






 ミーの領域で和まないで欲しいネ!


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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