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622/2202

622話 荒れ狂う再戦

【Raid Battle!】



 【深淵域の管理者】




 【エルル】



 【???】【上位権限】【ボーダー】




 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】



 【深淵へ誘い】



 【冒険者を堕とす】



 【深き真価を見極め】



 【境界に流転する】



 【封印された夢想が解き放たれし時】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】



 【レイドバトルを開始します】





 はい、今日も元気にログイン!

 今日はアビスの方にログインしてみた。

 地上で深淵獣と機戒兵が戦っているのに呑気な……と思うやつもいるかもしれないが、そもそも現時点では【無限湖沼ルルラシア】においては深淵獣の方が優勢だからな。

 そんなに焦ることはないはずだ。


 そんなわけでやってきたのは深淵奈落……【深淵奈落ー中層 ルルナティック】だ。


 ここは俺が開拓したレッドカーペットのような赤い枝が広がっており、一面を覆い尽くしている。

 禍々しくも俺好みの光景だな。



 そんなレッドカーペットを歩いて進んでいくと、漆黒のウナギ?ヘビのような像があるところまで到着した。

 この像は【深淵機構ーAbyss system】、かつて戦った深淵種族のレイドボスと再戦することが出来るものだ。


 前に起動した時には再現体のアルベーに瞬殺されてしまったが、今回俺の目の前にあるのはジェーライトの像だ。

 ジェーライトとは新緑都市アネイブルのジェーライト=ミューン討伐総力戦の時にも、初心者イベントの時にも戦っており、さらには山間部エリアのレイドボス【タウラノ】とタッグを組んで挑んできたりもした。


 つまり、俺との戦闘経験が一番多いレイドボスと言えるだろう。

 そんなジェーライト相手であれば今の俺なら勝てるのではないかと思ったのだ。


 

 というわけで……



 俺は目の前に表示されているウインドウ画面を覗く。



 【深淵機構ーAbyss system】


 【【荒れ狂う魚尾砲】ーЖ】


 【上記のものを起動しますか?】


 【はい】【いいえ】




 よし、起動だ!


 【Raid Battle!】


 【荒れ狂う魚尾砲(廻)】


 【レイドバトルを開始します】



 レイドバトルが始まると脳内に無機質な声が鳴り響き始め、俺の前に巨大なウナギのような、ヘビのようなレイドボスが脈動し始めた。

 そして、目の前にいる俺を感知するとそのまま突っ込んできた。



 はっ、初手でそう来るのは読んでたぞ!


 俺はこれまでのジェーライトとの戦いの経験則から突っ込んでくることを読んでいたので、少し大袈裟に回転しながら回避した。


 【ЖЖЖЖ∽#ЖЖЖЖЖ#Ж#%!】


 必殺を図った速攻がかわされたのが気にくわなかったのか、雄叫びをあげながら怒り狂っている。

 


 俺以外のプレイヤーならその攻撃で葬れただろうな。

 だが、そのパターンはくどいほど見せられてる。

 新緑都市アネイブルでの時にはモブプレイヤーという肉壁で防いだが、今の俺は種族転生もしているのでかわすことも出来るのだ。


 だが、ここからは俺の初見のパターンがあるようだ。

 ジェーライトが突っ込んできた経路に、身体からしたり落ちた粘液が水溜まりのようになっている。


 その水溜まりから毒の水柱が発生し、俺に向かって飛んできた。

 初心者イベントの時にも思っていたが、ジェーライトは単体だと毒の攻撃を混ぜてくるよな。


 流石は【侵略】の力を司るレイドボス、相手をじわじわといたぶりながらその身を弱らせていくというコンセプトなんだろう。

 

 その水溜まりから連続して毒柱を飛ばしてきているので回避を続けているが、これが中々しつこい。

 ジェーライトが起動する度に水溜まりの場所が変化していき、突進と毒柱の攻撃が交互に繰り出されていくのはこちらに休む暇を与えてくれない。

 


 集中すれば回避し続けることは可能だが、こっちから攻撃を仕掛ける余力がないぞ!?

 ジェーライト本体とは別方向から時間差で飛んでくる攻撃っていうのがねちっこくて深淵種族らしいな。


 そして、極めつけは毒ってところだ。

 今は完璧に回避できているが、一度当たると常にダメージを受け続けるようになるのは予想しやすい。


 

 【#ЖЖ####【Ж】!!!】 


 そんなことを考えながら攻撃に転じようとした瞬間に、ジェーライトの顔のカットインとセリフが視界の端に流れてきた。


 このカットイン……懐かしいな。

 文字通り死ぬほど見た光景だ。

 


 ジェーライトは口にエネルギーを充填して全てを凪払う【侵略】の力……【魚尾砲撃】による極太レーザーを放ってきた。

 禍々しい極光に俺は回避の準備をしていたが、回避し始めた時に思い出した。


 ……ジェーライトの極太レーザー、回避無意味だったな!?

 新緑都市アネイブルの総力戦では【釣竿剣士】による釣竿一刀流の防御でなんとかしていたが、それ以外の方法でまともに防げたこと無かった。


 とっさの判断で回避を選択してしまったが、それは大きな間違いだったんだ。

 そのまま極太レーザーに飲み込まれていき、俺は無惨にも死に戻りすることとなったのだった。




 流石にまだ時期尚早かのぅ……?


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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